最初にお伝えしておきたいのは、「CanvaはKindle出版の“本文を作るツール”ではなく、“表紙を作るツール”として使うのが正解」ということです。
初めてKindle出版をする人の多くが、「Canvaだけで全部作れそう」と思いがちですが、実際はそうではありません。
この記事では、Amazon.co.jp(日本版KDP)で電子書籍を出版する際に、Canvaをどう活用すれば失敗しないのかを、実体験と公式ガイドラインをもとにわかりやすく解説します。
とくに、「Canvaで作った表紙がKDPにアップできない」「サイズが合わない」「画質が落ちた」といった初心者のつまずきを未然に防ぐ内容です。
短時間で仕上げたい方も、丁寧に品質を高めたい方も、この記事を読めばCanvaで安全にKindle出版の表紙を作るための全体像がつかめます。
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実際の流れを映像で確認したあと、詳しい手順や注意点は本文で解説しています。
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Canvaは、デザイン初心者でも簡単に本格的な表紙を作れるツールです。
しかし、KDPの入稿ルールを知らないまま進めると「プレビューで切れた」「文字が潰れた」「容量オーバー」といったトラブルが起こりやすいのが実情です。
この記事のゴールは、そうした失敗を防ぎながら、CanvaをKindle出版に正しく活用できるようになることです。
最短で失敗しない「電子表紙の作り方」と注意点を一気に把握
Kindleの電子書籍では、本文と表紙を別々に用意します。
本文はWordやGoogleドキュメントなどで作成し、EPUBまたはKPF形式に変換して入稿します。
Canvaで制作するのは「表紙用の画像(JPEGまたはTIFF)」で、推奨比率は1.6:1(例:2560×1600ピクセル)です。
ここで注意すべきなのは、解像度が足りないとプレビューでぼやけたり、縦横比が違うと自動トリミングで構図が崩れること。
デザイン段階から推奨サイズを設定し、書き出し時に「高品質(300dpi相当)」を選ぶのが基本です。
また、背景写真や素材のライセンスも重要です。
Canvaの無料素材でも商用利用OKのものが多いですが、一部は制限があります。
出版に使う際は、各素材の利用規約を必ず確認し、AI生成素材は「AI生成を含むコンテンツ」として申告する必要があります(2024年時点)。
このステップを守るだけで、表紙のリジェクト(却下)リスクは大幅に減ります。
本文は何で作る?Canvaはどこまで使える?を初心者向けに整理
初心者が混乱しやすいのが、「Canvaで本文も作っていいの?」という点です。
結論から言うと、リフロー型(文字が端末サイズに合わせて流れる電子書籍)では、Canvaで作ったPDFをそのままアップするのはおすすめできません。
なぜなら、KDPのリフロー型ではフォント・文字サイズ・段落構造などが自動変換されるため、画像として固定されたPDFだと読みにくくなるからです。
Canvaで本文を作るのは、写真集や絵本、レイアウト固定型(固定レイアウト)に向いています。
一方、文章主体の書籍(エッセイ・ハウツー・小説など)は、Wordで作成して「Kindle Create」や「Reedsy」などのツールを使ってKPF形式に変換するのが王道です。
Canvaは本文ではなく、あくまで「目を引く表紙を作るツール」として割り切ると、作業がスムーズになります。
実際に私も最初はCanvaで本文まで作ろうとしましたが、端末での読みづらさとファイル不備で何度もリジェクトされました。
その経験からも、本文は文字データで扱い、表紙のみをCanvaで制作する方がはるかに安全で効率的です。
このポイントを押さえておくだけで、KDPの初回審査を一発で通過できる確率がぐっと上がります。
Canvaでできること・できないこと(Kindle出版の電子書籍/ペーパーバックの前提)
Canvaは非常に便利なデザインツールですが、Kindle出版では「なんでもできる万能ツール」ではありません。
