のべ600名以上・累計5,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle出版で「海外出版」と聞くと、英語で本を出すことや、外国向けに翻訳することをイメージする人が多いかもしれません。
しかし実際のKDP(Kindle Direct Publishing)では、**日本語の本でも海外Amazonストアで販売できる**仕組みが標準で備わっています。
つまり「海外出版」とは、特別な契約や手続きを追加で行うのではなく、KDPの設定次第で自動的に販売範囲を広げられるという意味です。
この記事では、**日本向けKDPを利用しながら海外ストアに配信する際の基本構造・権利設定・ロイヤリティの考え方**を解説します。
筆者も実際に日本語のKindle本を世界10か国以上で販売しており、「知らないうちに海外から購入されていた」というケースもあります。
初心者でも理解しやすいよう、専門用語をかみ砕きながら進めていきます。
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【前提】Kindle出版の英語版を「海外出版」とは何か(日本向けKDPで海外ストアへ配信する基本)
▶ 初心者がまず押さえておきたい「基礎からのステップ」はこちらからチェックできます:
基本・始め方 の記事一覧
目次
Kindle出版における「海外出版」は、別の国のAmazonストア(例:Amazon.com、Amazon.de、Amazon.frなど)であなたの電子書籍を販売できるようにする仕組みのことです。
つまり、日本のKDPアカウントからでも、**販売地域の設定を「全世界」にすれば、同時に海外Amazonサイトでも自動的に公開される**というのが基本です。
これは日本語の書籍であっても可能で、翻訳版や現地通貨価格を別途用意する必要はありません。
ただし、現地での表示価格やロイヤリティの扱いは、販売国によって若干異なるため、設定内容を理解しておくことが重要です。
海外ストア向けに英語コンテンツそのものを出したい場合の手順や注意点については、『KDPで英語版を出すには?日本在住でも安全に出版する方法を徹底解説』で別途まとめています。
目的と範囲:Amazon.co.jp基点でのKDP海外配信の考え方(権利と地域設定の全体像)
KDPでは、書籍ごとに「販売権のある地域」を指定できます。
デフォルトでは「すべての地域で権利を持っています(Worldwide rights)」が選択されており、このまま公開すれば自動的に世界中のAmazonストアで販売されます。
一方で、「個別の地域を指定」を選ぶと、販売対象を特定の国や地域に絞ることができます。
特別な理由がなければ、「すべての地域」を選んでおくのが基本です。
これは、設定ミスによって特定地域で販売が止まってしまうリスクを避けるためです。
また、KDPでの「海外配信」は、電子書籍のデータをAmazonが各国のストアに自動で反映する仕組みのため、著者側で個別に配信申請を行う必要はありません。
筆者の経験では、海外配信の有無を意識しなくても、初出版の翌週にアメリカとドイツの読者からダウンロードがあったこともあります。
販売地域設定は、出版時の「権利と価格設定」ページで変更できます。
海外展開を意図していなくても、**「国内限定」に絞る理由が特にない限り、全世界配信が自然な選択**といえるでしょう。
用語整理:出版地域・権利・ロイヤリティ・KDPセレクトの関係(Kindle出版 海外出版の基礎)
KDPの「海外出版」を理解するうえで混同しやすいのが、「出版地域」「権利」「ロイヤリティ」「KDPセレクト」という4つの用語です。
まず、**出版地域(Territories)**は「どの国で販売するか」を意味します。
**権利(Rights)**は、著者が自分の作品を出版・配信できる法的な権利を持っている地域を指します。
ほとんどの自作書籍では「すべての地域で権利を持つ」として問題ありませんが、翻訳本など他者の権利が関係する場合は慎重に扱う必要があります。
