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Kindle本の本文へ画像を入れるとき、「何ピクセルで作ればいいのか」「JPEGとPNGのどちらで保存するのか」「端末で見るとぼやけるのはなぜか」で手が止まりやすくなります。

結論から言うと、本文画像にはすべての本へ共通する一つの正解サイズはありません。表示したい大きさから必要なピクセル数を逆算し、スマートフォンで縮小表示しても内容を読めるかどうかで判断します。

この記事では、本文画像に絞って、サイズの決め方、PPIとピクセル数の計算、JPEGとPNGの使い分け、ぼやける原因と対処法、Kindle Previewerでの確認手順を解説します。

原稿作成の全体手順や、テーマ決め、章立て、目次、Word設定までの流れは、『Kindle出版の原稿の書き方とは?作成手順・Word設定・目次を徹底解説』で詳しく解説しています。

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本文画像のサイズは表示サイズから逆算して決める

目次

電子書籍の本文は、読者が使う端末やアプリ、文字サイズによって表示幅が変わります。同じ画像でも、スマートフォンでは画面幅に合わせて小さく表示され、タブレットでは比較的大きく表示されます。

そのため、「本文画像は必ず横幅○○px」と一律に決めるより、用途ごとに必要なピクセル数を計算する方が実用的です。

表示サイズ×PPIで必要なピクセル数を計算する

PPIは、1インチの中に何ピクセル含まれているかを表す単位です。本文画像では、実際に表示される大きさを想定し、その大きさに必要なピクセル数を求めます。

たとえば、4インチ×6インチ程度の大きさで表示する画像を、300PPI相当で用意する場合は次のように計算します。

  • 横:4インチ×300=1200px
  • 縦:6インチ×300=1800px

この場合は、1200×1800px程度が一つの目安になります。ただし、すべての本文画像を300PPI相当で用意しなければならないわけではありません。

画像内に文字や細い線が多いほど、余裕のあるピクセル数を確保すると考えると判断しやすくなります。写真中心の画像と、細かな文字を含む図解では、必要な品質が異なります。

文字を含む図解は横幅1200px以上を目安にする

解説用の挿絵や図解には文字が入ることが多いため、元画像の横幅に余裕を持たせます。一つの目安として、横幅1200px以上で作成すると、細かな文字や線を保ちやすくなります。

ただし、1200px以上あれば必ず読めるわけではありません。文字サイズ、線の太さ、余白、端末上での縮小率によって見え方は変わります。

判断基準はスマートフォンでの見え方に置く

Kindle本はスマートフォンで読まれることも多いため、パソコンの画面だけで判断すると、次のような見落としが起こります。

  • 画像内の文字が小さすぎて読めない
  • 細い線が消える
  • 表の数値を判別できない
  • 矢印や囲みが目立たない
  • 拡大しないと意味が分からない

完成した画像は、実際にスマートフォンへ送り、原寸の画面で確認してください。文字が多い画像は、1枚へ詰め込まず複数枚へ分ける方が読みやすくなります。

JPEGとPNGは画像の中身で使い分ける

本文画像の保存形式は、写真なのか、文字や線を含む図解なのかで選びます。どちらが常に優れているわけではありません。

写真やグラデーションはJPEG

JPEGは画像を圧縮できるため、画質を保ちながらファイル容量を抑えやすい形式です。旅行写真、人物写真、風景、商品写真などに向いています。

ただし、圧縮率を高くしすぎると、細部がにじんだりブロック状のノイズが出たりします。書き出した後は画像を拡大し、次を確認してください。

  • 人物や被写体の輪郭が不自然になっていないか
  • 背景にブロックノイズが出ていないか
  • 画像内の文字がにじんでいないか
  • 色の境目が荒れていないか

図表やスクリーンショットはPNG

PNGは、JPEGのような圧縮によるにじみが起こりにくいため、文字や線を鮮明に保ちやすい形式です。次のような画像に向いています。

  • グラフ
  • フローチャート
  • 操作手順のスクリーンショット
  • 細い文字を含む図解
  • 単色のイラスト

一方で、PNGはJPEGより容量が大きくなりやすいため、すべてをPNGへ統一する必要はありません。写真はJPEG、図表はPNGというように、内容ごとに使い分けます。

透過PNGは背景色を付けて保存する方が安全

背景が透明なPNG画像は、端末や背景色の組み合わせによって、透明部分が意図しない色で表示されたり、画像内の文字が背景と同化したりする可能性があります。

透過が必要ない場合は、白などの背景色を付けた状態で保存してください。透過PNGを使う場合は、Kindle Previewerで複数の端末表示を確認します。

アニメーションGIFは静止画へ変換する

動きのあるアニメーションGIFは、本文画像として安定した表示を期待できません。静止画像へ変換し、必要であれば手順ごとに複数枚へ分けて掲載してください。

表示サイズを大きく超える画像は入れない

元画像が大きいほど高品質になるわけではありません。必要なサイズを大きく超える画像を大量に挿入すると、原稿ファイルの容量が増え、読み込みや変換に影響する可能性があります。

