のべ600名以上・累計5,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
KDPで収益が出始めると、多くの方が最初に戸惑うのが「このお金は税金的にどう扱えばいいのか」という点です。
実務で相談を受けていると、最初の躓きは「印税なのか、所得なのか」という基本の誤解から始まることが非常に多いと感じます。
この記事では、初心者の方でも迷わず理解できるよう、KDPと税金の関係を日本向けのルールに沿って整理します。
複雑な制度の細部ではなく、まず押さえるべき“全体像”にしぼって解説します。
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KDPの収入と税金の基本:まず押さえるべき全体像
目次
- 1 KDPの収入と税金の基本:まず押さえるべき全体像
- 2 KDPの収入は何所得に分類される?「雑所得・事業所得」の違いと判断基準
- 3 副業のKDP収入と確定申告:申告義務が生じる基準と提出の流れ
- 4 KDPで計上できる「必要経費」:電子書籍出版で認められやすい項目一覧
- 5 KDP収入の円換算と為替差損益:日本在住の著者が注意すべきポイント
- 6 米国で売上がある場合だけ必要になる「源泉徴収・W-8BEN」の基礎
- 7 KDP著者がつまずく「よくある誤解」と正しい理解
- 8 KDP収入の確定申告をスムーズにするための実務的チェックリスト
- 9 まとめ:KDPの税金と確定申告は「所得区分」と「必要経費」を理解すれば迷わない
KDPの税金まわりは、初めて収益が動いたタイミングで一気に疑問が増える部分です。
売上の画面を見ただけでは、どの金額を申告すべきか、そしてどう分類すべきかが分かりにくいため、不安になりやすいのも当然です。
そのため最初に、KDP収入の“性質”を正しく理解することがとても大切です。
経験上、ここが整理されるだけで申告作業の混乱が一段減ります。
KDPの収益は、日本の税法上「印税」ではなく「所得」と呼ばれる枠で扱われます。
ここを押さえないまま進めてしまうと、思わぬ計上漏れや誤区分が起きやすいので注意が必要です。
また、Amazon.co.jp向け出版と他国のKDPでは、税の扱いが大きく異なる部分があるため、日本居住の著者は必ず国内ルールに基づいて判断する必要があります。
税区分の基礎を整理する際には『Kindle出版の源泉徴収とは?日本在住著者が知るべき税金ルールを徹底解説』も合わせて確認しておくと理解しやすくなります。
電子書籍もペーパーバックも、KDPで得た収入はひとつの“著者としての所得”としてまとめて処理する点がポイントです。
媒体によって税区分が変わるわけではないので安心してください。
KDPの売上は「印税扱いではなく所得」として申告が必要になる理由
KDPでは、自分で原稿をつくり、アップロードし、販売ページを整えて出版します。
これは一般的な“出版社との契約による印税”とは仕組みが異なり、Amazonのプラットフォームを利用して自分で販売している状態にあたります。
そのため、日本の税法ではKDPの収益は「印税」ではなく「雑所得または事業所得」として扱われると整理されます。
KDPでは出版社契約とは異なる仕組みが採用されています。
税区分の扱いは『印税』よりも『所得』として整理される場合が多く、実務上もその理解で問題ありません(公式ヘルプ要確認)。
私自身、初めて確定申告した年に「印税」という言葉のイメージだけで処理しようとしたところ、税務署で「これは印税とは違いますよ」と丁寧に修正を促された経験があります。
慣れている人ほど、出版社モデルと混同しやすいので注意したい点です。
KDPの税金ルールはAmazon.co.jp向け出版が前提(海外仕様との違いは最小限)
KDPは世界共通プラットフォームですが、税の扱いは販売国・居住国によって大きく変わります。
日本在住でAmazon.co.jp向けに出版している場合は、日本の所得税ルールが優先されます。
海外向けブログ記事では他国の税制度を前提にした内容も多いため、日本居住者の場合は国内ルールを優先し、公式ヘルプを確認することが推奨されます。
とくに、米国向けに販売した場合のみ発生する源泉徴収やW-8BENの提出は、日本の読者向け出版では発生しないケースが多いです。
