Kindle出版で適格請求書がない時の原因と対処法を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle本を仕事や事業のために購入したものの、Amazonの注文履歴を見ても「適格請求書(インボイス)」が見当たらず、困っている方もいるでしょう。
特に注意したいのが、「適格請求書がない=経費にできない」というわけではないことです。
適格請求書は、主に消費税の仕入税額控除を受けるために必要となる書類です。所得税や法人税上の経費として処理できるかどうかとは、分けて考える必要があります。
また、Kindleストアの商品を提供するAmazon Services International LLCは、現在、日本のインボイス制度に対応しており、適格請求書発行事業者登録番号も取得しています。
この記事では、Kindle本の適格請求書が見つからないときに確認したい場所、発行されないケース、少額特例などを2026年時点のAmazon・国税庁の情報をもとに整理します。
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Kindle本の適格請求書がないときは最初に注文履歴を確認する
目次
- 1. Kindle本の適格請求書がないときは最初に注文履歴を確認する
- 2. KindleストアはAmazon Services International LLC名義でインボイスを発行する
- 3. 「領収書」と「適格請求書」は同じではない
- 4. 適格請求書がない=経費にできないわけではない
- 5. 適格請求書が表示されない主な原因
- 6. 適格請求書がない場合でも1万円未満なら少額特例を使える場合がある
- 7. 適格請求書発行事業者ではない相手から購入した場合にも経過措置がある
- 8. Amazonから取得した適格請求書は電子データで保存する
- 9. Kindle本を購入したときの適格請求書チェックリスト
- 10. まとめ|Kindleの適格請求書がないときは注文履歴と発行者を確認する
Kindle本を購入したあと、通常の「領収書」だけを見て「登録番号がない」と判断してしまうケースがあります。
Amazonでは、領収書と適格請求書が同じものとは限りません。
まずAmazon.co.jpへログインし、購入したKindle本の注文履歴を確認しましょう。
Amazonでは、注文履歴の「領収書等」から、取引に対応した明細書や適格請求書を確認できる仕組みがあります。
画面上の名称は注文内容やAmazon側の表示変更によって異なる可能性がありますが、基本的には次の流れで確認します。
- Amazon.co.jpへログインする
- 「注文履歴」を開く
- 購入したKindle本を確認する
- 「領収書等」を開く
- 支払明細書・適格請求書などの項目を確認する
- 発行者名・登録番号・税率・消費税額などを確認する
「領収書」だけではなく、「領収書等」の中にある支払明細書・適格請求書まで確認することがポイントです。
KindleストアはAmazon Services International LLC名義でインボイスを発行する
ここは、古い情報と現在の情報が混在しやすい部分です。
Kindleストアの商品は、Amazon Services International LLCが提供しています。
Amazon公式では、Amazon Services International LLCについて、次の適格請求書発行事業者登録番号を案内しています。
T2700150006138
そして、Kindleストアの商品については、Amazon Services International LLCの登録番号でインボイスを発行すると案内されています。
つまり、「Amazon Services International LLCは海外法人だから日本のインボイスを発行できない」という理解は現在では正しくありません。
Kindle本を購入したのに適格請求書が見つからない場合は、まずAmazonの注文履歴から適格請求書・支払明細書を探してください。
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「領収書」と「適格請求書」は同じではない
Kindle本を経費精算するときに混乱しやすいのが、「領収書」と「適格請求書」の違いです。
インボイス制度では、仕入税額控除を受けるため、原則として一定の記載事項を満たした適格請求書などを保存する必要があります。
適格請求書には、主に次のような情報が必要です。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称
- 適格請求書発行事業者登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分した金額と適用税率
- 税率ごとの消費税額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
そのため、購入金額だけが記載された領収書を開いて登録番号が見つからなくても、それだけで「Amazonがインボイスを発行していない」とは判断できません。
注文履歴から適格請求書に該当する書類を確認しましょう。
インボイス制度そのものについて詳しくは、『Kindle出版の消費税とインボイス制度とは?著者が知るべき実務対応を徹底解説』で整理しています。
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適格請求書がない=経費にできないわけではない
ここも非常に重要です。
「適格請求書がないと経費にできない」と考えてしまう方もいますが、適格請求書が主に関係するのは消費税の仕入税額控除です。
所得税や法人税において事業上必要な支出として経費計上できるかどうかと、消費税の仕入税額控除を受けられるかどうかは別の問題です。
したがって、適格請求書が取得できない取引でも、それだけを理由に経費計上そのものができなくなるとは限りません。
一方、消費税の本則課税で仕入税額控除を受ける場合は、原則として帳簿と適格請求書などの保存が必要です。
自分が免税事業者なのか、簡易課税なのか、本則課税なのかによっても実務上の扱いが変わるため、不明な場合は税理士などへ確認してください。
適格請求書が表示されない主な原因
