AIでKindle本の原稿を書く方法とは?構成から本文までの手順を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
AIでKindle本の原稿を書くときは、「1冊まるごと書いて」と一度に任せるのではなく、設計・構成・章別生成・全体確認・最終修正の5段階に分けて進めるのが基本です。
読者・テーマ・本文へ使う材料を人間側で先に決めてからAIへ渡すと、章ごとに話がぶれにくくなります。
ここでは、設計から本文完成までの流れを、実際に手を動かす順番で整理します。
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AIでKindle本の原稿を書く5段階の手順
目次
AIで原稿を作る場合、最初から本文を書かせると、どこで何を説明しているかを人間が把握できなくなります。
先に本の設計を固め、その内容をもとに構成を作り、章ごとに本文へ進みます。
| 段階 | 行うこと | 主な担当 |
|---|---|---|
| 1. 設計 | 読者・テーマ・本文に使う材料を決める | 人間 |
| 2. 構成 | 章立ての叩き台を作り、採用と削除を判断する | AIと人間 |
| 3. 章別生成 | 章や見出しごとに本文を作成する | AI |
| 4. 全体確認 | 重複・矛盾・説明不足や事実関係を確認する | 人間 |
| 5. 最終修正 | 文章を整え、原稿内容を完成させる | 人間 |
この分け方であれば、文章量が増える前に本全体の方向を修正できます。
AIに任せるのは、決まった内容を文章へ展開する部分です。何を書くかを決める部分は人間が持ちます。
なお、原稿作成だけでなく表紙やKDP登録まで含めた出版全体の流れは、AIでKindle本を出版する全手順で確認できます。
手順1:読者・テーマ・本文の材料を先に決める
最初に時間を使うのは、文章生成ではなくAIへ渡す設計情報の整理です。
ここが決まっていれば、構成でも本文でも同じ方向性を保てます。
誰のどんな悩みを解決する本かを決める
同じテーマでも、想定する読者によって必要な説明は変わります。
初心者向けなら前提から説明します。すでに基礎を理解している読者向けなら、初歩的な説明を増やしすぎると本の目的から外れます。
そのため、テーマだけでなく読者が今どの状態にいて、読後にどこまで進める本なのかまで決めます。
- この本を読む人は誰か
- 今どのようなことで困っているか
- なぜその問題を解決できていないのか
- 読み終えたあとに何が分かればよいか
読者を広げすぎると、説明の粒度が定まりません。まず1つの読者像を決め、そのまま構成へ反映させます。
本文に使う事実・経験・考えを集める
次に、本文へ入れる材料を用意します。テーマだけを渡してすべてを書かせるのではなく、必要な情報を人間側から渡せる状態にしておきます。
- 説明するために必要な事実
- 参考にする資料や確認済みの情報
- 自分が伝えたい考えや判断
- 実際に経験していて本文へ使いたい内容
- 具体例として説明したいケース
ここで大切なのは、事実と自分の考えを混ぜないことです。
確認が必要な情報は確認対象として分け、意見は意見としてAIへ伝えます。
また、実際には経験していない出来事を体験談として書かせないよう、AIに創作させてはいけない情報を先に切り分けます。
文体や難易度などAIへ渡す条件を決める
条件を決めずに章ごとに生成すると、章によって説明の細かさや語調が変わります。
次のような条件は、最初にまとめて整理しておきます。
- 想定する読者の知識レベル
- 専門用語をどこまで使うか
- どの程度かみ砕いて説明するか
- 文章の文体や語調
- 各章で必ず説明したい内容
- 書いてはいけない内容や推測
これらは共通条件として毎回渡し、各章では「この章の目的」「使う材料」「伝える結論」だけを追加します。
構成や本文の生成に使う具体的な指示の型は、Kindle出版のAIプロンプト集にまとめています。
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手順2:章構成はAIに叩き台を作らせて人間が修正する
章構成は、本文で「何を、どの順番で説明するか」を決める設計図です。
AIには完成構成を決めさせず、候補を出させて人間が編集すると考えます。
読者・目的・材料を渡して章立てを作らせる
章立てを作るときは、テーマだけを伝えるのでは足りません。設計段階で整理した情報をまとめて渡します。
- 誰を対象にした本なのか
- 読者が解決したい問題は何か
- 読後に何を理解してほしいか
- 本文で扱う情報や材料は何か
- 扱わないテーマは何か
この段階では本文まで書かせず、全体像だけを確認します。「扱わないテーマ」を明示しておくと、範囲が広がりすぎるのを防げます。
重複する章を削り読みやすい順番へ並べ直す
出てきた章立ては、章タイトルの言葉だけで判断しません。「この章では何に答えるのか」を一文で説明できる状態にします。
隣り合う2つの章が同じ疑問へ答えているなら統合します。1つの章に別の目的が混ざっている場合は分けます。
そのうえで、読者が前提を知らないまま応用的な説明へ進んでいないかを確認し、著者が話したい順番ではなく読者が理解できる順番へ並べ直します。
各章で伝える結論と使う材料を確定する
順番が決まったら、本文を書く前に各章の役割を確定します。1章ごとに、次の状態まで決めます。
- この章で読者が知りたいこと
- 最初に伝える結論
- 結論の理由として説明する内容
- 理解に必要な具体例や材料
- 次の章へ持ち越す内容