SNSなどで「W-8BENが必要」という情報が流れていますが、これは米国売上がある場合の話であり、日本向け出版が中心の著者には当てはまらないことも多いです。
不明点があれば、必ずKDP公式ヘルプを確認するのが安全です。
KDPの電子書籍とペーパーバックは税区分が共通である根拠
電子書籍とペーパーバックでは制作工程が異なるため、税区分も別だと誤解されることがあります。
しかし、KDPは「著者が自分で販売する仕組み」という大枠は共通であり、収入はすべて“著者として得た所得”としてまとめて扱われます。
実際、私が複数冊を電子+紙で同時販売している際も、税理士からは「媒介が変わるだけで性質は同じなので、ひとつの収入として処理してください」と必ず説明されました。
売上の入り口(電子 or 紙)が違っても、最終的にAmazonから受け取る金額で整理するため、媒体別で税区分が分かれることはありません。
なお、ペーパーバックは印刷コストが引かれるため、売上画面の見方に少し特徴がありますが、これは“金額の構造”の違いであり、税区分とは別の話です。
混乱しやすい部分なので、慣れないうちは月ごとにまとめて確認すると整理しやすくなります。
KDPの収入は何所得に分類される?「雑所得・事業所得」の違いと判断基準
KDPで得た収入は、日本の税法上「雑所得」か「事業所得」のどちらかに分類されます。
これは確定申告の方法や使える控除に大きく関わるため、早めに理解しておくほど後の作業がスムーズになります。
私自身、KDPを始めたばかりの頃は、この区分が曖昧なまま進めてしまい、あとで帳簿を作り直す羽目になったことがあります。
初心者の方には、ここを最初にクリアにしておくことを強くおすすめします。
結論として、KDP収入は「出版社からの印税」ではなく、著者自身が得る“所得”として扱われます。
そのうえで、収入の規模や継続性によって雑所得か事業所得かを判断します。
所得区分の判断に迷った場合は『Kindle出版の税金とは?源泉徴収と節税を徹底解説』で全体像を確認できます。
どちらの所得になるかで、利用できる控除や経費の扱いが変わってくるため、区分を正しく理解することは非常に重要です。
以下では、それぞれのケースを初心者にも分かりやすい形で整理していきます。
雑所得として扱われるケース:副業・単発収入の場合
KDPでの販売が「副業」や「単発的な収入」に近い場合、多くは雑所得として扱われます。
実務でも、会社員が個人で電子書籍を数冊出版しただけであれば、ほぼ雑所得として処理される印象です。
雑所得になる典型例は次のようなケースです。
・月によって売上が大きく変動する
・継続的な制作体制がない
・KDP収入が生活の中心ではなく副収入の位置づけ
・制作やマーケティングを体系的に行っていない
雑所得は、必要経費を差し引いて所得額を計算する点は事業所得と同じです。
ただし、青色申告の特典は使えず、帳簿の形式も最低限で構いません。
「申告が必要かどうか」は副業の有名な目安である“年間20万円の壁”が関わるため、会社員の方は特に気にしておくとよいでしょう。
経験上、初心者は「最初は雑所得で申告し、収入の規模が安定してきたら事業所得へ移行を検討する」という流れが自然です。
ただし最終的な判断はケースごとに異なるため、不安があれば税務署や税理士へ相談することが確実です。
事業所得として扱われるケース:継続性・規模・独立性から判断
KDP収入が「事業レベル」に育ってきた場合は、事業所得として扱われることがあります。
これは、単なる副業ではなく「事業として成立しているかどうか」を軸に判断されます。
事業所得の基準として、実務でよく使われるポイントは次の通りです。
・制作と販売を継続的に行っている
・収入が一定の規模に達している
・外注やマーケティングを計画的に実施している
・生活費をまかなえるほどの利益が発生している
・著者として独立性のある活動を継続している
あくまで“目安”であり、どれだけ当てはまれば必ず事業所得というわけではありません。
ただし、税務署の相談窓口や税理士の説明を聞く限り、これらが複数該当すると事業所得として扱われる可能性が高い印象があります。
事業所得になるメリットは、青色申告が使える点です。
