Kindle Unlimitedの著者収入とは?仕組みとKDPセレクトを徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle Unlimited(KU)に本を登録すると、「読み放題なのに著者にはどうやって収入が入るの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
結論から言うと、Kindle Unlimitedでは読者が実際に読んだページ数(KENP)に応じて著者へ報酬が支払われます。
通常のKindle本販売では「1冊売れるごと」にロイヤリティが発生しますが、KUでは購入されなくても、読まれれば収益になります。
ただし、KENP単価は固定ではなく毎月変動します。また、KDPセレクトへの参加条件や独占配信ルールもあるため、仕組みを理解せずに登録すると想定と違う結果になることがあります。
この記事では、Kindle Unlimitedの著者収入の仕組み、KENP、KDPセレクト、通常販売との違い、収益を確認するときの注意点を初心者向けに解説します。
Kindle出版そのものの仕組みから確認したい方は、『電子書籍の出し方とは?KDPで出版する手順と注意点を徹底解説』もあわせてご覧ください。
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Kindle Unlimitedの著者収入は読まれたページ数で決まる
目次
- 1. Kindle Unlimitedの著者収入は読まれたページ数で決まる
- 2. Kindle Unlimitedの収益はどう計算される?
- 3. KDPセレクトとKindle Unlimitedの関係
- 4. Kindle Unlimitedと通常販売のロイヤリティの違い
- 5. Kindle Unlimitedの収益を確認する方法
- 6. Kindle Unlimitedで収益を伸ばす考え方
- 7. KDPセレクトに向いている本・向いていない本
- 8. KDPセレクトで利用できる主な特典
- 9. Kindle Unlimitedでよくある誤解と注意点
- 10. まとめ|Kindle UnlimitedはKENPとKDPセレクトを理解することが重要
Kindle Unlimitedは、Amazonが提供する電子書籍の定額読み放題サービスです。
読者は対象となっているKindle本を購入することなく読むことができます。
一方、著者にはAmazonから報酬が支払われます。
その基準となるのが、KENP(Kindle Edition Normalized Pages)です。
Kindle Unlimitedは「無料で読まれる=収入ゼロ」ではない
KUの読者は月額料金を支払ってサービスを利用するため、対象作品を1冊ずつ購入する必要はありません。
しかし、著者側では、読者が実際に読んだページ数に応じてKDPセレクト・グローバル基金から報酬が分配されます。
つまり、
- 通常販売:1冊購入されるとロイヤリティが発生する
- Kindle Unlimited:読まれたページ数に応じて報酬が発生する
という違いがあります。
KUでは「売れた冊数」だけではなく「どれだけ読まれたか」が収益につながります。
KENPとはAmazonが標準化したページ数
KENPは「Kindle Edition Normalized Pages」の略で、Amazonが電子書籍のページ数を一定の基準で標準化したものです。
Kindle本は、端末や文字サイズによって画面上のページ数が変わります。
そのため、表示上のページ数をそのまま報酬計算に使うのではなく、Amazon独自のKENPという共通基準を使用します。
例えば、ある本のKENPCが300ページで、読者がそのうち150ページを初めて読んだ場合は、その150KENPが報酬計算の対象になります。
なお、KDP公式では、1タイトルにつき1人の読者から報酬対象になるのは最大3,000KENPまでとしています。
同じページを何度読んでも毎回報酬が発生するわけではない
KUでは、読者が同じ本を何度も読み返すことができます。
ただし、著者への報酬対象になるのは、基本的にその読者が各ページを初めて読んだときです。
例えば、ある読者が100ページまで読んだあと、翌日に最初から読み直したとしても、すでに読まれた100ページについて再び同じようにKENPが加算されるわけではありません。
その後、新たに101ページ目以降を読めば、その新しく読まれた部分が対象になります。
Kindle Unlimitedの収益はどう計算される?
