Kindle出版のコミュニティ運営&サポート歴5年。
のべ600名以上・累計5,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。

Kindle出版で写真集を出したいと思ったとき、最初に確認すべきは「画像中心の本でも出版できるのか?」という点です。

実際、Kindleでは写真集の出版は可能ですが、一般的な文字中心の電子書籍とは形式もルールも大きく異なります。

特に、画像サイズやレイアウト設定を誤ると、審査で止まったり、画質が粗く見えたりするケースも少なくありません。

この記事では、KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)で写真集を出す際に押さえておくべき基本ルールを、初心者にもわかりやすく解説します。

実際に出版経験のある立場から、「公式のルールではこう書かれているが、実務上こう調整するとスムーズ」というポイントも交えながら進めていきます。

▶ 規約・禁止事項・トラブル対応など安全に出版を進めたい方はこちらからチェックできます:
規約・審査ガイドライン の記事一覧

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写真集を安全に出版するための準備と設定手順

目次

 

写真集をKindleで公開する際は、まず画像データの品質とレイアウト設定をきちんと整えることが欠かせません。

画質が悪かったり、容量が重すぎたりすると、審査で差し戻されたり読者の端末で表示が崩れたりします。

ここでは、実際に出版作業を行うときに押さえておくべき基本的な設定手順を解説します。

「画像の解像度」「レイアウト形式」「ファイル容量」は、審査通過率を左右する3大ポイントです。

 

写真の推奨サイズと解像度(300PPI推奨・JPEG/PNG対応)

 

KDPで扱う写真は、一般的に300PPI(ピクセル密度)を推奨とされています。

これは印刷品質にも近い解像度で、タブレットやスマートフォンでも美しく表示できる目安です。

JPEGまたはPNG形式に対応しており、カラー作品ならJPEG、高コントラストのイラストやモノクロならPNGが適しています。

解像度が低いと、拡大時にぼやけたりノイズが出たりします。

逆に、あまりに高画質なデータをそのまま入稿すると容量が膨らみ、アップロード時にエラーが起きやすくなります。

1ページあたりのファイルサイズは概ね1〜2MB程度に収めると安定します。

公式ガイドラインには明確な上限値がないものの、端末プレビューで表示確認をしておくことが重要です。

 

表紙画像の推奨サイズと作成時の注意点

 

表紙は、作品の印象を決める最も大事な要素です。

KDPでは、電子書籍の表紙画像を「縦長の矩形」で用意することが求められています。

推奨サイズは、**2,560×1,600ピクセル以上**が目安です(縦横比1.6:1)。

これはKindle端末やスマホ画面での表示を考慮した比率であり、横長に作ると端が切れる恐れがあります。

また、表紙には必ず書名と著者名を入れるようにしましょう。

背景と文字のコントラストが弱いと、サムネイル一覧で読めなくなるため注意が必要です。

実務上は、表紙画像をRGBカラー(CMYKではない)で作成し、JPEGで保存すると最も安定します。

 

KDP Create/Comic Creatorで固定レイアウトを設定する方法

 

写真集を作る場合、レイアウトを自動調整する「リフロー型」ではなく、ページ構成を固定する「固定レイアウト型」を選択します。

 

写真集と同じく固定レイアウトを使う場合は、『𝐊𝐢𝐧𝐝𝐥𝐞出版でイラスト本を出す方法とは?固定レイアウトと画像設定を徹底解説』も参考になります。

 

これにより、ページ内の画像位置や構図を思いどおりに保てます。

Kindle Create(旧Comic Creator)は、ドラッグ&ドロップで画像を配置できる無料ツールです。

ファイルを順番に読み込むだけでページを生成し、プレビュー画面で端末ごとの見え方を確認できます。

実際に使ってみると、「見開きページの中央が切れて見える」などの細かい表示差があるため、プレビュー確認は必須です。

また、作品内でページ番号を表示する必要はありませんが、目次データ(TOC)を作成しておくと審査がスムーズです。

 

ファイル容量とアップロード時のエラー回避ポイント

 

画像主体の作品は、ファイル容量が大きくなりがちです。

Kindleでは最大650MBまでのアップロードが可能ですが、安定動作を考えると100MB以下に抑えるのが現実的です。

大容量ファイルはアップロード中にタイムアウトすることがあり、これが初心者が最もつまずきやすいポイントです。

 