得意な部分と不得意な部分を理解して使い分けることで、作業効率が上がり、KDPの審査でもトラブルを避けられます。
ここでは、電子書籍とペーパーバックのそれぞれにおけるCanvaの役割を整理します。
電子書籍:Canvaは「表紙制作」が主戦場(本文はWord等で整えるのが基本)
電子書籍(Kindle本)の出版では、Canvaは主に「表紙画像を作るためのツール」として使います。
表紙は読者が最初に目にする部分であり、クリック率や売上に直結する要素です。
Canvaの強みは、テンプレートが豊富で、デザイン初心者でも短時間で「見栄えの良い表紙」を作れる点にあります。
一方で、本文の制作には不向きです。
Canvaで本文PDFを作成してそのままKDPにアップロードすることは技術的には可能ですが、Kindleが採用する「リフロー型」の仕様に合わないため、文字が読みにくくなります。
リフロー型とは、読者の端末や文字サイズ設定に応じて文章が自動で流し込まれる形式のことです。
この形式では、Canvaで作ったレイアウト(画像化されたテキスト)はうまく表示されず、行間や段落が崩れることがあります。
そのため、本文はWord・Googleドキュメントなどで構成し、「Kindle Create」などの公式ツールでKPF形式に変換するのが安全です。
実際、私も初期の頃に「Canvaで本文まで作れば早いのでは」と試しましたが、スマホ表示で文字がつぶれ、審査中にリジェクト(却下)された経験があります。
公式ヘルプでも、本文作成にはWordやHTMLなどのテキストベース形式を推奨しており、Canvaの役割はあくまで「デザイン領域」にとどめるのが現実的です。
このように、電子書籍ではCanvaを「表紙専用ツール」として活用することで、デザインの自由度を保ちながらも入稿の安全性を高められます。
ペーパーバック:塗り足し・背表紙・総一枚PDFなど紙特有ルールの概要(公式ヘルプ要確認)
ペーパーバック(紙の本)をKDPで出版する場合、Canvaは表紙作成に引き続き利用できます。
ただし、電子書籍と異なり「印刷に関する仕様(塗り足しや背表紙など)」を満たさなければなりません。
塗り足し(英語では“bleed”)とは、裁断時に白い余白が出ないように、デザインを仕上がりサイズよりも少し大きめに作る設定のことです。
KDPの推奨値は上下左右3.2mmで、これを確保していないと印刷時に端が切れたり、背表紙とズレることがあります。
もう一つのポイントは背表紙です。
背表紙の文字は原則100ページ以上で配置可能です(公式ヘルプ要確認)。
ページ数が少ない作品で無理に背表紙テキストを追加すると、中央がずれて見えるため避けた方が無難です。
Canvaで背表紙を作る際は、KDPの公式「カバー計算ツール」でテンプレートを生成し、それを背景ガイドとして配置するのがおすすめです。
最後に、入稿形式について。
ペーパーバックでは表1(表紙)・背表紙・表4(裏表紙)を1枚のPDFにまとめてアップロードする必要があります。
この形式を「総一枚PDF」と呼びます。
KDPはRGBのPDFカバーも受理されます。
CanvaのCMYK管理は限定的なため、色味差の可能性に留意し、試し刷りや公式テンプレで確認を(公式ヘルプ要確認)。
ただし、Canvaは厳密な印刷カラープロファイル管理に向いていないため、色味にこだわる人はPhotoshopなどの補助ツールを併用するのも選択肢です。
とはいえ、多くの個人出版者にとっては、Canvaのテンプレート+KDPテンプレートを併用するだけでも十分な仕上がりになります。
公式ヘルプでは、こうした印刷関連の仕様は頻繁に更新されるため、最終入稿前にKDPの最新テンプレートページで再確認することを強くおすすめします。
電子書籍(Amazon.co.jp向け)のKDP表紙仕様をまず確認(サイズ・形式・解像度)
Canvaでデザインを始める前に、まず押さえておくべきなのがKDP(Kindle Direct Publishing)の公式表紙仕様です。
ここを曖昧にしたまま進めると、アップロード時に「サイズが合いません」や「画像がぼやけて見えます」といったエラーが出やすくなります。
私自身も最初の頃は、Canvaのテンプレートをそのまま使って失敗した経験があります。