次に、**ロイヤリティ(Royalty)**は印税率です。
日本を含む多くの国では70%または35%のロイヤリティが選択できますが、販売国によっては70%を選べない場合もあります。
この違いは、Amazonのストア運営国が「70%ロイヤリティの対象地域」に含まれているかどうかで決まります。
そして最後に、**KDPセレクト(KDP Select)**はAmazon独占配信プログラムで、登録すると読み放題サービス(Kindle Unlimitedなど)に掲載される可能性が生まれます。
この登録をしていなくても海外配信は可能ですが、登録すると**読まれたページ数に応じた報酬(KENP)**が国を問わず支払われるため、海外読者が読み放題で読むケースも対象になります。
KDPセレクトとKindle Unlimited経由での収益の仕組みをもう少し詳しく知りたい方は、『Kindle Unlimitedの著者収入とは?仕組みとKDPセレクトを徹底解説』もあわせてチェックしてみてください。
つまり、KDPセレクト登録=海外出版を有利にする条件の一つと考えるとわかりやすいです。
ただし、KDPセレクトは「Amazon限定配信」になるため、他の電子書店(KoboやApple Booksなど)で同時販売はできません。
出版目的に応じて、登録するかどうかを検討しましょう。
筆者としては、初めての出版では登録しておくほうが、認知拡大の面でメリットが大きいと感じています。
手順:KDPで海外ストアに配信する方法(本棚→権利と価格設定→地域・価格)
KDPでは、一度出版した書籍を日本だけでなく、海外Amazonストアにも同時配信できます。
その設定はとてもシンプルで、KDPの「権利と価格設定」画面で数カ所をチェックするだけです。
ただし、細かい選択を誤ると販売地域が限定されたり、反映が遅れたりするケースもあります。
ここでは、筆者が実際に出版してきた経験をもとに、**確実に海外ストアに配信されるための操作手順と注意点**をわかりやすく解説します。
本棚→該当タイトル→「権利と価格設定」→出版地域を「すべての地域」に設定(KDP 海外配信 手順)
まず、KDPの管理画面にログインし、「本棚」から配信したい書籍を選択します。
タイトル右の「…(三点リーダー)」をクリックし、「権利と価格設定」を開きましょう。
このページの最初にある「出版権の設定」で、**「すべての地域で権利を持っています(Worldwide rights)」**を選択します。
これが、海外ストアで販売されるかどうかを決める最重要ポイントです。
もしここを「個別の地域を指定」にして特定国だけ選ぶと、他の国では自動的に非表示となってしまいます。
公式ヘルプにも説明がありますが、初心者はつい「日本だけでいいかな」と思って限定してしまうことが多いので注意が必要です。
筆者の経験では、最初から「すべての地域」を選んでおけば、Amazon.com(米国)、Amazon.de(ドイツ)、Amazon.fr(フランス)など、主要な海外サイトにも自動で反映されます。
特別な理由がない限り、「すべての地域」設定が最も安全で確実です。
日本円で希望小売価格を入力→他通貨は自動換算(必要なら主要国のみ手動設定)
次に、同じページ内の「価格設定」セクションで、日本円の希望小売価格を入力します。
KDPでは、日本円を基準に設定すると、他の通貨(ドル、ユーロ、ポンドなど)は自動換算されます。
たとえば、Amazon.co.jpで¥500に設定した場合、Amazon.comでは自動的に約$3.65前後として登録されます。
この自動換算は便利ですが、為替変動の影響で端数が出たり、現地で不自然な価格になることもあります。
そのため、主要な販売国(米・英・独など)だけは、手動で調整するのもおすすめです。
設定画面の「自動換算を使用」のチェックを外すと、個別通貨の金額を入力できます。
ただし、価格変更を頻繁に行うと反映が遅れるため、最初は自動換算で十分です。
国内販売が主軸なら、日本円を基準に価格を決めてOKです。
海外読者の購入は全体の数%程度であることが多く、まずはシンプルな設定で販売を開始するのが現実的です。