特に青色申告では控除を利用できる制度があり、適切に帳簿付けを行えば税負担が軽くなる可能性があります(条件は国税庁ページ要確認)。
もちろん、帳簿付けの手間は増えますが、利益が大きい方は検討する価値があります。
一方で、事業所得を無理に選ぶと帳簿が追いつかず、逆にミスが増えることもあります。
公式ルールではなく「実務で無理がないか」を軸に判断すると安全です。
所得区分で変わる申告方法・控除・経費計上の違い
雑所得と事業所得では、確定申告の方法や利用できる制度が変わります。
これはKDP出版において見落とされがちなポイントで、私自身も初年度は雑所得で申告したものの、翌年以降に事業所得へ切り替えて帳簿を作り直した経験があります。
その際に痛感したのは「どちらを選ぶかで、使える控除や必要書類がかなり違う」ということです。
雑所得の場合:
・青色申告は利用不可
・収支をシンプルに計算して申告
・帳簿は最低限でも可
・副業の場合の20万円ルールが影響
事業所得の場合:
・青色申告(最大65万円控除)を利用可能
・帳簿付けが必須
・開業届を提出しておくとスムーズ
・制作費・外注費・書籍購入など広い範囲で経費を認めてもらいやすい
いずれの所得でも、KDP出版に必要な経費(表紙デザイン、外注編集費、広告費、端末購入費など)は適切に記録すれば計上できます。
ただし、曖昧な支出は判断が分かれるため、公式ヘルプまたは税務署に確認するのが確実です。
私の経験として、所得区分で迷った時は「収入の規模」と「今後の継続度」を基準に決めるのが現実的でした。
「今年は雑所得、来年以降は事業所得へ」と移行するケースも珍しくありません。
以上が、KDP収入の所得区分と判断基準の全体像です。
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副業のKDP収入と確定申告:申告義務が生じる基準と提出の流れ
KDPを副業として始めた方の多くが最初にぶつかる壁が「どのタイミングで確定申告が必要になるのか」という疑問です。
会社員であれば年末調整があるため、普段「自分で申告する」感覚がなく、不安になるのも自然なことです。
ただ、ポイントさえ押さえれば手続きは難しくありません。
ここでは、KDP出版を副業として行う方が知っておくべき基準と、必要な準備を順番に整理していきます。
申告のルールは“所得額”で決まり、KDPというサービスだから特別扱いされるわけではないという点が大前提です。
そのうえで、この記事では初めての確定申告でも迷わないよう、実務ベースでよくある質問を中心にまとめています。
会社員の副業は「年間20万円超」で確定申告が必要になる理由
会社員が副業でKDP出版をしている場合、最も重要なラインが「年間20万円超」です。
これは国税庁が示す“給与所得者の副収入に対する申告基準”で、KDPに限らずすべての副業に適用されます。
具体的には、KDPで得た利益(売上から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。
たとえば、売上が25万円でも、経費が8万円かかった場合、利益は17万円なので申告不要の範囲に収まります。
私の周りでも、この計算を“売上の金額”と混同し、早めに申告しようとしていたケースが何度かありました。
あくまで「利益ベース」で判断する点を押さえておくと混乱を避けられます。
なお、住民税については20万円以下でも申告が必要になるケースがあるため、最終判断は自治体に確認すると安全です。
自治体ごとに対応が異なる部分もあるため、疑問がある場合は相談窓口の利用をおすすめします。
KDPの確定申告に必要なデータと準備物(売上・経費・通帳記録)
確定申告をスムーズに進めるためには、事前準備がもっとも重要です。
私自身、初年度は準備が遅れて焦った経験があり、翌年以降は「毎月まとめる」習慣をつけたことでかなり楽になりました。
KDP申告に必要になる基本のデータは以下の通りです。
・KDPの売上データ(ロイヤリティ詳細)
・Amazonからの入金記録(通帳・ネットバンクの明細)
・制作や外注にかかった経費の領収書や明細
・為替レートの確認が必要な場合はレート情報
・広告費(Amazon広告を利用している場合)
とくに、KDPの売上データは「ダッシュボードに表示される金額」と「実際の入金額」が異なります。