KUの報酬は、おおまかには次の考え方で決まります。
読まれたKENP数 × その月・マーケットプレイスのKENPレート
ただし、このKENPレートは固定ではありません。
KDPセレクト・グローバル基金から分配される
Amazonは毎月「KDPセレクト・グローバル基金」を設定します。
KUで読まれたページに対する著者報酬は、この基金をもとに分配されます。
自分の本がどのくらい読まれたかによって、その月の基金から受け取る金額が決まります。
KDP公式では、著者のKU収益は、各マーケットプレイスにおける総KENP既読数に対する自分のKENP既読数の割合をもとに決まる仕組みになっています。
KENP単価は毎月変わる
KENP1ページあたりの報酬額は固定ではありません。
グローバル基金の金額や、その月にKU全体で読まれたページ数などによって変動します。
そのため、
- 今月10万KENP読まれた
- 翌月も10万KENP読まれた
という場合でも、両月の報酬額が完全に同じになるとは限りません。
ネット上では「1KENP=○円」といった数字を見かけますが、過去の単価を固定値として収益計算に使うのはおすすめできません。
最新の報酬額はKDPレポートで確認するのが確実です。
前月分のKENP報酬は翌月15日ごろに確定する
KDPレポートではKENP既読数を随時確認できますが、月末時点の数字がそのまま最終確定値になるとは限りません。
KDP公式では、月ごとのKENP数は翌月15日ごろに確定すると案内しています。
例えば、7月に読まれたKENPについては、8月15日ごろに前月分のロイヤリティを確認するイメージです。
月初に表示された推定額だけを見て「報酬が少ない」「単価が下がった」と判断せず、前月分のロイヤリティレポートで確定額を確認しましょう。
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KDPセレクトとKindle Unlimitedの関係
自分のKindle本をKUの読み放題対象にするには、KDPセレクトへ登録する必要があります。
KDPセレクトは、Kindle電子書籍向けの無料プログラムです。
KDPセレクトへ登録するとKU対象になる
Kindle電子書籍をKDPセレクトへ登録すると、その作品は自動的にKindle Unlimitedの対象になります。
つまり、
KDPセレクト参加 → Kindle Unlimited対象 → KENPに応じた報酬を得られる
という関係です。
KDPセレクト自体に参加料金はかかりません。
登録期間は90日間です。
KDPセレクトへの登録方法や設定は、『KDPセレクトの登録とは?90日独占の仕組みとメリット・注意点を徹底解説』で詳しく解説しています。
90日間は電子書籍版をAmazon独占にする
KDPセレクトには重要な条件があります。
登録期間中は、そのKindle電子書籍のデジタル版をAmazon以外で配信できません。
例えば、同じ電子書籍を次のような場所で配信することは原則としてできません。
- 楽天Kobo
- Google Play Books
- Apple Books
- 自分のWebサイト
- ブログ上で全文公開
- その他の電子書籍販売サービス
一方、紙の書籍や音声など、電子書籍以外の形式については、KDPセレクトの電子書籍独占条件とは別です。
そのため、Kindle電子書籍をKDPセレクトに登録しながら、同じ内容をペーパーバックとして販売することは可能です。
90日経過後は継続または解除できる
KDPセレクトは90日単位で利用します。
自動更新を有効にしている場合は、90日が終了すると次の期間へ更新されます。
他の電子書店でも販売したい場合などは、次回更新前にKDPセレクトの自動更新設定を確認してください。
途中で「やっぱり他店でも売りたい」と思っても、現在の90日間の独占条件は守る必要があります。
出版戦略を変更する可能性がある場合は、更新日を把握しておきましょう。
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Kindle Unlimitedと通常販売のロイヤリティの違い
KDPセレクトへ登録した本は、KUで読まれるだけでなく、通常どおりKindleストアで購入されることもあります。
つまり、KDPセレクトへ参加すると、
- 通常販売によるロイヤリティ
- Kindle UnlimitedのKENP報酬
という2つの収益経路を持つことができます。
通常販売は35%または70%ロイヤリティ
Kindle電子書籍の通常販売では、条件に応じて35%または70%のロイヤリティオプションがあります。
70%ロイヤリティには、販売地域、価格、配信条件など複数の条件があります。
また、日本、インド、ブラジル、メキシコなどでは、70%ロイヤリティの適用にKDPセレクト参加が関係する条件があります。
通常販売時の詳しい条件は、『Kindle出版のロイヤリティとは?70%と35%の違いと条件を徹底解説』で確認してください。
KUは販売価格ではなくKENPで決まる
通常販売では、販売価格がロイヤリティ計算に大きく関係します。
一方、KUでは本の販売価格そのものではなく、読者が読んだKENP数が報酬の基準になります。
例えば、販売価格が同じ2冊でも、
- Aの本:多くの読者に最後まで読まれる