反映までの目安と注意:24〜72時間のタイムラグ/再編集の連打は避ける
設定が完了したら、「保存して出版」または「保存して終了」をクリックします。
その後、Amazon上に反映されるまでには通常24〜72時間ほどのタイムラグがあります。
この間は「公開中」でも、海外ストア側で検索に出てこないことがありますが、焦らず待ちましょう。
筆者の経験では、米国ストア(Amazon.com)は24時間以内、欧州圏は48〜72時間で反映されるケースが多いです。
この反映待ちの間に設定を何度も上書きすると、システム処理が競合して反映がさらに遅れることがあります。
KDPは内部で各国ストアごとにデータを同期しているため、変更のたびに再処理が走ります。
そのため、修正したくなっても「反映を確認してから再編集」するようにしましょう。
最後に、出版後はKDPの「レポート」機能で実際にどの国のストアから販売が発生しているか確認できます。
初めて海外から購入があったときは、通知が来るわけではありませんが、レポートに「USD」や「EUR」などの通貨が表示されていれば成功です。
この瞬間こそ、「本当に海外で売れた!」と実感できるタイミングです。
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価格とロイヤリティ:日本基準を守りつつ海外販売に対応(KDP 70%/35%の実務)
KDPのロイヤリティ設定は、見た目よりも複雑です。
特に日本の条件(70%印税)を満たしながら海外販売を行う場合、為替や税計算の仕組みを正確に理解しておくことが重要です。
ここでは、日本を基準にしつつ海外配信も視野に入れた価格設定とロイヤリティの考え方を、実務レベルで整理します。
日本の70%条件の整理:KDPセレクト登録+税込¥250〜¥1,250(Kindle出版 価格設定 日本)
KDPで70%のロイヤリティを得るには、まずKDPセレクトへの登録と価格設定の範囲遵守(¥250〜¥1,250・税込)の2点が必須です。
KDPセレクトに登録すると、Amazon独占販売になる代わりに、高い印税率と読み放題プログラム(Kindle Unlimited)への掲載機会を得られます。
一方、日本(Amazon.co.jp)で70%を選ぶにはKDPセレクト登録が必要です。米英など一部地域では未登録でも70%可ですが、本記事は日本前提のため詳細は割愛します(公式ヘルプ要確認)。
この範囲外の価格を設定すると、システム上で自動的に35%に切り替わるため、「保存できない」「35%に戻った」というトラブルはこの条件が原因のことがほとんどです。
また、価格は「税込」で入力しますが、ロイヤリティ計算はAmazon側が「税抜価格」を基準に行う点に注意しましょう。
筆者の経験では、価格設定を税込¥250ギリギリにすると、内部処理で端数が生じて保存エラーになることもあります。
そのため、¥260程度の余裕をもたせた設定をおすすめします。
日本市場向けの具体的な価格帯の決め方や、70%印税をキープしながら単価を上げていくコツは『KDPの価格設定とは?70%印税と最適価格の決め方を徹底解説』でより踏み込んで解説しています。
自動換算の落とし穴:為替で他国が範囲外になる場合の対処(公式ヘルプ要確認)
KDPでは、日本円を基準に価格を設定すると、他国ストアでは自動換算された価格が表示されます。
たとえば¥500で設定すると、米国ストアではおよそ$3.65、英国では£2.99前後に変換されます。
便利な仕組みですが、為替の変動によっては他国ストアで「70%対象外」の価格になってしまうことがあります。
70%ロイヤリティが適用される範囲は国ごとに異なり、たとえば米国では$2.99〜$9.99が条件です。
為替変動で$2.97に下がると、その国では自動的に35%扱いになることもあります。
このため、海外ストアでの販売を意識する場合は、主要国(米・英・独など)の価格を手動で微調整しておくと安心です。
設定画面で「自動換算を使用」のチェックを外せば、通貨ごとに金額を個別入力できます。