これは、為替のタイミングやペーパーバックの印刷コストなどが影響するためで、初心者がつまずきやすいポイントです。
公式ヘルプにも記載がありますが、実務では“入金ベース”で整理する方が帳簿管理はシンプルになります。
また、海外売上がある場合は米国源泉徴収の確認が必要ですが、日本向け(Amazon.co.jp中心)であれば発生しないケースも多く、過度に心配する必要はありません。
どう処理すべきか不安な場合は、確認のために税務署へ相談するのが確実です。
確定申告書類のどこにKDP収入を記載するか(雑所得/事業所得)
確定申告書にKDP収入を記載する位置は、「雑所得」か「事業所得」のどちらで申告するかによって変わります。
これは前章で解説した所得区分と紐づくため、まずは自身の収入状況に応じて区分を判断することが大切です。
雑所得として申告する場合:
申告書の「雑所得(業務)」欄に売上と経費を記載します。
副業としての申告では、このパターンがもっとも一般的です。
雑所得は帳簿付けが比較的シンプルなため、初めての方にも負担が少ないのが特徴です。
事業所得として申告する場合:
確定申告書Bの「事業所得(営業等)」に記入します。
青色申告を使う場合は、損益計算書や総勘定元帳などの帳簿が必要です。
KDP収入が安定してきたり、出版活動を事業として継続している場合はこちらが適しています。
私が実務で感じた点として、迷ったときは「今年は雑所得」「来年から事業所得」という柔軟な切り替えも問題ありません。
ただし、青色申告を使いたい場合は開業届が必要なため、早めの準備がおすすめです。
確定申告は、最初だけハードルが高く感じます。
しかし、一度仕組みがわかると翌年以降は驚くほどスムーズになります。
必要なデータを早めに揃えておくと、提出までの流れが一気に楽になります。
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KDPで計上できる「必要経費」:電子書籍出版で認められやすい項目一覧
KDP出版では、制作にかかった費用を「必要経費」として計上できます。
経費は“節税の手段”ではなく、事業にかかった実費を正しく記録するためのものです。
初心者ほど「どこまで経費に入れていいのか」が曖昧で、後から領収書を慌てて探すケースも少なくありません。
ここでは、電子書籍出版で認められやすい代表的な経費と、実務で注意すべきポイントを丁寧に整理します。
経費計上は「売上を得る目的で支払った費用かどうか」が軸になります。
その判断基準さえ押さえれば、必要以上に迷わずに申告できるようになります。
ただし、判断が分かれる項目もあるため、公式ヘルプまたは税務署への相談を前提に進めるのが安全です。
以下では、実務でよく使われる費用を3つの視点で解説します。
制作費(表紙デザイン、編集、外注費)が経費として認められる根拠
KDP出版で最も代表的な経費が「制作費」です。
これは書籍を販売するために直接必要となる費用であり、税務上も明確に経費として扱われやすい項目です。
具体的には、以下のような費用が該当します。
・表紙デザインの外注費
・原稿の編集・校正費
・イラスト制作費
・フォーマット作成・レイアウト調整の外注費
・サムネイル・PR画像の制作費
・KDP用テンプレート購入費
私自身、最初の数冊はすべて自分で制作していましたが、外注に切り替えた年は経費が一気に増えました。
税務相談で確認したところ、販売目的であることが明確であれば制作費は問題なく計上できます。
特に表紙デザインは書籍の売上に直結する要素で、税務署でも比較的理解が得られやすい印象があります。
また、外注サービスを海外プラットフォームで利用する場合は、領収証の形式に注意が必要です。
日付・支払金額・取引者名の確認が取れれば基本的に問題ありませんが、不安があれば日本円の換算根拠を残しておくと安全です。
取材費・検証用書籍・デバイス費などの扱いと注意点
制作費以外にも、KDP出版では意外と多くの費用を経費にできます。
ただし、使用目的が曖昧になりやすいため、記録の仕方に気を付ける必要があります。
代表的なものとしては、以下が挙げられます。
■取材・調査にかかる費用
・取材に必要な交通費
・撮影のための実費
■検証用として購入した書籍
・執筆テーマの参考書籍
