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のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。

Kindle本を複数出版していると、既刊をまとめて1つの商品として販売できるのか気になることがあります。

KDPでは、2冊以上の作品を1つにまとめたKindle電子書籍として、合本版・ボックスセットを出版できます。

ただし、既刊の原稿をつなげるだけでは完成しません。収録作品と並び順を決めて原稿と目次をまとめ、タイトル・商品説明・表紙でも複数冊の商品だと分かる状態にします。

この記事では、合本版の作り方を手順ごとに整理し、既刊の再収録や権利など規約面の注意点までまとめます。

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Kindle本の合本版・ボックスセットとは2冊以上を1冊にまとめた電子書籍

合本版・ボックスセットは、2冊以上のタイトルを1つの商品としてまとめたKindle電子書籍です。

同じシリーズの複数巻に限らず、同じ著者や同じジャンルの作品をまとめる形式もKDP公式で案内されています。

作成の流れは次のとおりです。

手順 行うこと
1. 収録作品を決める 2冊以上の作品と収録順を決める
2. 原稿をまとめる 各作品を1つの電子書籍原稿にまとめる
3. 目次を作る 全作品へ移動できるリンク付き目次を冒頭に置く
4. 商品情報を作る タイトル・商品説明・表紙で複数冊の商品だと示す
5. KDPへ登録する 新しいKindle電子書籍として出版設定を行う
6. 最終確認する 収録内容・目次・権利を照合してから提出する

詳しい要件は、KDP公式のボックス版およびセット品版ガイドラインで確認できます。

既刊へ追加するのではなく新しい商品として出版する

合本版は、既存の1冊へ別作品を追加して同じ商品を差し替える方法ではありません。

収録する作品をまとめた合本用の電子書籍を、新しい商品として作成します。

シリーズの第1巻から第3巻を合本にする場合も、各巻の販売はそのまま続けたうえで、3作品を収録した別の電子書籍を用意する形です。

そのため、原稿だけでなく、タイトル・商品説明・表紙といった商品情報も合本版専用に準備します。

シリーズのまとめ買いとは仕組みが異なる

混同しやすいのが、Amazonのシリーズページから複数巻を購入する仕組みです。読者が複数作品を入手できる点は似ていますが、商品の構造が違います。

比較 合本版・ボックスセット シリーズのまとめ買い
商品 複数作品を収録した1つの電子書籍 個別の電子書籍を複数購入
原稿 収録作品を1つの原稿にまとめる 各巻の原稿は別々
販売単位 合本版という1商品 シリーズ内の各商品
表紙・商品説明 合本版専用に設定 各巻ごとに設定