ただし、頻繁な変更は反映遅延を招くため、最初は自動換算で様子を見てから調整するのが現実的です。
ロイヤリティ範囲の最新情報は公式ヘルプで必ず確認しておくと、想定外の印税減を防げます。
税込入力と税抜計算・配信コストの基礎(画像多め作品はコストに注意)
Kindle本の価格は日本では税込で設定しますが、印税計算は税抜価格を基準に行われます。
たとえば¥500で販売すると、Amazonは10%の消費税を除いた¥455を基準にロイヤリティを算出します。
70%ロイヤリティなら¥455×0.7=約¥318が印税(配信コスト控除前)になります。
この計算を知らずに「500円×70%=350円」と考えてしまう著者は多いです。
また、70%ロイヤリティでは「配信コスト(Delivery Cost)」が自動で差し引かれます。
これは1MBあたり数円で、画像やイラストが多い本ほど高くなります。
筆者の経験では、画像を多く含むレシピ本やフォトエッセイでは、印税が10〜15%ほど減ることもありました。
そのため、出版前にファイル容量を確認し、可能な範囲で画像を最適化しておくとよいでしょう。
配信コスト単価は国と通貨によって異なるため、最新の数値は公式ヘルプで確認してください。
特にペーパーバックを併売する場合は、印刷コストも発生するため、電子書籍とは別にシミュレーションしておくのがおすすめです。
このように、KDPの価格設定は「入力金額」と「実際の印税計算」が異なる点を理解しておくと、収益の見通しが立てやすくなります。
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メタデータと表現の最小ローカライズ(検索発見性・KDPポリシーの注意喚起)
KDPで海外ストアにも配信する場合、最も見落とされがちなのが「メタデータ(タイトル・説明文・キーワード)」のローカライズ対応です。
とはいえ、ここでいうローカライズは“翻訳”ではなく、あくまで「海外の読者にも伝わる最低限の補足」を加える程度が理想です。
Amazonのアルゴリズムは日本語と英語をそれぞれ別の検索言語として扱うため、無理に全翻訳すると審査で保留になるケースもあります。
以下では、発見性を高めつつKDPのポリシーにも沿う安全な設計のコツを整理します。
タイトル・説明文・キーワードの設計:日本語主軸+海外向け補助語の付与(過剰翻訳は避ける)
日本のKDP出版では、タイトルと商品説明は日本語を主軸に書くのが基本です。
海外ストアにも同じデータが反映されますが、タイトルや概要を全て英語にする必要はありません。
むしろ、Amazon.co.jpでの販売がメインであれば、日本語中心のままの方が検索順位・関連性が安定します。
ただし、英語圏や他言語の読者にも見つけてもらいたい場合は、タイトルは表紙と完全一致が原則です。
英語要約は商品説明欄の冒頭に1行追記するのも良い方法です。
たとえば、実用書であれば「Includes English summary for international readers.」のように簡潔に記すだけで十分です。
また、キーワード欄では、日本語と英語を混ぜて登録しても構いません。
ただし、意味が重複する単語やスパム的な羅列(例:「Japanese book Japan 日本 電子書籍」など)は避けましょう。
検索アルゴリズムの詳細は非公開です。過度なキーワード列挙や不自然な多言語化はスパム判定のリスクがあるため、自然な補足に留めましょう(公式ヘルプ要確認)。
あくまで「補足的な英語」を自然に加える意識が重要です。
カテゴリ選定とシリーズ設計:海外ストアでも伝わる分類・巻数表記の工夫
カテゴリ(ジャンル)の設定は、日本語版のAmazonを基準に選んで問題ありません。
ただし、海外ストアでも表示されるため、英語話者にも理解されやすい分類や巻数表記を意識しておくと安心です。
たとえば、シリーズ化している場合は「第1巻」「Vol.1」「Book 1」など、どちらの読者にも伝わる形式を採用すると混乱を防げます。
筆者の経験では、英数字の併記(例:「第2巻|Vol.2」)が最もトラブルが少なく、審査でもスムーズに通過しました。
