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Kindle本の価格を決めるとき、70%ロイヤリティにするなら何円へ設定すればよいのか迷いやすいところです。

2026年8月現在、Amazon.co.jpでは99〜249円・250〜1,650円・1,651〜20,000円の3つに分けて考えると判断しやすくなります。70%を選べるのは真ん中の250〜1,650円で、その前後の価格帯は35%です。

ただし、価格帯に入れば自動的に70%になるわけではありません。KDPセレクトなどの適用条件があり、受け取る金額も税や配信コストを引いてから計算されます。

この記事では、価格の境界、1冊あたりの計算方法、70%の適用条件、販売方針ごとの価格の決め方を順に整理します。

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Kindle本の価格は「99〜249円・250〜1,650円・1,651〜20,000円」の3つに分けて考える

Amazon.co.jpでKindle電子書籍の価格を決めるなら、まず70%を選べる価格帯に入っているかを確認します。

希望小売価格 ロイヤリティの考え方
99〜249円 35%の価格帯
250〜1,650円 条件を満たせば70%を選択可能
1,651〜20,000円 35%の価格帯

250〜1,650円は70%ロイヤリティを選べる価格帯

Amazon.co.jpでは、希望小売価格が250〜1,650円なら70%ロイヤリティの価格条件を満たします。250円が下限、1,650円が上限です。

ただし、これは70%を選ぶための入口にあたる条件にすぎません。価格以外にもKDPセレクトなどの条件があるため、「250円以上にしたから70%」と考えないでください。

99〜249円と1,651〜20,000円は35%ロイヤリティになる

35%ロイヤリティでは、99〜20,000円の範囲で希望小売価格を設定できます。

このうち99〜249円は、70%の下限である250円に届きません。反対に1,651〜20,000円は、70%の上限である1,650円を超えています。

価格条件だけを整理すると、250円と1,650円が35%と70%を分ける境界です。

70%の上限は旧1,250円ではなく1,650円へ変わっている

Kindle本の価格設定を調べると、「70%は250〜1,250円」と説明されている情報が見つかることがあります。

しかし、1,250円は現在のAmazon.co.jpの上限ではありません。2026年7月7日から価格条件が変更され、70%ロイヤリティの上限は1,650円へ拡大されています。

そのため、1,300円や1,500円といった価格でも、現在は価格だけを理由に70%の対象外になるわけではありません。なお、35%側の99〜20,000円という価格帯は、この変更では変わっていません。

現在の価格条件は、KDP公式の電子書籍の希望小売価格の要件でも確認できます。

35%と70%では1冊売れたときの計算方法が違う

どちらのロイヤリティも、販売価格へそのまま0.35や0.70を掛ける計算ではありません。税と配信コストの扱いが異なるためです。

Amazon.co.jpでは、Kindle電子書籍の希望小売価格を消費税10%込みで設定します。画面に表示される販売価格そのものが、計算の基準になるわけではありません。

35%は税を除いた金額に35%を掛ける

35%ロイヤリティの基本的な考え方は次のとおりです。

35% ×(希望小売価格-適用される税)

249円で販売する場合、249円へ直接35%を掛けるのではありません。税込価格から消費税相当額を除いた金額が基準になります。単純計算では、249円の税抜相当額は約226円で、35%なら約79円です。

また、35%では配信コストをロイヤリティ計算から差し引きません。

70%は税と配信コストを除いてから70%を掛ける

70%ロイヤリティでは、税に加えて配信コストも計算に関係します。

70% ×(希望小売価格-適用される税-配信コスト)

Amazon.co.jpにおける70%ロイヤリティの配信コストは、原則として1MBあたり1円で、最低1円です。画像を多く使った本などは、ファイルサイズによって計算結果が変わる可能性があります。

この仕組みがあるため、販売価格×70%がそのまま受取額になると考えないようにしてください。

10MB以上の書籍は配信コストが差し引かれない

配信コストには、Amazon.co.jp特有の条件があります。

Amazon.co.jpで販売される10MB以上の書籍では、配信コストが差し引かれません。ファイルサイズが大きくなるほど配信コストが増え続ける、と一律には考えられないわけです。

たとえば10MB以上の本を250円で販売し、ほかの70%適用条件も満たしている場合、税抜相当額約227円を基準にした70%は、単純計算で約159円になります。

ここで示した金額は、仕組みを比べるための概算です。最終的な金額はKDPの画面で確認してください。

配信コストを含む費用の仕組みについては、Kindle出版の料金・手数料・配信コストで詳しく確認できます。

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249円と250円・1,650円と1,651円で1冊あたりの金額が変わる

わずか1円の価格差でも、選択できるロイヤリティ率が変わります。

販売価格 価格上の扱い 1冊あたりの単純計算
249円 35%(70%の下限未満) 約79円
250円 70%を選択できる価格帯 約159円
1,650円 70%を選択できる価格帯 1,050円
1,651円 35%(70%の上限超過) 約525円

表の70%側の金額は、10MB以上で配信コストが差し引かれず、ほかの適用条件も満たす場合の概算です。

249円から250円へ上げると70%を選べる価格帯に入る

249円と250円の差は1円ですが、ロイヤリティの価格条件では大きな境目です。249円は下限の250円を下回るため35%になり、250円なら価格条件としては70%を選べる範囲へ入ります。

単純計算では、249円の35%が約79円、250円の70%が約159円です。1冊あたりの差は倍近くになります。

ただし、この比較だけで250円が最適価格と判断はできません。本の内容や読者が受け入れる価格とのバランスも合わせて考える必要があります。

1,650円から1,651円へ上げると35%の価格帯になる

上限側では、1,650円と1,651円が境界です。1,650円までは70%を選べますが、1,651円になると上限を超えます。

1,650円の税抜相当額は1,500円で、70%なら単純計算で1,050円です。一方、1,651円は35%となり、税抜相当額を基準にすると約525円まで下がります。