- Bの本:冒頭で読むのをやめられる
という場合、KU収益には大きな差が出る可能性があります。
KUでは「購入されるか」だけでなく、「読者が読み進めるか」が重要になります。
KUと通常販売はどちらか一方ではない
「KUに登録すると通常販売できなくなる」と誤解されることがあります。
しかし、KDPセレクトへ登録した本もKindleストアで通常購入できます。
読者によって、
- KU会員として読む
- Kindle本を購入する
という選択が分かれるだけです。
そのため、著者はKU報酬と通常販売ロイヤリティの両方を得られる可能性があります。
Kindle Unlimitedの収益を確認する方法
KUの成果を判断するときは、売れた冊数だけを見るのではなく、KENPを確認する必要があります。
KDPレポートでKENP既読数を確認する
KDPのレポートでは、タイトルごと、マーケットプレイスごとにKENP既読数を確認できます。
通常販売数が少なくても、KENPが多ければKUから収益が発生している可能性があります。
反対に、KUで多くダウンロードされても実際に読まれていなければ、KENPは伸びません。
KUでは「何冊借りられたか」だけで成果を判断するのではなく、どれだけページが読まれたかを見ることが重要です。
確定報酬は前月分ロイヤリティで確認する
KENP既読数から大まかな収益を予測することはできます。
ただし、KENPレートは毎月変わるため、予測額と最終的な報酬額は一致しない場合があります。
最終的な収益を確認するときは、KDPレポート内の前月分ロイヤリティや支払い関連のレポートを確認してください。
販売数とKENPを分けて見る
KDPレポートを見る際は、
- 通常販売された冊数
- 通常販売のロイヤリティ
- KENP既読数
- KUから発生したロイヤリティ
を分けて確認しましょう。
KUを利用している本では、販売冊数だけを見ても本当の収益状況を把握できません。
Kindle出版全体の月収やロイヤリティ構造は、『Kindle出版の月収の仕組みとは?70%印税とKU報酬を徹底解説』も参考になります。
Kindle Unlimitedで収益を伸ばす考え方
KUでは読まれたページが収益につながるため、「とにかくページ数を増やせばよい」と考えてしまいがちです。
しかし、重要なのはページ数そのものではなく、実際に読者が読み進めることです。
無理にページ数を増やさない
文章を不自然に引き延ばしたり、同じ内容を繰り返したりしてページ数を増やしても、読者が途中で離脱すれば収益にはつながりません。
それどころか、読者体験を損ない、評価の低下につながる可能性があります。
さらに、KENPやKUの仕組みを不正に操作する行為はKDPの規約上問題になる可能性があります。
KENPを増やすことを目的にするのではなく、読者にとって必要な内容を読みやすくまとめることが基本です。
冒頭で読む理由を明確にする
読者が最初の数ページで離脱すると、その先のKENPは読まれません。
実用書であれば、
- この本を読むと何が分かるのか
- どんな悩みが解決するのか
- どのような順番で説明するのか
を早い段階で明確にすると読み進めてもらいやすくなります。
小説であれば、序盤で人物や状況への興味を持ってもらうことが重要です。
シリーズ化で次の本へつなげる
同じテーマや世界観で複数の本を出版すると、1冊を読み終えた読者が次の本も読んでくれる可能性があります。
例えば、実用書なら、
- 入門編
- 実践編
- 応用編
のようにテーマを分ける方法があります。
ただし、1冊の内容を不自然に分割してページ数や収益を増やすのではなく、それぞれの本だけでも読者に十分な価値がある構成にしましょう。
表紙・タイトル・内容をセットで改善する
KUでKENPを得るためには、まず本を見つけてもらい、読み始めてもらう必要があります。
そのため、
- 検索意図に合ったタイトル
- 内容が伝わる表紙
- 分かりやすい商品説明
- 読みやすい本文
をセットで改善することが重要です。
KENPが少ない場合でも、原因が本文とは限りません。
本自体がクリックされていない場合は、表紙やタイトルを改善した方が効果的なケースもあります。
KDPセレクトに向いている本・向いていない本
KDPセレクトは便利な仕組みですが、すべての本に最適とは限りません。
Amazon独占という条件があるため、自分の販売戦略と合わせて判断する必要があります。
KDPセレクトと相性がよいケース
次のようなケースでは、KDPセレクトを検討しやすいでしょう。
- Amazonを中心に電子書籍を販売したい
- Kindle Unlimited読者へ届けたい
- シリーズ作品を複数出版している
- 購入前に気軽に読んでもらいたい
- 通常販売だけでなくKENP収益も狙いたい
特に、KUユーザーとの相性がよいジャンルでは、購入数以上にKENP収益が大きくなることもあります。
KDPセレクトを慎重に考えた方がよいケース
一方、次のような場合はAmazon独占がデメリットになる可能性があります。
- 楽天KoboやApple Booksなどでも販売したい
- 自社サイトで電子書籍を販売したい
- 複数の電子書店を使って読者を広げたい
- 他サービスで既に電子版を配信している
KU収益だけでなく、Amazon以外で得られる売上や読者数も含めて比較してください。
最初の90日でデータを確認する方法もある