また、設定可能なカテゴリ数や申請方法はUI変更が続いています。最新の上限数と選定手順は公式ヘルプで確認してください(公式ヘルプ要確認)。
海外読者を意識するなら「Self-help」「Lifestyle」「Business」など、一般的な英語カテゴリに近い日本語ジャンルを選ぶと検索面でも有利です。
カテゴリが不適切だと審査でリジェクトされることもあるため、内容に沿ったものを選ぶことが大切です。
公式ヘルプには国別のジャンル対応表があるので、念のため確認しておくと確実です。
表現ポリシー遵守:刺激的表現は抽象化し、教育・注意喚起の文脈を維持(公式ヘルプ要確認)
KDPでは、海外ストアを含む全世界のAmazon規約に準拠する必要があります。
とくに表現に関しては、日本では許容される表現が海外では制限対象になることがあるため、慎重な設計が求められます。
性的・暴力的・差別的と受け取られる可能性のある表現は、具体描写を避け、教育・社会的・注意喚起の文脈で扱うようにしましょう。
たとえば、カウンセリング・心理解説・防止教育などの形で伝えると、読者にもAmazon側にも適切に受け取られやすくなります。
KDPの「コンテンツガイドライン」には具体的な禁止・制限項目が掲載されています。
国や時期によって判断基準が変わるため、出版前には必ず公式ヘルプで最新情報を確認してください。
筆者も、過去に表現の一部が「誤認されて一時保留」となった経験がありますが、内容説明を補足して再申請したところ問題なく承認されました。
曖昧な場合は、明示的な描写を避ける方向で調整しておくと安全です。
トラブル解決:海外出版で起こりがちなエラーと対処
KDPで海外出版を設定すると、一見スムーズに進んでいるように見えても、思わぬ箇所で「保存できない」「反映されない」「印税が下がる」といったエラーが発生することがあります。
これらの多くは、システムトラブルではなく設定上の見落としや換算仕様の誤解が原因です。
ここでは、初心者が特に混乱しやすい3つのトラブルを整理し、それぞれの対処法を実体験を交えて解説します。
価格が保存できない・反映されない:範囲外価格・必須項目漏れ・キャッシュ反映遅延
最もよくあるのが「価格を入力しても保存できない」「変更しても反映されない」というケースです。
このエラーは、KDPの仕様上価格がロイヤリティ条件の範囲外にあるか、必須項目が未入力であることがほとんどです。
たとえば、70%印税を選ぶ場合は税込¥250〜¥1,250の範囲内で設定する必要があります。
この範囲を1円でも外れると、保存エラーや自動で35%ロイヤリティに変更されることがあります。
また、「配信地域の選択」を忘れていると、価格欄自体がグレーアウトして操作できないことがあります。
設定の際は「すべての地域で権利を持っています」を選択しておくのが確実です。
もう一つ見落とされがちなのが「キャッシュによる反映遅延」です。
KDPの価格変更は即時反映ではなく、通常24〜72時間のタイムラグがあります。
そのため、再編集を連打してしまうと内部処理が競合して、かえって反映が遅れる場合があります。
変更後は焦らず1〜2日待ち、レポート画面で新価格が反映されているか確認するのが実務的です。
地域・権利の不整合:一部地域のみ権利指定で販売が限定されるケース
KDPの「出版地域」設定では、すべての国で配信するか、一部の地域のみを選ぶかを指定できます。
初心者がやりがちなミスが、誤って「一部の地域のみ」を選んでしまい、販売対象が限定されるケースです。
とくに日本で出版した場合でも、北米や欧州ストアが非対象になると、海外読者が検索しても購入できなくなります。
KDP公式ヘルプではこの項目の説明が簡略化されていますが、実務的には「すべての地域」を選択しておくのが安全です。
権利面で不安がある場合のみ、個別指定に切り替えましょう。
また、著作権に関しては「翻訳作品」や「共同著作」の場合に販売地域が制限されることもあります。
この場合はKDPのサポート経由で事前確認を行うとスムーズです。
自動換算のズレでロイヤリティ低下:主要国のみ手動価格に切替えて整合を取る