KDPの仕様を先に理解しておけば、再書き出しや修正の手間を防げるので、最初にチェックしておきましょう。
推奨寸法と縦横比の考え方(例:2560×1600pxなど/最新仕様は公式ヘルプ要確認)
KDPでは、電子書籍の表紙に特定の縦横比(アスペクト比)を推奨しています。
公式ガイドラインでは縦横比1.6:1(縦長)が基準です。
これは、一般的なKindle端末やスマートフォンの表示比率に合わせたものです。
たとえば、推奨サイズとしてよく使われるのが「2560×1600ピクセル」。
2560×1600pxはサムネイルでも視認性を確保しやすい実務上の目安です。
dpiではなくピクセル寸法で管理しましょう。
もしCanvaの設定でサイズを指定できない場合は、最初に「カスタムサイズ」を選び、ピクセル単位でこの数値を入力します。
印刷向けではなく「画面表示前提」なので、縦横比を維持することが最も重要です。
縦横比を崩すと、KDPプレビューで上下または左右が自動的にトリミングされることがあり、意図しない切れ方をするケースもあります。
公式では自動調整機能がありますが、実務上は「Canva側で正しい比率を固定しておく」のが一番確実です。
また、スマホのストア画面では表紙が縦に圧縮されて表示されるため、タイトル文字が小さいと読みづらく感じます。
Canva上では拡大して見えるデザインでも、実際の端末表示では文字が細く見えることがあるため、「小さくても読めるフォントサイズか」を意識して配置しましょう。
この「サムネイルでの可読性」を軽視すると、せっかくの表紙がクリックされにくくなってしまいます。
ファイル形式・画像品質の基本(JPEG/TIFF、解像度、容量の目安)
KDPでは、電子書籍の表紙画像をJPEG(.jpg)またはTIFF(.tif)形式でアップロードすることを推奨しています。
電子表紙の推奨形式はJPEG/TIFFです。
PNGは非推奨または不可の扱いがあるため、JPEGでの書き出しが安全です(公式ヘルプ要確認)。
特にCanvaから直接ダウンロードする場合は、形式をJPEGにして「高品質」を選択しておくのが安心です。
電子表紙はピクセル基準で管理します。
推奨例は2560×1600px、最短辺1000px以上を目安に(公式ヘルプ要確認)。
ただし、72dpiで作ると端末によってはぼやけて見えるため、実務上は300dpiを基準にする方がきれいに仕上がります。
画像の容量は最大50MBまでですが、2〜5MB程度に収まるよう圧縮するとプレビューも軽く、読み込みが速くなります。
Canvaで「ダウンロード」→「ファイルの種類:JPEG」→「品質:100%」で書き出すと、まず問題ありません。
もう一つ注意したいのがカラーモードです。
電子書籍では印刷ではなく画面表示なので、RGBカラーモードが基本です。
CMYKで作ると色味が沈むことがあるため、Canvaの設定でRGB(ディスプレイ用)にしておきましょう。
これは印刷向けのペーパーバックとは逆になるので、電子と紙を両方出す場合は別ファイルを作るのが安全です。
最後に、KDPのプレビュー画面では、表紙の中央や上下に白い帯が入ることがあります。
これはファイルの縦横比や解像度が微妙にズレている場合に起きる現象で、私も過去に何度か経験しました。
この場合は、元データの比率を再確認し、2560×1600など推奨サイズで書き出し直せば解決することが多いです。
KDPは仕様変更が定期的に行われるため、最新の数値や形式は公式ヘルプで必ず確認してから入稿しましょう。
Amazon.co.jpでは米国KDPと微妙に要件が異なる場合もあるため、日本向けのガイドラインを優先することが大切です。
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CanvaでKindle表紙を作る手順(電子書籍)
CanvaでKindle用の表紙を作るときは、手順を正しく踏むことが大切です。
「とりあえず作ってみたけど、サイズが合わなかった」「プレビューで文字が切れた」という失敗は意外と多いです。
ここでは、初心者でも安全に仕上げられるように、設計から書き出しまでの流れを実際の作業感に近い形で解説します。