ファイル反映の遅延やエラーに備えるため、『𝐊𝐢𝐧𝐝𝐥𝐞出版で反映されない原因とは?72時間ルールと対処法を徹底解説』も併せて確認しておくと安心です。

 

画像の圧縮率を調整し、JPEGの品質を90〜95%程度に設定すると、画質を保ちながら容量を削減できます。

また、入稿前にフォルダ名やファイル名を英数字に統一しておくと、読み込み時のエラーを防げます。

「全角スペース」や「日本語名ファイル」が混在するとアップロードが途中で止まることがあるので注意してください。

 

目次やテキストを最小限に配置するコツ

 

写真集は基本的に画像中心ですが、タイトルページや簡単な解説文を入れることで完成度が高まります。

ただし、文字量が多いと画像の主張が弱まり、レイアウトのバランスも崩れます。

理想は「1見開きごとに1行コメント」など、最小限の補足にとどめることです。

また、Kindleの仕様上、テキストは画像と同じページに固定されるため、スマホ画面で読みにくくなる場合があります。

そのため、補足文を入れる場合はフォントサイズをやや大きめ(14pt〜16pt)に設定し、背景とのコントラストを確保しましょう。

写真タイトルや撮影地などを英語併記にするのも、見た目のアクセントとして有効です。

 

審査で止まらないためのKDP規約チェックリスト

 

KDPでは、写真集も通常の書籍と同じく「コンテンツポリシー」に基づいて審査されます。

公開前に規約を確認しておくことで、審査落ちや再提出を防げます。

ここでは、特に写真集で注意が必要な4つのポイントを解説します。

 

著作権・肖像権・モデルリリースの扱い

 

写真集では、撮影者だけでなく被写体の権利にも配慮が求められます。

被写体が人物の場合、**モデルリリース(肖像使用の許諾書)**を取得しておくことが理想です。

個人が特定できる写真で許諾を得ていない場合、Amazonの審査で指摘を受けることがあります。

また、建築物やアート作品など、著作権が存在する対象を撮影する際も注意が必要です。

公式には「著作権者の許可が必要な場合がある」とされていますが、実務上は撮影者が所有者や管理者に事前確認しておくのが安全です。

 

AI生成画像を使用する際の開示義務と申告方法

 

AIツールで生成した画像を使用する場合、KDPでは「AI生成作品」である旨の申告が求められています。

これは、著作権の所在や生成過程を透明化するためのルールです。

明確な申告欄は現時点で限定的ですが、出版登録時の説明欄や奥付部分で「一部AI生成画像を使用」と記載するのが望ましいです。

特に、AIと手動編集を組み合わせたコラージュ作品の場合は、どの部分がAI生成かを明示しておくとトラブルを防げます。

なお、AIモデルやプロンプト内容をすべて公開する必要はありませんが、著作権者を誤認させる表現は避けましょう。

 

センシティブ内容の取扱いと審査拒否を防ぐ工夫

 

KDPの審査では、センシティブな表現や社会的に不適切な内容が含まれていないか厳しくチェックされます。

たとえば、過度な露出や暴力的な描写があると、成人向けカテゴリに分類されるか、最悪の場合は販売不可になることもあります。

公式ガイドラインには「露骨な性的内容は禁止」と明記されています。

グレーゾーンに近い作品では、Amazon側の判断で非公開処理になるケースもあるため、判断に迷う場合は控えるのが無難です。

実務的には、**構図や説明文を落ち着いたトーンに保ち、教育的・芸術的な文脈を意識**することで通過率が上がります。

 

再審査や修正依頼が来たときの対応手順

 

審査で差し戻しがあった場合は、KDPからメールで指摘内容が届きます。

多くは「画像サイズの不一致」「説明文の不足」「カテゴリ設定の誤り」など技術的なものです。

まずは該当箇所を修正し、再アップロードすれば再審査が行われます。

内容に関する指摘(表現や権利関係)だった場合は、公式ガイドラインを参照し、該当箇所を削除・修正したうえで再提出しましょう。

再申請時に同じデータをそのまま送ると、自動的に却下されることがあるため、変更履歴をつけて明示するのがベターです。

再審査は数日で完了することが多く、丁寧に対応すれば公開に至るケースがほとんどです。

 

 

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Kindle写真集の価格設定とロイヤリティの考え方

 

写真集の販売価格を決める際は、『KDPの価格設定とは?70%印税と最適価格の決め方を徹底解説』を基準にすると調整しやすくなりま

 