使用する大きさに合わせて縮小してから、画質を確認しましょう。

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画像の種類別の作り方

同じ本文画像でも、スクリーンショット、図表、写真、固定レイアウトでは見せ方の調整点が変わります。

スクリーンショットは必要な部分だけを切り出す

パソコン画面全体をそのまま入れると、スマートフォンでは文字が小さくなりすぎます。操作説明の画像では、次のように調整してください。

  • 不要な部分をトリミングする
  • クリックする場所を拡大する
  • 赤枠や矢印で重要箇所を示す
  • 一つの画像で一つの操作を説明する
  • 画像の下に文章でも補足する

画面全体を見せる必要がある場合は、その後に重要部分を拡大した画像を追加すると分かりやすくなります。

図表は小さな文字と細い線を避ける

図表はパソコン上で細かく作り込めますが、Kindle端末では縮小表示されます。次のような図表は読みにくくなります。

  • 1枚の表に列や行が多すぎる
  • 注釈の文字が小さい
  • 線が細すぎる
  • 淡い色同士でコントラストが弱い

横長の表は、2つに分ける、縦型へ組み直す、本文テキストへ置き換えるといった方法も検討しましょう。

写真は縮小してから圧縮する

写真を高解像度のまま入れると容量が増え、逆に圧縮しすぎると輪郭や色の階調が崩れます。表示に必要なサイズまで縮小した後、JPEGで適度に圧縮する順番が安全です。

写真集など、画像そのものが本の主役になる場合は、文章中心の本より高い画質が必要です。用途に応じて、画質を優先するか容量を抑えるかを判断します。

コミックや固定レイアウトは別仕様で考える

コミックや画像中心の固定レイアウト本では、通常のリフロー型とは画像サイズの考え方が異なります。ページ全体を画像として扱う場合は、見開き、拡大操作、端末の画面比率も関係します。

固定レイアウトには一律の最適サイズがないため、作品の形式に合ったKDPの公式ガイドを確認し、Kindle Previewerで複数の端末表示を検証してください。

端末ごとの表示差や、リフロー型で画像・本文の配置が崩れる原因は、『Kindle出版のレイアウトとは?崩れない作り方とプレビュー確認を徹底解説』で詳しく解説しています。

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本文画像がぼやける原因と対処法

ぼやける原因はピクセル不足だけではありません。元画像の品質、圧縮、保存形式、文字サイズ、余白など複数の要素が関係します。上から順に確認すると、原因を切り分けやすくなります。

小さな元画像を引き伸ばしている

横幅400pxの画像を1200pxまで拡大しても、新しい情報が増えるわけではありません。輪郭がぼやけ、文字や線がにじみます。

最初から使用予定のサイズに近い画像を用意し、拡大ではなく縮小して使いましょう。

JPEGを圧縮しすぎている

JPEGの圧縮率を高くしすぎると、細かな部分が崩れます。特に、スクリーンショットや図表をJPEGで保存した場合は、文字の周囲にノイズが出ることがあります。

  • JPEGの品質設定を上げる
  • 元画像から書き出し直す
  • 文字や線を含む画像はPNGへ変更する
  • 同じ画像を何度も再保存しない

すでに圧縮された画像を繰り返しJPEGで保存すると、劣化が積み重なります。

Wordの自動画像圧縮が有効になっている

Wordには、文書の容量を抑えるために、挿入した画像を自動的に圧縮する機能があります。元画像は鮮明なのにWordへ貼り付けた後に画質が落ちた場合は、この設定を確認してください。

Windows版Wordでは、一般的に次の手順で設定します。

  1. Wordで原稿ファイルを開く
  2. 「ファイル」をクリックする
  3. 「オプション」を開く
  4. 「詳細設定」を選ぶ
  5. 「イメージのサイズと画質」を確認する
  6. 対象となる文書を選ぶ
  7. 「ファイル内のイメージを圧縮しない」にチェックを入れる

Wordのバージョンや利用環境によって、項目名や場所が異なる場合があります。また、この設定を変更しても、すでに劣化した画像が元へ戻るわけではありません。設定を変えた後、劣化していない元画像を改めて挿入してください。

画像はWordへ入れる前に必要な大きさへ調整し、Word上で拡大・縮小を繰り返さないようにします。修正するときも、Word内の画像を保存し直すのではなく、Canvaや画像編集ソフトの元データから書き出し直しましょう。

画像内の文字が小さすぎる

ピクセル数が十分でも、画像内の文字自体が小さければ読めません。一つの画像へ情報を詰め込みすぎている場合は、画像を分割してください。

長い説明は画像化せず、本文テキストとして書く方法もあります。本文テキストなら読者が文字サイズを変更できるため、小さくて読めない状態を避けられます。

色空間がsRGBになっていない

AdobeRGBなどで保存した画像は、端末や変換時の処理によって色味が変わる場合があります。電子書籍用の画像では、sRGBで保存する方法が一般的です。

色が暗く見える、鮮やかさが失われると感じた場合は、カラープロファイルを確認してください。

画像の余白が大きすぎる

画像データの外側に広い余白があると、見せたい部分が中央に小さく配置され、本文へ挿入したときに小さく見えます。

不要な余白をトリミングし、見せたい部分が画像内で十分な大きさを占めるよう調整しましょう。

どの端末でも読める画像にする工夫

Kindle本は、スマートフォン、タブレット、モノクロ端末など、さまざまな環境で読まれます。すべての端末で同じ見え方にするのは困難なため、どの環境でも内容を理解できる状態を目指します。