・競合調査のための電子書籍
※プライベート利用との線引きが曖昧な場合は注意
■執筆・制作に使うデバイス
・PC、タブレット、Kindle端末
・キーボードや外付けモニター
・マイクやライト(YouTube併用の著者に多い)
取材費や書籍購入費は、目的と関連性が明確であれば経費として認められやすいです。
ただ、「どこまでが取材なのか」という判断は人によって幅が出るため、実務的には“客観的な証拠”を残しておくと安全です。
私自身、テーマに関連した訪問や書籍購入は、その理由をメモしておくようにしています。
デバイス費は金額が大きいため、プライベートとの按分(あんぶん)が必要になることもあります。
業務利用割合をメモしておくと後から説明しやすく、税務署でも納得してもらえるケースが多いです。
経費にできない可能性がある項目(公式ヘルプ要確認)
KDP出版に関係していても、経費として認められない可能性がある項目も存在します。
私が実務で相談を受ける中でも、この部分は特に誤解が多く、後から修正が必要になる方も珍しくありません。
経費として疑問視されやすい例は以下の通りです。
・日常的な飲食代(執筆に直接関係しないもの)
・家賃や光熱費の全額(按分計算が必要)
・プライベート色の強い娯楽費
・交際費としての会食(執筆目的が証明できないケース)
・“なんとなく関連しそう”と思って購入した物品
これらは、書籍制作に直接必要かどうかの判断が難しいため、税務署の確認が必要になることがあります。
特に、家賃や光熱費は自宅で作業していても全額経費にはできず、業務利用割合に応じて按分する必要があります。
また、「精神的な学び」や「自己啓発」といった抽象的な目的での支出は、書籍テーマと明確な関連が証明できない限り、経費として認められにくい印象があります。
公式ヘルプでも断定されておらず、最終判断はケースバイケースとなるため、不安な場合は税務署で相談するのが安心です。
実務では、「迷ったら領収書とメモを残しておき、申告時に判断する」スタイルが最も安全です。
経費のグレーゾーンを減らすためにも、支出の目的や使用状況を軽く記録しておくことをおすすめします。
KDP収入の円換算と為替差損益:日本在住の著者が注意すべきポイント
KDP収入は、基本的に米ドル建てで計算されます。
そのため、日本在住の著者が確定申告する際は「円換算」が必ず必要になります。
私も初めての申告のとき、この換算方法でつまずき、税務署の相談窓口で丁寧に教えてもらった経験があります。
KDP出版はシンプルに見えて、為替が関わる分だけ“ひと手間”増えるのが特徴です。
重要なのは、KDPの売上画面の金額=申告に使う円換算額ではないという点です。
Amazonから実際に振り込まれる金額や換算タイミングを正しく理解しておくことで、申告ミスを防ぐことができます。
為替の扱いはケースによって判断が分かれる部分もあり、不確かな点は公式ヘルプの確認が必須です。
ここでは、実務で使用されることが多い処理方法を中心に、注意点を整理していきます。
ドル建て売上の円換算の基本と為替レートの扱い(公式ヘルプ要確認)
KDPで表示される売上やロイヤリティは米ドルが基準です。
そのため、確定申告では日本円に換算する必要があります。
ただ、ここで多くの初心者が「どのレートで換算すればいいの?」と迷ってしまいます。
一般的には、次の2つの方法が用いられます。
1. **入金日レートで換算する**
2. **平均レートで換算する(要確認)**
実務では「入金日レート」が採用されることが多いです。
理由はシンプルで、Amazonから実際に受け取った金額を基準にしたほうが帳簿の整合性が取りやすいためです。
これは税務署でも案内されることがあり、私も実際の申告では入金日のレートを採用するよう勧められました。
ただし、「どのレートを使うか」は明確に固定されていないため、ケースによって判断が分かれます。
曖昧な点は公式ヘルプの参照または税務署への相談が必須となります。
とくに、年間売上が大きい方は慎重に扱ったほうが安全です。
平均レートを使う方法は、毎月多くのドル取引があるケースでは便利ですが、KDPのように“月1回の入金”が基準になる場合は利便性が薄いこともあります。
実務的には、入金レートで整理するのが最も混乱しにくい印象があります。