高価格帯で販売するなら、1,650円を超える前に受取額の変化を確認すると判断を誤りにくくなります。

価格を確定する前にKDPの推定ロイヤリティを確認する

ここまでの計算は、35%と70%の仕組みや価格の境界を理解するためのものです。実際の金額は、販売地域や税、配信コスト、適用条件によって変わります。

KDPでは価格設定の画面で、設定した価格に対する推定ロイヤリティを確認できます。価格を確定する前に、この推定ロイヤリティまで見て決めると安全です。特に249円・250円、1,650円・1,651円の付近で迷う場合は、ロイヤリティ率の境界と合わせて確認してください。

KDP公式の計算方法については、電子書籍の価格設定とロイヤリティの案内でも確認できます。

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70%ロイヤリティは価格だけでなくKDPセレクトなどの条件もある

250〜1,650円に設定すれば必ず70%になるわけではありません。日本で70%を適用するには、価格以外の条件も満たす必要があります。

確認項目 70%を選ぶときの考え方
販売価格 250〜1,650円の範囲に設定する
KDPセレクト 日本で70%を適用するため登録が必要
電子版の販売 KDPセレクト期間中はAmazonで独占販売する
紙版との価格差 Amazon上の紙版希望小売価格より少なくとも20%低くする
パブリックドメイン 作品の大部分が該当する場合は35%のみ

日本で70%を適用するにはKDPセレクトへの登録が必要

Amazon.co.jpで70%ロイヤリティを適用するには、対象のKindle本をKDPセレクトへ登録する必要があります。250〜1,650円という価格条件だけでは、70%の条件を満たしたことになりません。

KDPセレクトを利用しないなら、日本での販売について70%を前提に価格を組み立てないようにします。70%を選ぶかどうかは、印税率よりもKDPセレクトの販売条件を受け入れられるかで決まります。

KDPセレクト期間中は電子版をAmazonで独占販売する

KDPセレクトは、90日間を1つの登録期間とするプログラムです。登録期間中は、対象となるKindle本のデジタル版を原則としてKindleストアで独占販売します。

同じ電子版を他の電子書籍ストアでも売りたい場合は、70%という数字だけを見て登録しないでください。なお、印刷版や音声版はデジタル版と分けて考えます。

KDPセレクトの登録条件や90日間の仕組みについては、KDPセレクトの登録と90日独占の仕組みで詳しく確認できます。

紙版との価格差やパブリックドメインの条件も確認する

Amazon上に紙版がある電子書籍では、電子版の希望小売価格を紙版より少なくとも20%低くする条件があります。価格が250〜1,650円に収まっていても、この条件を外れると70%を選べません。

また、作品の大部分がパブリックドメインに該当する場合は、70%ではなく35%のみを選択できます。価格帯に入っている=70%確定ではないと覚えておいてください。

Kindle本の価格はいくらがベスト?販売方針から逆算して決める

すべての著者やジャンルに共通する「ベストな価格」は決まっていません。価格を決めるときは、ロイヤリティ率と自分の販売方針を組み合わせて判断すると整理しやすくなります。

販売方針 価格・ロイヤリティの基本判断
Amazon中心で電子版を独占販売できる 250〜1,650円で70%を基本候補にする
99〜249円で低価格販売したい 35%を前提にする
1,651円以上で販売したい 35%を前提にする
他の電子書籍ストアでも販売したい KDPセレクトへ登録せず35%を前提にする

Amazon中心で独占販売できるなら250〜1,650円で70%を基本候補にする

Amazonを中心に販売し、電子版の独占条件を受け入れられるなら、70%ロイヤリティを検討しやすくなります。売りたい価格が250〜1,650円に収まるなら、70%を基本候補として考えます。

その場合も、配信コストや紙版との価格差といった条件が残ります。ロイヤリティ率だけを見ず、KDP上の推定ロイヤリティで金額を確かめてから確定してください。

99〜249円で低価格販売するなら35%を前提にする

販売価格を99〜249円にすると、70%の価格条件から外れます。そのため、低価格帯で販売するなら35%ロイヤリティを前提に収益を見積もります。

「70%にするために250円以上へ上げるべき」と一律に決める必要はありません。低価格にすること自体に販売上の目的があるなら、その目的と1冊あたりの金額を分けて判断します。

99円販売を選ぶ場合の考え方については、Kindle出版99円設定の印税率と価格戦略で詳しく確認できます。

1,651円以上の高価格や他ストア併売なら35%で考える

販売価格を1,651円以上にすると、Amazon.co.jpの70%価格帯を超えます。1,651〜20,000円で販売するなら35%ロイヤリティが前提です。

同じ電子版を他の電子書籍ストアでも販売したい場合も、KDPセレクトの独占条件と両立しません。この場合は、70%の高さよりも販売価格や販売先を自由に選ぶことを優先する判断になります。

価格は「販売方針→価格→ロイヤリティ」の順で決める

70%を選べるからといって、250〜1,650円の中に万人共通の最適価格があるわけではありません。特定の価格にすれば売れやすくなるという基準も、KDP公式には示されていません。

迷ったときは、次の順番で確認すると整理できます。

  1. Amazon中心で電子版を独占販売するかを決める
  2. 読者に提供する内容に合う価格を考える
  3. その価格が35%と70%のどちらに入るか確認する
  4. KDPの推定ロイヤリティを確認して最終決定する

価格を先に「70%にするための数字」へ合わせるのではなく、販売方針・価格・ロイヤリティの順で整合性を確認すると、後から条件に合わずに設定し直す手間を減らせます。

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【著者:石黒秀樹】

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