Kindle出版のコミュニティ運営&サポート歴5年。
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。

KDPで出版する準備を進めると、ISBNが必要なのか、必要なら無料ISBNと自分で取得したISBNのどちらを使うのかという判断が出てきます。

Kindle電子書籍にISBNは不要で、通常のペーパーバックにはISBNが必要です。紙書籍でも、コンテンツが少ない本はISBNなしで出版できます。

判断の順番は、先に出版形式を確認し、そのあとで無料ISBNと自前ISBNのどちらが合うかを決める流れになります。ここでは形式ごとの扱い、2種類のISBNの選び方、取得費用や出版後の変更可否まで整理します。

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KDPのISBNとは?書籍を識別する13桁の国際標準番号

▶ 初心者がまず押さえておきたい「基礎からのステップ」はこちらからチェックできます:
基本・始め方 の記事一覧

ISBNは、出版物を識別するために使われる13桁の国際標準番号です。現在のISBNは978または979から始まり、同じ作品でも出版形式ごとに別の番号が割り当てられます。

KDPでは、選ぶ出版形式によってISBNの扱いが変わります。

出版する形式 ISBNの扱い KDP無料ISBN
Kindle電子書籍 不要 対象外
通常のペーパーバック 必要 利用できる
コンテンツが少ない本 独自ISBNまたはISBNなし 利用できない

「KDPで出版するならISBNを用意しなければならない」と一律に考える必要はありません。KDPでの扱いは、KDP公式のISBN取得に関する案内でも確認できます。

Kindle電子書籍だけならISBNは不要

Kindle電子書籍をKDPから出版する場合、ISBNを取得しなくても出版できます。電子書籍にはAmazon側からASINが割り当てられるため、ISBNは入力必須の項目ではありません。

すでに電子書籍用のISBNを持っているなら登録できますが、出版のためだけに新しく用意する必要はありません。

注意したいのは、電子書籍にISBNを登録して出版したあと、その番号を更新できない点です。使う理由がはっきりしない段階では、空欄のまま進める選択もできます。

通常のペーパーバックにはISBNが必要

通常のKDPペーパーバックでは、出版時にISBNの登録が必要です。ただし、自分でISBNを購入しなければ紙書籍を出せないわけではありません。

KDPには、対象のペーパーバックへ無料ISBNを割り当てる仕組みがあります。KDPだけで紙書籍を販売する予定なら、この無料ISBNが基本の選択肢になります。

すでに独自ISBNを取得している場合は、その番号をKDPへ登録して出版する方法もあります。

コンテンツが少ない本はISBNなしでも出版できる

紙書籍でも、コンテンツが少ない本は通常のペーパーバックとISBNの扱いが異なります。

この種類の本では「独自ISBNを使用する」または「ISBNなし」を選べます。一方で、KDPが提供する無料ISBNの割り当ては受けられません。

紙書籍だから必ずISBNが付く、という前提では判断を誤ります。対象になる本の定義や電子版との違いは、KDP「コンテンツが少ない本」の電子と紙の違いで確認できます。

KDPの無料ISBNと自前ISBNはどちらを選ぶ?

通常のペーパーバックを出す場合の判断基準は、KDPだけで販売するなら無料ISBN、KDP以外でも販売するなら自前ISBNです。加えて、Amazonの商品詳細ページに自分の出版社名を表示したいかどうかも選択に影響します。

比較項目 KDP無料ISBN 自前ISBN
取得費用 無料 取得費用が必要
KDPでの利用 可能 可能
KDP以外での利用 不可 可能
出版社表示 「個人出版」 登録した出版社名・インプリント

どちらかが一律に優れているわけではなく、販売範囲と出版社表示の希望で答えが変わります。

KDPだけで紙書籍を出版するなら無料ISBN

販売先をKDPに限定するなら、無料ISBNを使えば取得費用をかけずにペーパーバックを出版できます。申請手続きも不要で、KDPの登録画面で割り当てを選ぶだけです。

制約は2点あります。1つ目は、割り当てられた無料ISBNをKDP以外の出版サービスへ持ち出せないこと。2つ目は、Amazonの商品詳細ページで出版社欄が「個人出版」と表示されることです。

この2点が問題にならなければ、無料ISBNが分かりやすい選択になります。

KDP以外でも同じ紙書籍を販売するなら自前ISBN

他の出版サービスでも同じ紙書籍を扱う予定があるなら、自分で取得したISBNを使う方が適しています。KDP無料ISBNは、KDP外では使用できないためです。

独自ISBNなら利用先が限定されないため、複数の販売ルートを最初から計画している場合に向いています。

「今はKDPだけだが、いずれ他でも販売するかもしれない」という段階でも、出版ボタンを押す前に販売範囲を考えておくと、あとで番号を取り直す手間を避けられます。

独自の出版社名を表示したい場合も自前ISBN

出版社名やインプリントを自分で設定したい場合も、独自ISBNを選ぶ理由になります。

無料ISBNでは出版社欄が「個人出版」で固定されます。独自ISBNなら、ISBN登録時に届け出た出版社名やインプリントを商品ページに反映できます。

ISBNを選ぶときは、費用だけでなく商品ページの表示まで含めて比べてください。

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自前ISBNを使う前に確認する費用と登録情報

独自ISBNを使う場合は、取得にかかる費用と、登録した書誌情報をKDP側とそろえることの2点を先に押さえます。番号を入力すれば終わり、という手続きではありません。