私自身、何十冊も表紙を作ってきましたが、細かい設定を押さえるだけで完成度がぐっと上がります。
新規デザインの作成:カスタムサイズ設定とアートボード設計
まずCanvaを開いたら、「デザインを作成」→「カスタムサイズ」をクリックします。
単位を「px(ピクセル)」にして、KDP推奨の2560×1600pxを入力するのが基本です。
これでアートボード(作業キャンバス)の縦横比1.6:1が確保されます。
ここでありがちなミスが、テンプレートをそのまま使うことです。
Canvaの既成テンプレートには比率が異なるものが多く、KDPにアップすると上下が自動的にトリミングされることがあります。
一見問題なく見えても、端末で見るとタイトルが途中で切れてしまうケースもあるため、必ずカスタムサイズで始めましょう。
また、ガイド線を使って余白を意識的に取るとバランスが整います。
アートボードの端から上下左右5%ほど余白を空けると、文字や要素が安全領域に収まりやすく、KDPプレビューでのズレも防げます。
レイアウトと文字組:視認性・余白・小さなサムネでの可読性チェック
次にデザイン段階で重要なのが「小さい画面でも読めるか」です。
Kindleストアでは表紙がサムネイルとして一覧表示されるため、実際の表示は想像以上に小さくなります。
特にタイトル文字や作者名は、パソコンの作業画面では大きく見えても、スマホ画面ではつぶれて読めないことがあります。
ポイントは、「サムネサイズでも伝わるか」を常に確認することです。
Canvaの右上にある「共有」→「プレビュー」で縮小表示を確認し、スマホで見ることを意識して調整しましょう。
タイトルは20〜30pt以上、作者名は14〜18pt程度を目安にすると、視認性が保たれます。
背景と文字のコントラストも重要です。
淡い色の上に白文字を置くと目立たなくなるため、影(シャドウ)や枠線を使って強調します。
また、表紙の中央にメイン要素を配置するとバランスがとりやすく、読者の視線を引き込みやすいです。
デザインは感覚的な部分もありますが、「タイトルを遠目で読めるか」を基準に判断すれば大きな失敗は避けられます。
画像・フォント素材の権利と利用範囲の確認(教育的注意喚起/公式ポリシーも確認)
ここは見落としやすいですが、最も大切なポイントの一つです。
Canvaには多くの画像・フォント素材があり、無料でもクオリティの高いものが使えます。
しかし、「商用利用可」かどうかを必ず確認してから使いましょう。
Canva内の素材でも一部は商標登録や再配布が制限されており、Kindle出版のような販売目的のコンテンツに使うと違反になる場合があります。
画像の上に配置される小さな「王冠」マークはPro限定素材です。
Proプランを契約している場合は商用利用が可能ですが、解約後にその素材を使い続けるのは規約違反となるケースがあります。
また、AI生成素材を使う場合は、KDPの規約上「AI生成コンテンツを含む」として明記する必要があります(2024年現在)。
フォントも同様で、Canvaに標準搭載されているフォント以外をアップロードする場合は、ライセンスを確認することが重要です。
著作権に関わるトラブルは審査リジェクトだけでなく、公開後の削除につながることもあります。
迷ったときは「Canvaヘルプセンター」または「KDPコンテンツガイドライン」を確認するのが確実です。
書き出し(エクスポート):形式選択、解像度、カラープロファイルの注意
デザインが完成したら、いよいよ書き出し(エクスポート)です。
右上の「共有」→「ダウンロード」から進み、ファイル形式を「JPEG」に設定します。
Canvaの初期設定では品質が80%程度になっていることがあるので、スライダーを100%にして書き出すのが理想です。
解像度は300dpi相当を基準にすれば、KDPプレビューでも鮮明に表示されます。
書き出したファイルが5MBを超える場合は、Canva外の圧縮ツールを使うか、品質を95%程度に落として調整しましょう。
容量の上限はKDPで50MBですが、2〜5MB前後が扱いやすいです。
カラーモードはRGBに設定します。
印刷ではCMYKが主流ですが、電子書籍は画面表示のためRGBが基本です。