初めて出版する場合、KDPセレクトへ90日間参加し、その期間のデータを確認してから次回の継続を判断する方法もあります。
確認する指標としては、
- 通常販売数
- KENP既読数
- KUロイヤリティ
- 本ごとの収益比率
などがあります。
実際の数字を見たうえで、KDPセレクトを継続するか、Amazon以外への展開を検討するか判断するとよいでしょう。
KDPセレクトで利用できる主な特典
KDPセレクトのメリットは、KUだけではありません。
登録した電子書籍では、条件に応じて販促機能も利用できます。
無料キャンペーンを利用できる
KDPセレクトでは、各90日間の登録期間につき最大5日間、Kindle電子書籍を無料にできる「無料キャンペーン」を利用できます。
無料配布そのものから通常販売ロイヤリティが発生するわけではありませんが、新しい読者へ本を知ってもらう手段として利用できます。
Kindle Countdown Dealsは対象マーケットプレイスが限られる
KDPセレクトには「Kindle Countdown Deals」という期間限定値下げ機能もあります。
ただし、現在のKDP公式案内では、Kindle Countdown Dealsを利用できるのはAmazon.comとAmazon.co.ukです。
日本のAmazon.co.jpで同じ機能を利用できるわけではない点に注意してください。
日本などでは70%ロイヤリティの条件にも関係する
KDPセレクトへの参加は、一部の販売地域で70%ロイヤリティを利用する際にも関係します。
そのため、KUだけを見るのではなく、
- 通常販売ロイヤリティ
- KENP報酬
- 販促機能
- Amazon独占という条件
をまとめて判断することが重要です。
Kindle Unlimitedでよくある誤解と注意点
KUに登録すると本を通常販売できなくなる
これは誤解です。
KDPセレクトへ登録してKU対象になっていても、そのKindle本はKindleストアで通常購入できます。
KU会員は読み放題で読み、購入したい読者は通常購入できます。
読者が何度も読み返せばそのたびに収益になる
同じ読者が同じページを何度も読み返しても、そのたびに新しいKENPとして報酬が発生するわけではありません。
原則として、各読者が初めて読んだページが報酬対象です。
KENP単価は毎月0.4円前後で固定されている
KENPレートは毎月変動します。
過去に0.4円前後だった月があったとしても、それを今後の固定単価として計算することはできません。
最新の数字はKDPレポートで確認してください。
本を長くすればKU収益が増える
ページ数が多くても読者が途中で読むのをやめれば、その先のページから報酬は発生しません。
また、1タイトル・1読者あたり報酬対象となるKENPには上限があります。
ページ数を不自然に増やすより、必要な内容を最後まで読みやすくまとめる方が重要です。
KDPセレクト登録中でも自分のブログに全文掲載できる
KDPセレクトでは電子書籍版をAmazon独占で配信する必要があります。
そのため、登録作品と同じデジタルコンテンツを他の電子書店や自分のWebサイトなどで配信することには注意が必要です。
無料公開だから問題ないと自己判断せず、KDPセレクトの現在の独占条件を確認してください。
ペーパーバックもAmazon独占になる
KDPセレクトの独占条件はKindle電子書籍版が対象です。
同じ作品を紙の書籍として販売することまで禁止されるわけではありません。
電子書籍とペーパーバックは分けて考えましょう。
まとめ|Kindle UnlimitedはKENPとKDPセレクトを理解することが重要
Kindle Unlimitedでは、通常販売とは異なり、読者が実際に読んだページ数に応じて著者収入が発生します。
その基準となるのがKENPです。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- KUでは読まれたKENPに応じて報酬が発生する
- 各読者が初めて読んだページが報酬対象になる
- 1タイトル・1読者あたり最大3,000KENPまでが対象
- KENPレートは毎月変動する
- 前月分のKENP報酬は翌月15日ごろに確定する
- KUへ参加するにはKDPセレクトへの登録が必要
- KDPセレクトは90日間の電子書籍独占プログラム
- KU対象作品もKindleストアで通常販売できる
- 通常販売ロイヤリティとKU報酬の両方を得られる可能性がある
- 電子書籍版はAmazon独占だが、ペーパーバックなどは別
KUで収益を伸ばすうえで大切なのは、単純にページ数を増やすことではありません。
読者が読み始め、続きを読みたいと思い、実際に読み進めてくれる本を作ることが基本です。
KDPレポートで通常販売数とKENPを分けて確認し、自分の本が「購入で読まれているのか」「KUで読まれているのか」を把握しながら出版戦略を改善していきましょう。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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📘最後までお読みいただき
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