KDPの入金日ベースで処理する際の注意点とよくある間違い
KDPの申告で最も多いミスが、売上画面の金額をそのまま使ってしまうケースです。
これは初心者が必ずといっていいほど経験する落とし穴です。
KDPのロイヤリティ表示と実際の入金額は一致しないため、売上画面の数字だけで申告してしまうと誤差が生じます。
注意点として、KDPでは以下の理由で金額がズレます。
・為替レートの変動
・Amazonが使用する換算率が表示額と異なる
・ペーパーバックの場合は印刷コストが差し引かれる
・対象国によってレートが複数混在している
私の経験でも、売上ダッシュボード上の「推定ロイヤリティ」と、実際の入金額の差額に驚いたことがあります。
税務署に持参したところ、「入金ベースで整理するほうが確実」と案内され、それ以降は入金記録を中心に帳簿をつけるようにしています。
振込処理の流れを整理するには『Kindle出版の銀行口座登録とは?印税を受け取るための正しい設定方法を徹底解説』が参考になります。
入金ベースで処理する際の基本ポイントは以下です。
・銀行口座の入金明細を基準にする
・ドル建て→円換算の根拠をメモしておく
・入金日に使ったレートを記録する
・年間で使用するレートが統一されているか確認する
特に、レートの「記録を残しておく」点は後から非常に役立ちます。
税務調査ほど大袈裟でなくても、「どうやって換算したか説明できますか?」と聞かれるケースは実務上あります。
エビデンスがあれば、説明がスムーズです。
もうひとつのよくある間違いは、「未入金の売上も申告に入れてしまう」ことです。
入金前の売上は、入金日基準で処理する場合はその年の収入として扱いません。
これは簿記に慣れていない方ほど混乱しやすいため、注意が必要です。
為替が絡むと難しく感じるかもしれませんが、基本は「入金ベースで統一」「レートの根拠を記録」の2つだけです。
このルールに沿って整理すれば、申告作業は驚くほどシンプルになります。
米国で売上がある場合だけ必要になる「源泉徴収・W-8BEN」の基礎
KDPは世界共通の仕組みで動いていますが、日本在住の著者にとって米国税務が関係してくるのは、あくまで「米国で売上が発生した場合」に限られます。
実務でも、この部分の誤解は非常に多く、「W-8BENは必ず出すもの」と思い込み、必要のない手続きをしてしまうケースを何度も見てきました。
ここでは、日本向け出版を中心とする著者が押さえておきたい最低限のポイントだけを、実務ベースで整理していきます。
前提として、Amazon.co.jpのみで販売している著者には、米国源泉徴収もW-8BENも基本的に関係ありません。
米国税務が絡むのは「米国Amazon(Amazon.com)で売れたとき」だけです。
ただし、米国売上が発生する可能性が少しでもある場合は、W-8BENを提出しておくと無用な源泉徴収を避けられます。
必要に応じて提出する、という認識が最も現実的です。
日本の読者向け出版のみでは源泉徴収されない理由
米国の源泉徴収は、米国で発生した収益(米国の税対象になる取引)に対して課されます。
そのため、日本の読者向けに Amazon.co.jp のみで販売している著者には、そもそも米国税務が発生しません。
私自身、最初は「KDPなら全員W-8BENが必要」と誤解していましたが、KDPのサポート窓口に確認したところ「米国売上がなければ提出は不要」と明確に案内されました。
とくに日本のKDP著者の場合、海外販売をオンにしていなければ、米国Amazonでの販売は自動的には行われません。
つまり、設定次第で米国売上がゼロのままという著者も多く、その場合は源泉徴収が起こりようがない構造になっています。
また、SNSで「勝手に米国源泉徴収された」という情報を見ることがありますが、実際には“米国販売をオンにしていた”というケースがほとんどです。
知らないうちに販売地域が広がっていることもあるため、KDP本棚の権利・設定ページを一度確認しておくと安心です。
米国売上がある場合のW-8BEN提出と税率の仕組み(最小限の補足)
米国Amazon(Amazon.com)で売上が発生する場合、デフォルトでは30%の源泉徴収が適用されます。
これは米国の税法に基づいたもので、日本の仕組みとは別に動いています。