日本での新規取得は申請する点数で料金が変わる

日本でISBNを新規に取得する場合は、日本図書コード管理センターへ申請します。料金は申請する点数によって変わり、まとめて取得するほど1点あたりの単価は下がる設定です。

申請するISBN 新規申請料金
1点 11,000円+税
10点 22,000円+税
100点 40,320円+税

独自ISBNは無料ではないため、今後の出版予定数を見込んで申請点数を決めます。1冊しか出さない予定なら1点、シリーズや継続出版を考えているなら複数点という考え方になります。

料金は改定されることがあるので、申請前に日本図書コード管理センターの最新料金を確認してください。

KDPへ入力する書誌情報はISBN登録情報と一致させる

自前ISBNをKDPで使うときは、ISBN登録機関へ届け出た情報とKDPの書誌情報をそろえます。

照合の対象になるのは、主に次の項目です。

  • タイトル、サブタイトル
  • 著者名
  • フォーマット(ペーパーバックなど)
  • 出版社名、インプリント

これらに食い違いがあると、出版手続きを先へ進められない場合があります。たとえばISBN側とKDP側で異なる出版社名を入力する使い方は避けてください。

KDP側の条件は、KDP公式のISBNと出版社に関する案内で確認できます。

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ISBNは形式・版ごとに分け、出版後は差し替えられない

ISBNは、一度取得すればどの形式にも使い回せる番号ではありません。出版形式や版が変われば、ISBNも分けて考えます。

ペーパーバックと別フォーマットで同じISBNは使えない

同じ作品名でも、ペーパーバックと別の出版フォーマットで同じISBNを共用することはできません。

内容に大幅な変更を加えて新版として出し直す場合も、新しいISBNが必要です。「同じ本だから前のISBNをそのまま使う」という判断はせず、形式と版を基準にしてください。

なお、日本語のKDPハードカバーは現在サポート対象外です。

出版済みのISBNを変えるには新版として出し直す

紙書籍を出版したあとに、登録済みのISBNだけを別の番号へ差し替えることはできません。変更が必要な場合は、現在の本を出版停止し、新版として再出版する対応になります。

下書きの段階であればISBNを変更できます。だからこそ、無料ISBNと自前ISBNのどちらを使うかは、出版ボタンを押す前に決めておく必要があります。

ISBN変更と新版の関係は、KDPの版(Edition)と第2版が必要になる変更で確認できます。

ISBNとASIN、電子版と紙版のリンクは別の仕組み

ISBNの話でつまずきやすいのが、ASINとの違いと、電子版と紙版の商品ページのリンクです。どちらもISBNとは別の仕組みで動いています。

ISBNとASINは役割が異なる

ISBNは出版物を識別する国際標準番号で、ASINはAmazonが自社の商品を識別するための番号です。Kindle電子書籍にはISBNが必須ではなく、Amazon側からASINが割り当てられます。

電子書籍でISBNを取得しなくても、識別番号がなくなるわけではありません。両者の違いや確認方法は、KDPのASINとISBNの違いで確認できます。

電子版と紙版のリンクに同じISBNは必要ない

Kindle電子書籍とペーパーバックの商品ページを関連付けるために、同じISBNを設定する必要はありません。リンクの判定で見られるのは、タイトル・著者・言語・版などのメタデータの一致です。

そもそも電子書籍にはISBNが不要なので、「紙版と同じISBNを電子版にも入力すればリンクされる」という考え方は成り立ちません。

リンクされない場合の原因と修正方法は、KDPで電子書籍と紙版がリンクされない原因と対処方法で確認できます。

KDPのISBNは出版形式と販売範囲で決める

ISBNの判断は、次の順番で確認すれば迷いません。

  1. 出版する形式を決める(電子書籍・通常のペーパーバック・コンテンツが少ない本)
  2. 電子書籍だけならISBNは用意しない
  3. コンテンツが少ない本なら、独自ISBNかISBNなしを選ぶ
  4. 通常のペーパーバックなら、販売先がKDPだけかを確認する
  5. KDPだけなら無料ISBN、他でも販売するか独自の出版社名を表示したいなら自前ISBN

出版後はISBNだけを差し替えられません。出版形式・販売先・出版社表示の3点を確認してから、ISBNを確定させてください。

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【著者:石黒秀樹】

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