Canvaでは明示的なカラープロファイル選択ができない場合がありますが、RGBを意識した明るめの配色を選ぶと端末表示でちょうど良くなります。
最後に、ファイル名を英数字にしておくとアップロード時のトラブルを避けられます。
日本語ファイル名だと、稀に文字化けしてKDPが認識しないことがあります。
「bookcover_2560x1600.jpg」など、内容がわかるシンプルな名前にしておくのがベストです。
これでCanva表紙の作成と書き出しは完了です。
ここまでを丁寧に行えば、初回のKDP入稿でも安心してアップロードできます。
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KDPへのアップロードとプレビュー確認(電子書籍)
Canvaで作った表紙が完成したら、次のステップはKDP(Kindle Direct Publishing)へのアップロードです。
この段階では「きちんと通るかどうか」が気になる人が多いと思いますが、手順とチェックポイントを押さえておけば安心です。
私自身も初期の頃、何度か「プレビューで端が切れている」「文字がぼやける」といった理由で再提出になりました。
ここでは、スムーズに審査を通過させるための実践的な流れと確認方法を紹介します。
表紙画像のアップロード手順と通過しやすいチェックポイント
KDPの管理画面で「本の詳細」を入力したあと、「本のコンテンツ」タブに進むと、表紙をアップロードする項目があります。
ここで選ぶのは「自分で用意した表紙をアップロード」です。
Canvaで書き出したJPEG形式の表紙画像を指定し、「保存して続行」をクリックします。
ファイルの容量が大きすぎると読み込みに時間がかかるため、5MB前後に収めておくとスムーズです。
また、ファイル名に日本語やスペースが含まれているとアップロード時にエラーが出ることがあるため、「bookcover_2560x1600.jpg」など半角英数字で保存しましょう。
この小さな工夫で、予期せぬトラブルを避けられます。
アップロードが完了すると、自動的にKDPのプレビュー機能が開きます。
ここで確認できるのは、端末上での実際の見え方です。
プレビューの表示が崩れていたり、端が切れていた場合は、Canvaで再度比率を見直します。
私の経験では、画像サイズが2560×1600でも縦横比が少しズレていると、上下に白帯が出るケースがありました。
そういう場合は、数十ピクセル単位でサイズを微調整すると解決することが多いです。
KDPではアップロードした画像が自動で圧縮されることがあるため、色味や明るさが若干変化する場合もあります。
これを避けたいときは、もとの画像をやや明るめに仕上げるのがおすすめです。
また、テキストが背景と近い色合いの場合は、境界線(アウトライン)を加えると視認性が上がります。
こうした工夫をしておくと、審査の通過率も高くなります。
プレビューで見るべき点:ボケ・切れ・余白の出方を端末想定で検証
アップロード後は必ずプレビュー画面で確認を行いましょう。
この段階でのチェックが甘いと、公開後に「スマホで見たらタイトルが切れていた」というような事態になりかねません。
まず確認したいのは「ボケ・切れ・余白」の3点です。
特に文字やロゴ部分がぼやけていないかを注意深く見ます。
KDP側で圧縮されるため、解像度が低い画像ほどボケが目立ちやすくなります。
Canvaで書き出すときに品質を100%にしていないと、ここで差が出ることがあります。
次に、トリミング(切れ)の確認です。
KDPプレビューでは端末によって余白の出方が変わるため、「Kindle端末」「スマートフォン」「タブレット」など複数の表示モードでチェックしましょう。
とくにスマートフォン表示では、上下に余白ができることが多く、タイトルや作者名が中央に寄りすぎていると不自然に見えることがあります。
この場合は、Canva側で上下の余白をやや広めにとり、中央に配置し直すとバランスが整います。
最後に、余白の色です。
背景が白や淡い色の場合、KDPのプレビュー上で「背景が途切れて見える」ことがあります。
これは背景色がキャンバスと同化しているだけなので、実際の販売ページでは問題ありませんが、気になる場合は背景をわずかに彩度のある色に変えると見やすくなります。