シリーズにまとめることと、複数作品を1冊へまとめることは別だと考えると整理しやすくなります。

シリーズページ側の設定手順は、KDPのシリーズ設定とシリーズページの作り方で確認してください。

ペーパーバックのボックスセットは作成できない

KDP公式で案内されているボックス版・セット品版は、Kindle電子書籍が対象です。

ペーパーバックを複数冊まとめ、箱入りの1商品として販売する機能はありません。

Kindle版3冊を1冊にまとめることと、紙の本3冊をセット商品として売ることは別だと考えてください。

合本版・ボックスセットの作り方は4ステップ

作成時は、収録作品と並び順を確定させてから原稿と目次をまとめると手戻りが減ります。

1. 収録する2冊以上の作品と並び順を決める

KDPのボックス版は、2冊以上のタイトルを含む商品として案内されています。まず何を入れるかを決めます。

シリーズ作品なら、第1巻、第2巻、第3巻というように本来の順番で収録します。

同じシリーズで合本版を複数作る場合は、どの巻を収録した商品なのか読者が見分けられるようにしておきます。

収録するのが完全な作品なのか、改訂版なのか、抜粋なのかもこの段階で整理します。抜粋やプレビューだけをまとめるなら、通常の合本版と誤認されない表示が必要です。

2. 各作品の原稿を1つのファイルにまとめる

収録作品が決まったら、1冊の電子書籍として通して読める原稿にまとめます。

決めた順番どおりに各作品を並べ、1冊目が終わって2冊目が始まる位置を読者が把握できる構成にします。

作品の区切りに扉ページや作品タイトルの見出しを置くと、境目が分かりやすくなります。

3. 冒頭に全作品へ移動できるハイパーリンク付き目次を作る

KDPのボックス版では、収録する全タイトルを記載した目次を用意します。

  • 収録するすべての作品名を目次へ載せる
  • 目次は最初の収録作品より前へ置く
  • 各作品の冒頭へ移動できるリンクを設定する
  • シリーズ作品は本来の順番で並べる

合本版は1冊が長くなるため、目次から目的の作品へ直接移動できるかどうかで読みやすさが変わります。

章タイトルを並べるだけでなく、収録作品全体の案内として目次を組み立ててください。

4. Kindle Previewerで目次リンクと作品の開始位置を確認する

原稿がまとまったら、出版前に表示を確認します。KDP公式では、電子書籍の確認にKindle Previewerを使う方法が案内されています。

確認したいのは、目次リンクを押したときに正しい作品の冒頭へ移動するかという点です。

作品の境界やタイトル表示が崩れていないかも合わせて見ます。

先頭から順に読み進めるより、目次から各作品へ移動する形で確認すると、リンク切れや順番の入れ違いを見つけやすくなります。

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タイトル・商品説明・表紙で複数冊を収録した本だと明確に伝える

合本版では、商品ページを見た時点で複数冊の商品だと分かる状態にします。KDPの専用ガイドでも、タイトル・商品説明・表紙それぞれで明示するよう案内されています。

タイトルに合本・コレクション・収録冊数を入れる

タイトルは、単品本と見分けられる表現にします。

専用ガイドでは、「ボックス版」「コレクション」「セット品」など、複数冊を含む商品だと伝わる語が案内されています。

シリーズを一定範囲でまとめるなら、収録冊数や巻数範囲を添える方法もあります。同じシリーズで合本版を複数出す場合は、収録範囲がタイトルから区別できるようにしておきます。

表現の指定は改定される場合があるため、登録前に専用ガイドと実際の登録画面の表示を見て設定してください。

商品説明の冒頭で合本版だと示し、収録全タイトルを記載する

商品説明では、読者が単品本だと誤解しないようにします。

専用ガイドでは、最初の段落で複数冊を含むボックス版・セット品版だと明示するよう案内されています。

さらに、収録するすべてのタイトルを個別に書きます。「シリーズ3冊を収録」で終わらせず、何が入っているのかを一覧で確認できる状態にします。

以前と異なるタイトルや著者名で出版した作品、改訂版・増補版・要約版を含む場合も、その違いが分かるように書きます。

すでに単品本を持っている読者が重複購入する可能性があるため、収録内容は隠さず正確に伝えることが必要です。

表紙でも複数冊の商品だと視覚的に分かるようにする

表紙も、単品本と合本版を区別する要素です。

KDP公式では、個別作品の表紙を並べる方法のほか、冊数などを示した統一デザインも例として挙げられています。

デザインの正解が決まっているわけではなく、複数冊をまとめた商品だと一目で理解できることが条件です。

表紙にタイトル、著者名、シリーズ情報を載せる場合は、KDPへ登録するメタデータと一致させます。

原稿だけ合本にして表紙を単品本とほぼ同じにすると、商品内容を判断しにくくなるため避けてください。

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合本版をKDPへ新しいKindle電子書籍として登録する