重要な要素を中央寄りへ配置する

画像の端に重要な文字や図形を置くと、表示幅や余白の違いによって見にくくなる可能性があります。重要な要素は中央寄りへ置き、周囲に適度な余白を残してください。

色だけで情報を区別しない

カラー端末では分かりやすい図でも、モノクロ端末では色の違いが伝わりません。次の要素を組み合わせて区別します。

  • 線の種類
  • 数字
  • 記号
  • ラベル

文字と背景にコントラストを付ける

淡い背景に淡い文字を置くと、端末によってはほとんど読めなくなります。明るい背景には暗い文字、暗い背景には明るい文字を使い、十分な明暗差を付けましょう。

Kindle Previewerで本文画像を確認する

画像を挿入した後は、作成ソフトの画面だけで判断せず、Kindle Previewerなどで表示を確認します。複数の端末を想定した表示へ切り替えながら、次の観点でチェックしてください。

もっとも小さい画面で確認する

最初にスマートフォン相当の表示を確認します。

  • 画像内の文字を拡大せずに読めるか
  • 図や表の意味を理解できるか
  • 重要箇所が小さくなりすぎていないか
  • 横長画像が極端に縮小されていないか
  • 上下の余白が大きすぎないか

読みにくい場合は、画像を分割する、不要部分を切り取る、画像内の文字を大きくするといった修正を行います。

モノクロ表示で判別できるか確認する

Paperwhiteなどのモノクロ端末を想定し、グレー表示でも内容が伝わるかを見ます。色分けだけで説明している図にはラベルや記号を追加し、薄い灰色の文字や細い線は濃さと太さを調整してください。

拡大しなくても読めるか確認する

拡大機能を使えば読める画像でも、すべての読者が毎回拡大するとは限りません。基本情報は通常表示で読めるようにし、細部だけ必要に応じて拡大できる状態を目指します。

画像の前後に説明を入れる

画像だけで説明を完結させると、画像が見づらい環境では内容が伝わりません。何を示した画像なのか、どこに注目すべきかを、前後の文章で補足してください。

プレビュー確認の具体的な手順は、『Kindle出版のプレビュー確認とは?オンラインとPreviewerの使い方を徹底解説』も参考にしてください。

本文画像のチェックリスト

原稿へ画像を入れる前と、プレビュー確認時に、次の項目を確認してください。

  • 表示したい大きさに合ったピクセル数になっている
  • 小さな元画像を無理に引き伸ばしていない
  • スマートフォンでも画像内の文字を読める
  • 一つの画像へ情報を詰め込みすぎていない
  • 写真はJPEG、図表はPNGなど用途に合わせている
  • JPEGを圧縮しすぎていない
  • 透過背景が本当に必要か確認した
  • sRGBで保存している
  • 不要な余白をトリミングした
  • モノクロ表示でも意味が伝わる
  • 画像の前後に文章で補足を入れた
  • Kindle Previewerで複数の表示を確認した
  • 使用画像の著作権や利用条件を確認した

表紙画像やペーパーバックは別の基準で作る

ここまでは、電子書籍の本文へ挿入する画像を扱いました。商品ページに使う表紙画像や、ペーパーバックの印刷用画像は、本文画像とは別の基準で作成します。

表紙、本文画像、ペーパーバックを含むサイズ設定の全体像は、『Kindle出版のサイズとは?表紙・本文画像・ペーパーバックの設定を徹底解説』で確認してください。

ペーパーバックでは、印刷解像度、判型、塗り足し、余白、背幅など、電子書籍とは異なる設定が必要です。紙の本を出版する場合は、『Kindle出版で紙の本を出すには?ペーパーバックの条件と手順を徹底解説』も参考にしてください。

まとめ|数値より実際の読みやすさで判断する

本文画像に共通の正解サイズはなく、表示する大きさ、画像の種類、画像内の文字や線、読者の端末から決めます。作業手順としては次の流れになります。

  1. 画像をどの大きさで表示するか決める
  2. 表示サイズ×PPIで必要なピクセル数を計算する
  3. 写真はJPEG、図表はPNGなど用途に合わせて保存する
  4. 不要な余白を削り、見せたい部分を大きくする
  5. スマートフォンとモノクロ端末を想定して確認する
  6. Kindle Previewerで最終表示を確認する

数値上の解像度が足りていても、実際の端末で読めなければ意味がありません。ぼやける、文字が読めない、端末によって見え方が変わるときは、元画像の大きさ、圧縮、保存形式、余白、文字サイズの順に見直してください。

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【著者:石黒秀樹】

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