プレビューの確認に時間をかけるのは面倒に感じるかもしれませんが、ここで手を抜かないことが出版全体の完成度を左右します。
私も最初の頃はプレビューをざっと見て終わらせていましたが、後から修正するよりもこの段階で丁寧に直す方が確実に早いです。
以上を踏まえて仕上げた表紙は、KDPの審査でも通りやすく、読者の目にも安心感のある印象を与えます。
電子書籍は表紙が第一印象のすべてと言っても過言ではありません。
その意味でも、プレビュー確認は「最後のチェック」ではなく「品質保証の最終ステップ」と考えるのが良いでしょう。
よくあるつまずきと解決策(電子書籍の表紙×Canva)
Canvaで表紙を作ると、最初にぶつかりやすいのが「サイズ」「解像度」「容量」、次に「文字の読みにくさ」です。
どれも原因がはっきりしているので、ポイントを押さえれば安定して通ります。
私も初期はここで何度か戻されましたが、手順化してからはスムーズです。
サイズ不一致・解像度不足・容量超過の対処(再書き出しと再圧縮のコツ)
まずサイズ不一致は、アートボードの縦横比が1.6:1からズレていることが原因です。
Canvaで「カスタムサイズ:2560×1600px」に固定し、要素をキャンバスからはみ出さないように置き直します。
これだけでプレビューの自動トリミングを避けられます。
解像度不足は、低品質で書き出したときに起きます。
「ダウンロード→JPEG→品質100%」で再書き出しして、文字や細線の輪郭を見直しましょう。
それでもボケるときは、元の写真素材が小さい可能性が高いです。
容量超過は、品質を100%にしても画像が粗いと回避できません。
この場合は「品質95%→90%」の順で段階的に下げる→外部の無劣化圧縮ツールで2〜5MBに調整が実務的です。
画質劣化が気になるときは、写真の粒状感を少し抑え、ベタ面やベクター要素に置き換えると容量が落ちます。
ファイル名は半角英数字にします。
日本語名や全角スペースは、まれにアップロードで不安定になることがあります。
再書き出しのたびに「bookcover_2560x1600_v2.jpg」などバージョン管理しておくと比較も容易です。
最後に、プレビューで上下に白帯が出るケースがあります。
ほとんどは比率の微ズレが原因なので、「2560×1600」から数十px単位で再調整して解消します。
端の写真が伸びて見える場合は、背景だけ拡大し、文字と主役要素の位置を固定して調整すると破綻しにくいです。
文字が読みにくい・主題が伝わらない時の改善(対比・行間・余白)
読みにくさの8割は「対比不足」と「余白不足」です。
背景と文字色の明暗差を強くし、文字の縁に0.5〜1pxのアウトラインか薄い影を入れると、小さくしても崩れにくくなります。
背景が写真なら、うっすら黒ベール(透明度20〜30%)を敷くと文字が浮きます。
タイトルは行数を欲張らず、2行以内が基本です。
単語の区切りで改行し、1行目をやや大きく、2行目を少し小さくすると視線誘導が自然です。
作者名やサブコピーは「小さくても読める」サイズにし、情報の優先度を明確にします。
余白は「怖くても空ける」がコツです。
上下左右に安全域を取り、要素と要素の距離に規則性を持たせるとプロっぽく見えます。
詰め込みすぎると、どれだけ高解像度でも読めません。
レイアウトが散らかるときは、見えない縦線・横線を1〜2本決めて、文字や図形の端を合わせます。
Canvaの位置合わせガイドを活用し、中央揃えに頼りすぎないのがコツです。
主役要素を1つに絞り、他は脇役に徹させるとテーマが伝わります。
仕上げは「サムネ確認」です。
Canva内で縮小し、スマホの実寸イメージで読めるかをチェックします。
読めなければ、文字を大きくするか字数を削るのが最短の解決策です。
「公式ではここまで指定がない」点もありますが、実務では“サムネで読める”を第一基準にする方がクリック率に直結します。
細部の整えよりも、伝わる設計を優先すると迷いが減り、審査後の差し戻しも少なくなります。
(補足)ペーパーバックの表紙をCanvaで作る場合のポイント
電子書籍と違い、ペーパーバックの表紙には「印刷」という要素が加わります。