しかし、日本は米国と租税条約を結んでいるため、W-8BENを提出することで源泉徴収を0%にすることができます。
私の周囲の著者でも、W-8BEN提出前は“想定よりかなり少ない金額が振り込まれた”という声が多く、提出後に改善したケースがよくあります。
提出はKDPアカウントの「税に関する情報」からオンラインで行えます。
一般的な手続きとしては数分で完了し、郵送などの面倒なステップはありません。
ただし、W-8BENの具体的な入力内容や適用条件は人によって異なることがあります。
KDPの公式ヘルプでも詳細な記載がありますが、状況によって解釈が変わる部分があるため、迷う場合は税務署か税理士への確認をおすすめします。
KDP著者がつまずく「よくある誤解」と正しい理解
KDP出版に関して、著者が共通してつまずきやすいポイントがいくつかあります。
これらはSNSやブログ記事で情報が錯綜していることも原因の一つで、誤解したまま作業を進めてしまうと、後から修正が必要になることもあります。
KDPでは「プラットフォームの仕組み」と「日本の税制度」が合わさるため、誤解が起きやすい構造になっています。
ここでは、特に初心者が間違えやすい三つの例にしぼって整理します。
どれも“途中で気づくと大きなやり直しが発生する”タイプの誤解なので、最初に理解しておくと後が非常に楽になります。
誤解①:KDPの売上は自動で税処理されると思ってしまう
KDPを始めたばかりの方がもっとも多く抱える誤解がこれです。
Amazonがロイヤリティを管理してくれるため「税金も自動で処理される」と感じてしまうようです。
しかし実際には、KDPからの収入は“個人の所得”として扱われ、著者自身が確定申告を行う必要があります。
出版社と著者の関係とは異なり、Amazonはプラットフォーム提供者という扱いです。
そのため、「印税だから自動計算されているはず」という考えは危険です。
税務署に相談した際にも「個人で事業を行っている認識で整理してください」と明確に案内されます。
私も初年度はここを誤解しており、後から慌てて帳簿を作り直すことになりました。
誤解②:電子と紙で税区分が違うと思い込むケース
電子書籍とペーパーバックを併売している著者に多い誤解が、「媒体によって税区分が変わる」というものです。
これは非常によくある勘違いですが、KDPでは電子と紙どちらも“著者としての売上”として扱われます。
税務署に相談しても、媒体別で税区分が変わるという案内を受けたことはありません。
あくまで収入の性質で判断されるため、媒体の違いは関係ありません。
ただし、ペーパーバックには印刷コストがかかるため、ロイヤリティ画面と入金額の差が大きくなります。
これは“金額の構造”の問題であり、税区分とは別の話だと理解しておくと混乱を避けられます。
誤解③:海外源泉徴収が必ず発生するという誤解
SNSで「KDPは海外源泉徴収が必須」という情報を見ることがありますが、これは誤解が元になっています。
源泉徴収が発生するのは“米国で売上が発生した場合”です。
Amazon.co.jp向けに出版している著者は、日本の税制度の範囲で考えればOKです。
米国販売をオンにしていなければ、W-8BENも源泉徴収も無関係です。
ただし、設定によっては知らないうちに海外販売が有効化されていることもあるため、一度KDP本棚の設定を確認しておくことをおすすめします。
特に複数冊を出している著者は、設定が本ごとに異なっていることもあり、見落としやすい部分です。
KDP収入の確定申告をスムーズにするための実務的チェックリスト
KDP収入の申告は、仕組みさえつかめば決して難しくありません。
ただ、毎年の申告時期に焦ってしまう著者が多いのは、準備が“年に一度の総仕上げ”になりがちだからです。
私自身、初年度は領収書探しだけで丸一日かかったことがあり、「毎月の小さな積み重ねが一番の近道だな」と痛感しました。
確定申告は「作業の量」ではなく「整理の仕組み」で差がつきます。
面倒に感じる人ほど、日常的なミニ習慣を作るだけで驚くほど楽になります。
以下では、KDP著者が実務で使いやすい“3つのチェック”を紹介します。
どれも手間は最小限で、継続しやすいものを中心にまとめています。
チェック1:売上データを月ごとに整理する方法