原稿・目次・表紙・商品説明が揃ったら、既刊とは別の新しいKindle電子書籍として登録します。

合本用の原稿・表紙・商品情報を登録する

登録画面では、収録作品をまとめた原稿と合本用の表紙を使います。

タイトルや商品説明に単品本の情報をそのまま流用せず、何冊をまとめた商品で、どの作品が収録されているのかが分かる内容にします。

複数著者の作品を含む場合も、誰の作品が入っているのか判断できる状態にします。

なお、収録していない作品名や著者名を、検索対策のためだけにキーワードへ入れることは認められていません。

価格は合本版の商品として設定する

合本版は既刊とは別商品なので、価格も合本版として設定します。収録した単品本の価格が自動的に合算される仕組みではありません。

価格帯の条件やロイヤリティ率の考え方は、Kindle本の価格設定とロイヤリティの考え方で確認してください。

電子書籍のISBNは必須ではなく、単品本のISBNは流用しない

KDPからKindle電子書籍を出版する場合、ISBNは必須ではありません。合本版を作るためにISBNを用意する必要はありません。

ISBNを使う場合は、収録した単品本のISBNをそのまま合本版へ流用しない考え方が専用ガイドで示されています。

単品本と合本版は別の商品なので、同じ識別情報を使い回す前提にはしないでください。

既刊を合本へ再収録するときの規約上の注意点

すでに販売している作品を合本版へ収録すること自体は認められています。

ただし、既刊を収録できることと、同じコンテンツを無制限に使い回せることは別です。

既刊作品の収録は禁止されていない

単品で販売中の本を合本へ入れられないという制限はありません。ボックス版は、既存作品を複数まとめて提供する用途も想定されています。

第1巻から第3巻をそれぞれ販売しながら、3冊をまとめた合本版を並行して出す形も可能です。

その場合は、商品ページで既刊作品を収録していると読者が判断できる状態にします。単品本の購入者が、別内容の新刊だと誤解しないようにするためです。

同じコンテンツの過度な再利用は避ける

KDPでは、複数の本の間で同じコンテンツを過度に再利用することに制限があります。

特に、購入体験や読書体験を損なうほど同じ内容を繰り返し商品化することは避けてください。

何%まで重複してよいか、何冊まで作れるかといった数値基準は公式に示されていません。そのため、合本だから何冊作っても問題ないとは判断できません。

組み合わせとして意味のある合本になっているか、読者が商品内容を正しく理解できるかを基準に考えます。

収録するすべての作品の出版権利を確認する

合本へ入れる作品は、出版に必要な権利を持っているか確認します。

自分が書いた作品だけでも、画像や引用など第三者のコンテンツを含む場合は別の権利関係が生じます。

複数著者の作品をまとめるときも、合本版として出版できる権利があるかを確認してから登録してください。

著作権や引用の基本ルールは、KDPの著作権と引用ルールで確認できます。

KDPセレクトを使う場合はデジタル版の独占条件を確認する

合本版をKDPセレクトへ登録する場合も、通常のKindle本と同じ条件が適用されます。

登録には主要コンテンツの出版権が必要で、登録期間中はデジタル版に独占条件があります。

他の場所でもデジタル版を配信している作品を合本へ含めるときは、登録前に条件を確かめてください。

出版前に確認したい合本版のチェックリスト

提出前は、項目ごとの確認に加えて商品ページと実際の収録内容が一致しているかを照合します。

確認項目 確認する内容
収録作品 予定した全作品が正しい順番で入っているか
目次 全作品名があり、各作品の冒頭へ移動できるか
タイトル 複数冊の商品だと判断できるか
商品説明 合本版であることと全収録タイトルが分かるか
表紙 複数冊を収録した商品だと視覚的に分かるか
権利 収録する全作品を合本として出版できるか
ISBN 単品本のISBNを流用していないか

特に食い違いが出やすいのは、商品説明に書いたタイトルと、原稿・目次に入っている作品です。改訂版や抜粋を含む場合は、その違いが商品説明から読み取れるかも見ておきます。

商品説明を開かなくても合本版だと判断できるかどうかも確認したい点です。タイトル・表紙・商品説明の3つが同じ内容を示していれば、読者に収録内容が伝わりやすくなります。

ガイドラインの表現や登録画面の項目は変更されることがあります。最新の専用ガイドと実際のKDP画面を見ながら、原稿・目次・商品情報が揃った状態で提出してください。

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【著者:石黒秀樹】

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