見た目は同じでも、印刷機の裁断や塗り足しの設定を間違えると、端が切れたり背表紙がズレたりします。
私も初めてペーパーバックを出したとき、プレビューでは完璧だったのに、届いた本の背文字が1mm右に寄っていて驚きました。
ここでは、印刷仕様でつまずかないための基本ポイントを解説します。
塗り足し(上下左右3.2mm)とガイドの扱い/罫線のはみ出し防止
KDPでは、仕上がりサイズの外側に上下左右3.2mmの「塗り足し(bleed)」が必要です。
これは、印刷後に裁断する際のズレを吸収するための余白です。
塗り足しを設定しないと、裁断時に白い線が出てしまうことがあります。
Canvaで作る場合、最初に「カスタムサイズ」で完成サイズ+6.4mm(左右)+6.4mm(上下)を足して設定します。
たとえばA5サイズ(148×210mm)の場合、カンバスは約154.4×216.4mmに設定します。
これで上下左右に塗り足しが確保できます。
背景写真やカラーは、この塗り足し部分までしっかり広げましょう。
ただし、文字やロゴなど大事な要素は安全領域(裁ち落とされない範囲)に収めます。
端ぎりぎりに配置すると、印刷時に欠けてしまう恐れがあります。
目安として、重要な要素は端から少なくとも5mm以上内側に置くと安全です。
また、Canvaのガイド線を利用して安全領域を目視で管理するのがおすすめです。
見えない線を1本入れておくだけでも、バランス感が整い、誤裁断を防ぎやすくなります。
罫線をデザインに使う場合は、線が端まで届いていると印刷ズレが目立つため、端から数mm手前で止めるのがコツです。
背表紙の条件と計算ツール活用(ページ数依存/テンプレの使い方)
背表紙を入れられるかどうかは、ページ数で決まります。
KDPでは80ページ以上から背表紙の文字を配置可能です。
それ未満の本で文字を入れようとすると、テンプレート上で「非対応」とされます。
背幅(背表紙の厚み)はページ数と用紙タイプによって変わります。
KDP公式の「カバー計算ツール(Cover Calculator)」を使えば、自動で計算してテンプレートを生成できます。
このテンプレートをCanvaにアップロードして半透明で重ねると、ガイド代わりに使えます。
実務上の注意点として、背表紙の文字はやや太めのフォントを選びましょう。
細いフォントだと印刷のズレで読みづらくなります。
また、文字は中央揃えが基本ですが、テンプレートの背ガイドに沿って数ピクセル単位で微調整することもあります。
公式では「中央配置」と書かれていますが、実際には1mmほど左右にズレることもあるため、印刷プレビューで確認してください。
提出形式:裏表紙・背表紙・表表紙を統合した一枚PDFの作り方(公式ヘルプ要確認)
ペーパーバックでは、表・背・裏の3面を1枚のPDFファイルにまとめて提出する必要があります。
これを「フルカバーPDF」と呼びます。
KDPの管理画面では「表紙をアップロード」項目でこのPDFを選びます。
Canvaで作る際は、まずテンプレートをもとに1枚キャンバス上で3面を並べてデザインします。
中央に背表紙、その左に裏表紙、右に表表紙を配置します。
背幅の中心線がずれていないか、テンプレートのガイドを目安に調整しましょう。
書き出すときは、「PDF(印刷用)」を選びます。
RGBではなくCMYKカラーモードが望ましいですが、CanvaはRGB固定のため、実際の印刷では若干トーンが沈むことがあります。
そのため、画面上では少し明るめの色味を意識すると、印刷後に自然に見えます。
ファイルサイズは最大650MBまで対応していますが、300dpi・高品質設定で作れば通常20〜30MB程度に収まります。
アップロード前にKDPプレビューで確認し、塗り足し・背表紙・文字切れがないかをチェックしてください。
ペーパーバックは電子書籍よりも手間がかかりますが、テンプレートとガイドを活用すれば再現性は高くなります。
特に初めての方は、KDP公式のテンプレート+Canvaでの調整という二段構えを意識すると、失敗を防ぎやすいです。
慣れれば、電子と紙の両方を一貫したデザインで揃えることも十分可能です。
チェックリストと簡易テンプレ(電子主体、紙は最小限)
表紙づくりが一通り終わっても、「これで本当に大丈夫かな?」と不安に感じる人は多いです。