Kindleで写真集を販売するときに多くの方が迷うのが「価格設定」と「ロイヤリティ」です。

文字中心の電子書籍とは違い、写真集は容量が大きくなりやすいため、価格の決め方や利益計算の考え方をしっかり理解しておく必要があります。

特に日本のKDPでは10MBを超える電子書籍でも配信コストが差し引かれない特例があるため、海外記事の情報を鵜呑みにしないことが大切です。

ここでは、日本版KDPの制度を踏まえ、損をしない価格設計の基本を解説します。

 

日本市場における70%ロイヤリティの条件

 

KDPで設定できるロイヤリティ率は「35%」と「70%」の2種類です。

写真集の場合も条件を満たせば70%ロイヤリティが適用されます。

主な条件は以下の通りです。

・販売価格が250円〜1,250円の範囲であること
・対象国にAmazon.co.jp(日本)が含まれていること
・KDPセレクトに登録している、または70%対象国であること

また、70%ロイヤリティの場合は通常、ファイル容量に応じて「配信コスト(1MBあたり数円)」が差し引かれます。

ただし、日本ストアでは例外的に、この配信コストが差し引かれません。

つまり、高容量の写真集でも実質的に「売上 × 70%」がそのまま印税として反映されます。

この点は米国や欧州ストアと大きく異なり、写真集出版における日本市場の大きなメリットです。

 

10MB超でも配信コスト控除なしの特例を活かす方法

 

KDP公式ヘルプによると、Amazon.co.jpではファイル容量にかかわらず配信コストが差し引かれません。

このため、10MB以上の写真集でも安心して高画質データを掲載できます。

実際に出版してみると、50〜100MB程度の固定レイアウト本でも売上計算上のロスはほとんど発生しません。

ただし、注意すべきは「他国ストアで販売する場合」です。

海外ストアでは容量に応じた配信コストが課金されるため、複数国で販売する予定がある場合は、各国ストアのコスト条件を確認しましょう。

また、ファイルサイズが大きいとダウンロード時間が長くなり、読者体験を損なうこともあります。

高画質を保ちながらも、圧縮率を調整して100MB以下を目安にするのが実務的です。

 

価格帯の決め方と高容量ファイルで損をしないコツ

 

写真集の価格を決めるときは、「内容量」と「想定読者層」のバランスを意識することが大切です。

たとえば、個人の作品集として販売する場合は500円〜800円程度が多く、テーマ性が強い写真集や撮影地解説付きの場合は1,000円前後でも成立します。

価格設定を低くしすぎると、印税額が少なくなるだけでなく作品の価値も軽く見られがちです。

初版では600〜800円程度で様子を見て、レビューや販売状況を見ながら調整するのが安全です。

また、容量が大きい作品では、価格をやや高めに設定しても販売コストに影響しない点を活かしましょう。

 

セール設定やKindle Unlimited対象化の可否(公式ヘルプ要確認)

 

写真集でも、KDPセレクトに登録すれば「期間限定セール」や「Kindle Unlimited(読み放題)」の対象にできます。

ただし、固定レイアウト本の場合はセール反映やページ数カウントに制限があるため、公式ヘルプの最新情報を確認してください。

特に、Kindle Unlimitedの報酬は「既読ページ数」で算出されるため、1ページごとの画像がしっかり読み込まれる構成にすることが重要です。

画像だけのページが連続すると「読了」と判定されにくい場合もあるので、短い解説文を添えるのも有効です。

 

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よくある失敗・トラブル事例と対策

 

写真集出版の現場では、「審査で非公開になった」「画像が崩れて見える」などのトラブルがよくあります。

ここでは、実際にありがちな4つの失敗例を紹介し、事前に防ぐためのポイントを整理します。

 

画像が粗く見える・比率が崩れる原因

 

もっとも多いのが、画像サイズと端末比率の不一致です。

Kindleは端末ごとに画面比率が異なるため、縦横比を無視して配置すると一部が切れたり余白が出たりします。

推奨比率(1.6:1)を基準に、画像をトリミングして統一するのが基本です。

また、リサイズを繰り返すとJPEG圧縮で画質が劣化します。

元データを維持したまま、最終出力時に一括リサイズするのがおすすめです。

 

画像サイズの最適値については、『𝐊𝐢𝐧𝐝𝐥𝐞出版の画像サイズとは?表紙と本文の最適解を徹底解説』でより詳しく確認できます。

 

審査で非公開になる主な理由と再申請の流れ

 