KDPでは、日本円で設定した価格をもとに、他国の通貨に自動換算する機能があります。
一見便利ですが、為替変動によって自動換算後の価格が現地ロイヤリティ範囲(たとえば$2.99〜$9.99など)を外れてしまうことがあります。
その結果、対象国だけ35%ロイヤリティ扱いになることも珍しくありません。
筆者も米国ストアで$2.97になり、自動的に35%へ落ちたことがあります。
このような場合は、KDPの価格設定画面で主要国(米・英・独など)だけ手動入力に切り替え、範囲内価格に調整すると良いです。
他の地域は自動換算のままでも構いませんが、主要ストアだけはチェックしておくのが実務的です。
また、為替による価格差が出やすい時期には、KDPの自動換算レートが更新されるまで数日かかることもあります。
気になる場合は「自動換算を使用」のチェックを外し、手動で各通貨を整えると印税の安定化につながります。
KDPの価格や権利設定は一見細かく感じますが、実際は一度覚えれば数分で操作できます。
大切なのは「焦らず・一括で・定期的に見直す」ことです。
エラーの多くは入力ミスや範囲外価格に起因するため、冷静に原因を特定すれば必ず解決できます。
不明点があれば、KDP公式ヘルプの「ロイヤリティと価格設定」「出版地域」ページを確認しておくと安心です。
事例と運用:海外販売を意識した価格・露出の最適化(ミニケース)
Kindle出版を日本中心に行っていても、海外ストアへの露出は自動的に発生します。
とくに英語圏やアジア圏では、日本語書籍でも特定テーマ(アート・自己啓発・教育関連など)が売れるケースがあり、価格やメタ情報の設計次第で売上が伸びることがあります。
ここでは、筆者自身の運用経験をもとに、ジャンルごとの価格調整や露出改善の実例を紹介します。
テキスト中心の実用書:初刊は読まれやすい価格→レビュー後に段階的見直し
テキスト中心のビジネス書やエッセイでは、最初の価格を読者が手に取りやすい¥300〜¥400台に設定するのが基本です。
最初から高すぎると購買障壁が上がり、レビューが集まりにくくなります。
実際に筆者も、初刊を¥350でリリースしたところ、1カ月で30件以上のレビューが付き、その後¥500に引き上げても販売数が維持されました。
このように、最初の1〜2冊目は“読まれる価格”で広く露出を取り、一定の信頼がついた段階で見直すのが効果的です。
価格設定だけでなく、そもそもの読者ターゲットや商品ページ設計を見直したいときは、『KDPで売れない原因とは?読者不一致を防ぐ設計と改善ポイント徹底解説』でチェックリスト的に確認してみるのがおすすめです。
また、KDPレポートで「読まれたページ数(KENP)」や読了率を確認し、価格変更前後で差を比較するのも実務的です。
読者の満足度が高ければ、多少価格を上げても離脱は少なく、結果的に印税が増えるケースが多いです。
画像多め(実用・絵本等):配信コストを見た¥600台設計→主要国は手動で微修正
画像を多く含む実用書・絵本・写真集では、配信データ量が印税計算に影響します。
KDPの70%ロイヤリティでは、1MBあたり数円の配信コストが差し引かれるため、安価すぎる設定では利益が薄くなります。
たとえば筆者が監修したカラー実用書(約25MB)は、当初¥400で設定したところ、印税が思ったより少なくなりました。
そのため¥650へ調整したところ、販売数は大きく減らず、印税が20%以上改善しました。
また、海外ストアでは為替によって価格がずれるため、主要国(米・英・独など)だけ手動で微修正すると安定します。
自動換算のままにしておくと、一部の国でロイヤリティ条件($2.99〜$9.99など)を外れて35%になる場合があるためです。
KDPの「価格設定」画面で自動換算を解除し、主要国のみ個別に調整すると、印税を最適化しやすくなります。
紙との併売は最小補足:電子は紙より安く見せ、露出と信頼性を両立(公式ヘルプ要確認)
ペーパーバック(紙書籍)と電子書籍を併売する場合、電子は紙より20%以上安く設定するのがKDPの基本ルールです。