そんなときは、最終確認のチェックリストを使うと迷わず仕上げられます。
私も最初の頃は何度も修正を繰り返していましたが、チェック項目を4段階に整理したことで再提出が一気に減りました。
電子書籍を中心に、必要に応じてペーパーバックのポイントも補足します。
電子用チェックリスト:サイズ→可読性→書き出し→プレビューの4段階
電子書籍の表紙確認は「サイズ」「可読性」「書き出し」「プレビュー」の順に行うのが効率的です。
まずサイズ。
アートボードがKDP推奨比率(1.6:1)になっているかを確認します。
Canvaのデザイン情報から「2560×1600px」など、正確なピクセル値を再チェックしてください。
次に可読性。
タイトルと背景のコントラストが弱いと、スマホ表示で文字が溶け込んでしまいます。
遠目から見ても主題が伝わるか、Canvaのズーム機能を使って50%〜25%表示で確認しましょう。
スマホのサムネサイズに合わせて、「一瞬で読めるか」を基準に判断すると精度が上がります。
書き出し設定も重要です。
形式はJPEG、高品質(100%)、RGBカラー。
ファイル名は英数字でシンプルに。
品質を下げすぎると、KDPの自動圧縮と合わせて劣化が目立つため注意してください。
最後にプレビュー。
KDPのプレビュー画面で上下左右に白い帯や切れがないかを確認します。
文字や主要な図形が端ギリギリにないかもチェックポイントです。
端末によって見え方が微妙に違うため、「Kindle端末」「スマホ」「PC」など複数環境で見ておくと安心です。
この4段階を守るだけで、初回提出で通る確率がぐっと上がります。
私の経験でも、チェックを省略した回ほどリジェクト率が高くなっていました。
最後の見直しが最短の近道です。
ペーパーバック用ミニチェック:塗り足し→背幅→テンプレ反映(必要時のみ)
ペーパーバックは電子よりも確認項目が少し多いですが、基本を押さえれば難しくありません。
塗り足し設定(上下左右3.2mm)があるかどうかをまず確認します。
これを忘れると印刷後に白い縁が出てしまうので注意してください。
次に背幅。
KDPの「カバー計算ツール」でページ数を入力し、正確な背表紙の厚みを確認します。
ページ数が変わると背幅も変わるため、最終原稿が確定してから表紙を作るのがポイントです。
最後にテンプレート反映。
公式ツールで出力したテンプレート(ガイド線入りPDF)をCanvaに重ねて配置を調整します。
背表紙の文字がずれていないか、ガイドに沿って中央に収まっているかをチェック。
KDPプレビューで「背文字がずれて見える」場合は、数ピクセル単位の微調整で解決することが多いです。
ここまで確認しておけば、ペーパーバック表紙での大きなミスはまずありません。
電子と紙を同時に出す場合は、色味が若干異なることを考慮し、紙用をやや明るめに仕上げるのもおすすめです。
まとめ:Canvaは電子「表紙特化」で使い、KDP仕様を最後に再確認
Canvaは、デザイン初心者でもプロ品質の表紙を作れる優秀なツールです。
ただし、本文ではなく表紙に特化して使うのがKindle出版では最も安全な方法です。
本文の整形や入稿形式はWordやKindle Createを使い、Canvaはビジュアル面の仕上げに集中させましょう。
KDPの仕様は時期によって微妙に変わるため、最終入稿前には必ず公式ヘルプを確認してください。
特に画像サイズ、解像度、AI素材の扱いなどはアップデートが多く、古い情報を参考にするとトラブルの原因になります。
私自身、最初の出版時に古い記事を見て入稿し、色味が大きくずれた経験があります。
公式情報と実務の差を埋めるには、Canva側でも「高品質設定」を使い、KDP側のプレビューで細かく確認するのが一番確実です。
最後にもう一度まとめると、
1️⃣ 表紙はCanvaで作成(推奨比率・高品質)
2️⃣ 本文はWordなどで整形
3️⃣ KDPヘルプで最終確認
この3ステップを守れば、初めてでも安心してKindle出版を完了できます。
Canvaは「表紙制作の最短ルート」として使うのが最も効果的です。
AI×外注で出版したい方向けに、限定動画や実践マニュアルも公開しています。