審査で止まる原因の多くは「権利関係」と「カテゴリの誤設定」です。

被写体の許可が取れていない、説明文が曖昧、あるいはセンシティブ表現の扱いが曖昧な場合は非公開にされることがあります。

再申請する際は、該当箇所を修正し、コメント欄で「該当部分を修正済みです」と説明するとスムーズです。

同じファイルを再提出するとエラー扱いになることがあるので、修正後はバージョン名を変えて再アップロードしましょう。

 

海外ブログの手法を真似して失敗するケース

 

海外のKDPノウハウ記事を参考にして作ると、日本版KDPでは思わぬトラブルが起きることがあります。

たとえば、米国ではAI画像や一部のジャンルが緩やかに扱われている一方、日本のAmazonでは厳格に審査されます。

また、価格設定や配信コストの条件も異なります。

日本向け出版では、**必ずAmazon.co.jp公式ヘルプを基準に制作**することが重要です。

 

販売後にレビューで指摘されやすいポイント

 

販売後によくあるのが、「写真が暗い」「構図が似ている」「説明が少ない」といったレビューです。

特にスマートフォンで閲覧する読者は、明るめ・コントラスト強めの画像を好む傾向があります。

また、ページ順やテーマ性に一貫性がないと「雑然とした印象」と受け取られやすくなります。

出版前に第三者にプレビューを見てもらい、全体の流れをチェックすると完成度が上がります。

 

Kindle写真集を出版した後の運用と改善ポイント

 

写真集を公開したあとも、販売ページの最適化やレビュー対応を継続的に行うことで、作品の寿命が大きく伸びます。

ここでは、販売後の改善・更新に関する具体的なポイントを解説します。

 

販売ページの見せ方とサムネイル戦略

 

販売ページでは、表紙サムネイルが読者の第一印象を左右します。

暗い色合いや細かい文字はサムネイルで潰れやすいため、明暗差を強くつけることが重要です。

また、1枚目のプレビュー画像は作品全体のトーンを象徴する1枚を選びましょう。

表紙を少し引いた構図にすると、Amazon上でも見栄えが良くなります。

 

タイトル・説明文で審査と読者双方に伝わる書き方

 

タイトルは「作品テーマ+表現意図+著者名」を意識して構成します。

たとえば、「四季を写す日本の風景写真集/撮影・石黒」など、内容が明確なものが好印象です。

説明文では、撮影テーマや使用機材、制作背景などを200〜300字ほどでまとめると説得力が増します。

審査段階でも、「作品内容が明確で説明が適切」と判断されやすくなります。

 

更新や差し替え時の注意点と再審査の流れ

 

出版後に画像を差し替えたり、表紙を変更した場合は、自動的に再審査が行われます。

軽微な修正であれば数日で再公開されますが、構成を大きく変えると再審査に1週間ほどかかる場合もあります。

修正版では必ずファイル名を変更し、旧データを上書きしないようにしてください。

また、販売中の作品を一時非公開にしたい場合は「一時停止」機能を使うと便利です。

 

ペーパーバックで同内容を出す場合の条件(24ページ以上・要裁ち落とし設定)

 

写真集を紙書籍として出す場合は、「ペーパーバック出版」を利用します。

この際、**24ページ以上**という最低ページ数制限があるため、短い作品はそのままでは登録できません。

また、印刷の都合上「裁ち落とし(ページ端まで印刷)」を有効にしてデータを作成する必要があります。

電子版のデータをそのまま流用せず、印刷サイズに合わせて再調整するのが基本です。

 

まとめ:Kindle写真集出版は「見た目より設定」が成否を分ける

 

写真集の出来栄えを左右するのは、カメラの腕前だけではありません。

Kindleでは、**画像サイズ・形式・価格設定・規約順守といった「設定部分」こそが審査通過と販売の決め手**になります。

最初は少し複雑に感じても、手順を守れば安定した品質で出版できます。

公開後もレビューを分析し、表紙や価格を微調整していくことで、長く売れ続ける作品に育てられます。

公式ガイドラインを随時確認しながら、安心して出版活動を続けていきましょう。

 

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【著者:石黒秀樹のプロフィール】

Kindle出版サポート歴5年。
これまでに、のべ600名以上の出版をサポートし、
サポートメンバー全体で累計5,000冊以上の出版実績があります。(2025年時点)

フル外注とAI活用により、初心者でも安心して出版できる再現性の高いステップをお伝えしています。

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