KDPの売上データは「ダッシュボード表示の金額」と「実際の入金額」が一致しません。
これが初心者が最もつまずくポイントで、申告直前に混乱する原因の大半でもあります。
そこでおすすめしたいのは、**月ごとに売上と入金を表にまとめておく方法**です。
■必要なデータ
・KDPロイヤリティ明細(売上の内訳)
・銀行口座の入金明細
・必要なら為替レートの情報
実務的には、次のような簡単な一覧表を作るだけで十分整理できます。
・「売上発生日」
・「Amazonからの入金日」
・「入金額」
・「使用したレート(任意)」
・「差額の理由(印刷コストなど)」
私もこの表を導入してから、確定申告前の混乱がゼロになりました。
特にペーパーバック併売している方ほど、差額の管理が整理しやすくなります。
KDPダッシュボードは参照期間を変えると見える数字が変わるため、**毎月1回スクリーンショットを保存**しておくと後から便利です。
チェック2:経費を目的別に分類しておくコツ
経費整理でありがちな失敗は、“思い出しながら分類する”ことです。
これは毎年ほぼ確実に漏れが出ますし、領収書の山に埋もれてモチベーションが下がります。
日頃から次のように、目的ごとにシンプルに分類しておくのがおすすめです。
■制作関連
・表紙デザイン
・編集・校正
・イラスト制作
・外注作業全般
■調査・教材関連
・参考書籍
・競合作品の購入
・取材費や必要な交通費
■作業環境・デバイス関連
・PC、タブレット
・Kindle端末
・マイクや照明(動画併用の場合)
目的別にフォルダ分けしておけば、確定申告のときに「どれが制作費? どれが取材費?」と迷わなくなります。
また、税務署で確認されたときにも説明しやすく、実務的にも非常に合理的です。
領収書は紙でも電子でも構いませんが、**PDF化してクラウド保存する**のが最も安全です。
スマホで撮影しておくだけでも、後から大きな助けになります。
チェック3:帳簿付けの最低限のルールと保存期間
帳簿付けと聞くと「難しそう」と感じる方が多いのですが、KDPの規模なら複雑な帳簿はほぼ不要です。
むしろ、最低限のルールだけ押さえておけば十分です。
■最低限のルール
・売上と経費を時系列で記録する
・入金日ベースで金額を整理する
・領収書と紐づくメモを残しておく
・同じ形式で年間を通して一貫させる
とくに「同じ形式でつける」ことは意外と重要で、年度をまたぐと記録方法が変わって混乱する人が多いです。
私はスプレッドシートのテンプレートを固定化してから、作業時間が半分以下になりました。
■保存期間
所得税法では、帳簿や領収書は原則 **7年間** の保存が求められます。
(白色申告の場合は5年ですが、安全のため7年保存を推奨します。)
クラウド保存に慣れていない方も、GoogleドライブやDropboxなどを使うだけで管理が一気に楽になります。
紙の場合も、年度ごとにクリアファイル1冊にまとめておけば十分です。
帳簿付けは「難しくするほど続かない」ので、まずは最小限からスタートするのが一番です。
まとめ:KDPの税金と確定申告は「所得区分」と「必要経費」を理解すれば迷わない
KDP収入の税金まわりは複雑に見えますが、押さえるべきポイントはそれほど多くありません。
まずは「雑所得か事業所得か」という区分を決め、必要経費を正確に整理すること。
そのうえで、入金ベースの円換算や米国売上の有無など、つまずきやすい部分だけ丁寧に確認しておけば安心です。
実務では、最初に全体像をつかんでおくと、申告作業が驚くほどスムーズになります。
とくに、毎月のミニ整理を習慣化しておけば、確定申告の負担は大きく減ります。
KDP出版は、正しい知識を身につければ安心して継続できる仕組みです。
税金面で不安がある方は、この記事をベースに、少しずつ自分の型をつくっていくことをおすすめします。
【著者:石黒秀樹のプロフィール】
Kindle出版サポート歴5年。
これまでに、のべ600名以上の出版をサポートし、
サポートメンバー全体で累計5,000冊以上の出版実績があります。(2025年時点)
フル外注とAI活用により、初心者でも安心して出版できる再現性の高いステップをお伝えしています。
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