注文履歴を確認しても適格請求書が見つからない場合は、次のポイントを確認してみましょう。
「領収書」だけを確認している
最も単純なのが、領収書だけを開いているケースです。
Amazonでは注文履歴の「領収書等」から、適格請求書に対応した明細を確認できます。
登録番号が見つからない場合は、「領収書等」の中に別の書類がないか確認してください。
適格請求書発行対象ではない取引を確認している
Amazonでは、すべての販売事業者が適格請求書発行事業者とは限りません。
Amazon公式でも、販売事業者が適格請求書発行事業者として登録されていない場合は、適格請求書が発行されないと案内されています。
ただし、前述したとおり、Kindleストアの商品を提供するAmazon Services International LLC自体は適格請求書発行事業者です。
「海外法人だから発行されない」と判断するのではなく、実際の注文と発行者情報を確認しましょう。
Kindle本以外の商品と混同している
Amazonでは、Amazon自身が販売する商品、マーケットプレイス出品者の商品、デジタルコンテンツなどによって発行者が異なることがあります。
複数商品を仕事用に購入している場合は、注文ごとに発行者と登録番号を確認すると整理しやすくなります。
Amazonでのインボイス取得全般については、『Amazonビジネスのインボイス対応を徹底解説|請求書取得・注意点まとめ』も参考にしてください。
適格請求書がない場合でも1万円未満なら少額特例を使える場合がある
一定規模以下の事業者には、インボイス制度の「少額特例」があります。
現在の制度では、一定の条件を満たす事業者が行う税込1万円未満の課税仕入れについて、適格請求書を保存しなくても、一定事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除を受けられる場合があります。
対象となるのは、原則として次のいずれかを満たす事業者です。
- 基準期間の課税売上高が1億円以下
- 特定期間の課税売上高が5,000万円以下
少額特例の対象期間は、2023年10月1日から2029年9月30日までです。
また、「1万円未満」の判定は1商品ごとではなく、原則として1回の取引単位で判断します。
たとえば、5,000円の商品と7,000円の商品を同時に購入し、1回の取引が12,000円になった場合は、少額特例の1万円未満には該当しません。
なお、少額特例はすべての事業者に無条件で適用される制度ではありません。
自分が対象になるか分からない場合は、国税庁の最新情報や税理士へ確認してください。
適格請求書発行事業者ではない相手から購入した場合にも経過措置がある
少額特例とは別に、適格請求書発行事業者ではない事業者からの課税仕入れについても経過措置があります。
2026年8月時点では、一定の要件を満たせば、インボイス制度開始前の仕入税額相当額の80%を仕入税額として控除できる経過措置があります。
ただし、この割合や適用期間は税制改正によって変更されます。
2026年10月以降は制度変更も予定されているため、実際の申告時には必ず国税庁の最新情報を確認してください。
この記事ではKindle本の適格請求書が見つからない場合の確認方法を中心に解説しているため、具体的な消費税計算は税理士など専門家へ確認することをおすすめします。
Amazonから取得した適格請求書は電子データで保存する
Amazonのようなインターネット上の取引で、請求書や領収書などを電子データとして受け取った場合は、電子帳簿保存法にも注意が必要です。
国税庁では、インターネット上の取引などで電子的に受け取った請求書・領収書等について、電子取引データとして保存することを求めています。
そのため、Amazonから適格請求書などを取得した場合は、紙に印刷するだけで終わらせず、電子データも保存しておくことが重要です。
たとえば、次のような形で整理しておくと管理しやすくなります。
- 購入日
- 書籍名
- 購入金額
- 販売・発行事業者
- 登録番号
- 適格請求書のデータ
事業でKindle本を頻繁に購入する場合は、年度ごとにフォルダを作って保存しておくと確定申告時の確認も楽になります。
Kindle本を購入したときの適格請求書チェックリスト
Kindle本の適格請求書がないと感じたときは、次の順番で確認してください。
- Amazonの注文履歴を開く
- 対象のKindle本を確認する
- 「領収書等」を開く
- 支払明細書・適格請求書などを確認する
- 発行者名と登録番号を確認する
- Kindleストア商品ならAmazon Services International LLCの情報を確認する
- 電子データを保存する
- 適格請求書が取得できない場合は少額特例などの対象になるか確認する
特に、「領収書に番号がない」「販売元が海外法人」という理由だけで、インボイスが発行されないと判断しないことが重要です。
まとめ|Kindleの適格請求書がないときは注文履歴と発行者を確認する
Kindle本の適格請求書が見つからないときは、まずAmazonの注文履歴から「領収書等」を開き、適格請求書や支払明細書を確認しましょう。
Kindleストアの商品を提供するAmazon Services International LLCは、日本の適格請求書発行事業者として登録されており、Kindleストアの商品について同社の登録番号でインボイスを発行しています。
そのため、「海外法人だからKindle本のインボイスは発行されない」という情報は現在の仕組みとは異なります。
また、適格請求書がないことと、所得税・法人税上の経費にできないことは同じではありません。
消費税の仕入税額控除については、事業者の状況によって少額特例や経過措置を利用できる場合もあります。
制度そのものを詳しく確認したい方は、『Kindle出版の消費税とインボイス制度とは?著者が知るべき実務対応を徹底解説』もあわせて確認してください。
税務上の最終的な処理について不明点がある場合は、国税庁の最新情報を確認するか、税理士などの専門家へ相談してください。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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