ここまで決めておけば、AIへの依頼は「何かを書いてもらう」ことではなくなります。決めた内容を文章として展開してもらう作業になります。
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手順3:本文は章や見出し単位で生成する
構成が固まったら本文を作成します。一冊をまとめて生成せず、章や見出し単位で書かせるのが基本です。
渡す情報も、その部分に必要なものへ絞ります。1回の生成で、次の内容を明確にします。
- この章で答える読者の疑問
- この章で最初に伝える結論
- 結論を説明するために使う材料
- 前の章ですでに説明した内容
- この章では扱わない内容
「前の章ですでに説明した内容」を毎回伝えると、同じ説明が別の章で繰り返される量を減らせます。
章の中に複数の見出しがある場合は、見出し単位まで分けてもかまいません。細かく分けること自体が目的ではなく、人間が内容を確認できる範囲で作成することが判断の基準です。
手順4:一冊を通して重複・矛盾・事実関係を確認する
各章の本文がそろったら、章単位ではなく一冊全体として確認します。
個別に読むと自然でも、並べると同じ説明が重なったり、前後で主張がずれたりする場合があります。
重複・矛盾・説明不足を横断して確認する
確認は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 同じ内容が複数の場所で繰り返されていないか確認する
- 前後の章で結論や説明が食い違っていないか確認する
- 途中の説明が抜けて読者が理解できなくなっていないか確認する
- 各章が本全体の目的に必要な内容か確認する
同じ説明が必要以上に繰り返されている場合は、最も適切な章へ集約します。
説明が抜けている場合も、その場で文章を足す前に、どの章へ追加するのが適切かを考えます。後から説明を足し続けると、構成が崩れやすくなります。
数字・固有名詞・引用・権利関係は人間が確認する
文章として自然に読めることと、内容が正しいことは別に確認します。
特に、数字・制度・固有名詞・引用・権利に関わる内容は人間側で確認する必要があります。
- 数字や条件が正しいか
- 人物名やサービス名などの固有名詞が正しいか
- 引用する内容や扱いに問題がないか
- 第三者の知的財産権に関わる内容がないか
- 自分が経験していないことを体験談として書いていないか
KDPでは、AI生成かAIアシストかにかかわらず、コンテンツガイドラインや知的財産権へ適合させる責任は出版者側にあります。AIが出力した文章を、事実確認の代わりにはできません。
手順5:人間が修正して完成原稿に仕上げる
AIの出力を集めただけの状態と、出版できる原稿として完成した状態は別物です。
文章を整えるだけでなく、不要な説明を削り、誤字や矛盾、内容の抜けまで確認します。
不自然な表現や一般論を削って読みやすく整える
AIが生成した文章には、本の目的に必要のない説明が含まれていることがあります。
すでに説明した結論を別の言葉で繰り返している部分は削ります。本のテーマには関係していても、その章の役割と関係のない一般論も見直します。
判断の基準は、間違っていない文章かどうかではなく、この本の読者に必要な文章かどうかです。
あわせて、章によって文章の難しさや語調が大きく変わっていないかも確認し、設計段階で決めた読者像へ合わせます。
AIが本文を書いた場合は大幅修正後もAI生成として扱う
KDPでは、AIが実際のテキストを生成した場合、AI生成コンテンツとして扱われます。
人間があとから大幅に編集しても、AI生成という扱いは変わりません。
一方、自分で作成した文章をAIで編集・改善した場合はAIアシストに該当します。AIにアイデアを出させ、最終的な文章そのものを人間が作成した場合も同様です。
つまり、どれくらい人間が修正したかで区分するものではありません。AIが最終的な文章そのものを生成したかどうかで判断します。
なお、KDP公式は「本文の何%をAIが書いたらAI生成になる」といった割合による基準を示していません。独自の割合を基準にせず、示されている定義に沿って判断します。
具体的な申告方法やケースごとの違いは、Kindle出版で生成AIを使うときの申告ルールで確認できます。
誤字・矛盾・抜けを確認して原稿内容を完成させる
KDPでも、原稿をアップロードする前に電子書籍全体を見直し、エラーを確認することが求められています。
最終確認では、文章表現だけでなく内容そのものも見ます。
- 誤字や脱字が残っていないか
- 章をまたいで説明が矛盾していないか
- 読者に必要な説明が抜けていないか
- 不要な重複が残っていないか
- 確認が必要な事実をそのまま残していないか
AIに再度チェックさせる方法もありますが、それだけで完成とは判断せず、人間が最終的な原稿を読み通します。
誤字脱字や文章を確認する具体的な工程は、Kindle出版の校正手順とツールで詳しく解説しています。
完成した本文をWordなどの原稿制作工程へ渡す
文章内容が完成したら、KDPへ入稿できる原稿へ整える工程に移ります。
見出しや目次、Wordの書式などは、文章内容とは分けて整えます。AIで文章を完成させたあと、読める形式の原稿として整える工程へ進むという流れです。
Word設定や目次、入稿前の原稿作成については、Kindle出版の原稿の書き方と作成手順で確認できます。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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