これは単に規約上の要件だけでなく、販売上のメリットもあります。
筆者が関わった事例では、電子版は紙版より少なくとも20%低い価格に設定すると、読者に価格メリットが伝わりやすく露出も安定しやすいです(公式ヘルプ要確認)。
Amazonのシステムは、紙と電子の価格差が明確なほど「お得感」を訴求しやすく、ランキング上位に出やすい傾向があります。
一方で、紙版は印刷コストが固定されるため、無理に価格を下げると利益が出にくくなります。
電子書籍を主軸に考える場合は、紙を“信頼性の補強”として扱い、イベント販売や著者紹介ページでのPRに活用する程度でも十分です。
公式ヘルプでは定期的に印刷コストや流通条件が更新されるため、価格差を設ける際は最新の規約を確認しておくと安心です。
海外販売を意識する際は、過剰な翻訳や複雑な価格設計よりも、「読まれやすく・継続的に露出する仕組み」を意識することが重要です。
KDPは各国の販売データを自動で分析し、安定的に売れている本を優先的に表示します。
価格の最適化は、その信号を強化する実務的な手段と言えるでしょう。
まとめ:Kindle出版の海外配信は「日本の70%条件×地域・価格の整合」で安定化
Kindle出版で海外ストアにも自動配信される場合、最も重要なのは「日本の70%条件を守りつつ、主要国の価格整合を取る」ことです。
これは単に設定作業の話ではなく、安定した印税と露出を維持するための“実務的ルール”とも言えます。
KDPの仕組みはシンプルに見えて、為替変動や国ごとの価格帯条件など、実際には細かい調整が成果を左右します。
ここでは、運用を長く続けるうえで欠かせない2つのポイントを整理します。
まずは日本公式条件を満たし、主要国のみ価格の手動整合でムダな失点を防ぐ
日本でのKDP出版は、まず「KDPセレクト登録+¥250〜¥1,250(税込)」の範囲で70%ロイヤリティを維持することが基本です。
この条件を満たしていないと、どんなに海外で売れても印税は35%に落ちてしまいます。
特に「為替自動換算」で設定していると、海外ストアで微妙に条件外になることがあり、印税が下がる原因になります。
筆者の経験でも、アメリカ・イギリス・ドイツなど主要国を手動で調整しておくだけで、年間で数%の収益差が出ました。
「自動換算のままで十分」と思われがちですが、実際はドルやユーロの為替変動で一時的に範囲を外れることがあります。
そのため、主要国のみ手動で価格を設定し、「どの通貨でも70%条件を維持できているか」を一度チェックしておくと安心です。
特に英語圏は読者数が多く、偶然ヒットしたときに収益の取りこぼしを防ぐ効果もあります。
不確実な仕様はKDP公式ヘルプで最終確認し、反映遅延は慌てず検証サイクルを回す
KDPの仕様やレートは、Amazonの運営側で予告なく調整されることがあります。
そのため、数年前の記事やSNSの情報を鵜呑みにするのは危険です。
「公式ヘルプを一次情報として確認する」ことが、最も信頼できる手段です。
たとえば価格の反映時間やロイヤリティ計算の基準が微妙に変わることがあり、古い情報では実際の挙動とズレる場合があります。
また、価格変更や配信設定を更新した際は、すぐに反映されないことも多いです。
KDP公式では24〜72時間の反映猶予が明記されており、その間に何度も再編集すると内部処理が競合して反映がさらに遅れることがあります。
焦らず、1〜2日おいてからレポート画面で反映を確認するのが実務的です。
出版を安定させる最大のコツは、「正確な情報をもとに検証を繰り返すこと」です。
KDPは仕組みが明快だからこそ、小さな積み重ねが大きな差になります。
一度基本を整えておけば、海外配信も自動的に安定化し、継続的に売上を伸ばす土台を作ることができます。
海外配信も含めた長期的な収支のイメージをつかみたい場合は、『自費出版の利益はいくら?印税・売上分配と損益分岐点を徹底解説』で利益構造を数字ベースで整理しておくと安心です。
【著者:石黒秀樹のプロフィール】
Kindle出版サポート歴5年。
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