Kindle本をスクリーンリーダー対応にする方法を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle本をスクリーンリーダー対応にするには、画像にaltテキストを付けるだけでは足りません。
音声読み上げや点字ディスプレイで内容を伝えるには、フォーマットの選択、本文の構造、画像などの非テキスト情報、出版前の検証を順番に整える必要があります。
この記事では、原稿づくりからKDPでの回答までを、確認すべき順番に沿って解説します。
| 手順 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1.フォーマット | 本文がテキストとして残るリフロー型かどうか |
| 2.本文構造 | 見出し階層、論理目次、読み順、本の言語情報 |
| 3.要素の作り方 | リスト、表、リンクが意味の分かる形になっているか |
| 4.画像 | 意味のある画像の説明と、装飾画像の扱い |
| 5.検証と回答 | アクセシビリティの検証と、KDPでの申告内容 |
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Kindle本をスクリーンリーダー対応にするなら最初にリフロー型か確認する
目次
スクリーンリーダー対応で最初に決まるのは、原稿の書き方ではなくフォーマットです。
本文がテキストデータとして保持されているかどうかで、読み上げや点字表示ができる範囲が変わります。
| 形式 | 本文の扱い | 音声・点字での読書 |
|---|---|---|
| リフロー型 | 本文がテキストとして保持される | 対応しやすい |
| 固定レイアウト(画像主体) | 本文が画像として配置される | 対応していない |
| プリント・レプリカ | 紙面のレイアウトをそのまま再現する | 対応していない |
リフロー型なら多くの本文テキストを支援技術で利用できる
リフロー型は、画面サイズや文字サイズの設定に合わせて本文が流し込まれる形式です。
本文がテキストとして保持されるため、読み上げ、点字ディスプレイ、文字サイズの変更といった機能を利用しやすいという特徴があります。
文章が中心の本であれば、リフロー型を基本に考えてください。
画像主体の固定レイアウトとプリント・レプリカは音声・点字読書に対応していない
固定レイアウトは、レイアウトを崩さずに表示する形式で、写真集や絵本などで使われます。
ただし、本文を画像として配置している場合、読み上げる対象のテキストがそもそも存在しません。
紙面をそのまま再現するプリント・レプリカも、音声読み上げや点字での読書には対応していません。
内容の性質上どうしても固定レイアウトが必要な場合は、読者に伝わるべき情報をテキストとして残せる部分がないか検討します。
各形式の違いや対応ファイル形式は、Kindle出版の形式とは?リフロー型・固定レイアウト・対応ファイル形式を徹底解説で確認できます。
altテキストだけ追加してもスクリーンリーダー対応は完成しない
altテキストは、画像の内容を文字で説明するための情報です。
そのため、altテキストを追加しても、本文側の構造は変わりません。
見出しが設定されていなければ章単位の移動ができず、目次がなければ目的の位置へ飛べません。
リストや表が記号の羅列になっていれば、項目の関係も伝わらないままです。
画像の説明は、本文の構造を整えたうえで行う工程と考えてください。
見出し・目次・読み順を整えて本文の構造をスクリーンリーダーへ伝える
本文がテキストであっても、構造が設定されていなければ必要な箇所へ移動できません。
スクリーンリーダーは、見出しや目次を手がかりに本文を移動します。
見た目を整えるのではなく、設定として構造を持たせることが対応の中心です。
章・節は文字サイズではなく見出し階層で設定する
Wordで原稿を作る場合は、章や節に「見出し1」「見出し2」などの見出しスタイルを適用します。
文字を大きくして太字にしただけの行は、見た目が見出しでも、データとしては通常の段落のままです。
設定するときは、次の点を確認してください。
- 章タイトルと節タイトルで、使う見出しレベルをそろえる
- 見出し1の次に見出し3を使うなど、階層を飛ばさない
- 見出しスタイルを、装飾目的で本文の一部に使わない
階層が正しく設定されていれば、読者は章単位で内容を把握しながら移動できます。
論理目次を作って章やセクションへ移動できるようにする
論理目次は、端末やアプリのメニューから各章へ移動するための目次データです。
本文中に目次ページを置いただけでは、移動用の目次として機能しない場合があります。
章の数が多い本ほど、目次から直接移動できるかどうかで読みやすさが変わります。
作り方と確認手順は、Kindle出版の目次とは?論理目次の作り方と確認方法を徹底解説で確認できます。
本文は意味のある読み順にし、本の言語情報も一致させる
スクリーンリーダーは、データ上の順番どおりに内容を読み上げます。
そのため、見た目の配置と実際の順序がずれていると、内容が前後して伝わります。
特に、テキストボックスや画像の回り込みを使った箇所は注意してください。
図や表のキャプションは、関連する本文の近くに配置しておくと読み順が乱れにくくなります。
あわせて、本の言語情報を原稿の言語と一致させるようにします。
言語の情報が実際の内容と合っていないと、読み上げの発音が原稿の言語に合わないことがあります。
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リスト・表・リンクは見た目ではなく意味が伝わる構造で作る
箇条書きや表は、視覚的に見れば関係が分かる要素です。
しかし、記号や配置で見た目だけを整えている場合、その関係は音声では伝わりません。
要素の意味がデータとして残る形で作成してください。
箇条書きや手順は記号を並べずリストとして設定する
行頭に「・」や「-」を手入力しただけの箇条書きは、単なる文字列として扱われます。
Wordであれば箇条書きや段落番号の機能を使い、EPUBを直接編集する場合はリストのタグで作成します。
順番に意味がある手順は番号付きリスト、順不同の項目は箇条書きと使い分けます。
リストとして設定されていれば、項目数やまとまりが読者へ伝わります。
表は画像化せず行・列の関係が分かる形で作る
表をスクリーンショットなどの画像として貼り付けると、セルの内容は読み上げられません。
表は表の機能を使って作成し、見出し行を設定してください。
また、次のような構造は、行と列の対応が伝わりにくくなります。
- セルを複雑に結合している
- 表の中に別の表を入れている
- 1つの表に複数の内容をまとめている
内容が多い場合は、表を分けるか、要点を本文でも説明しておくと理解しやすくなります。
リンクは移動先の意味が分かるテキストにする
「こちら」「詳細はこちら」だけのリンクは、リンク部分だけを読み上げても移動先が分かりません。
リンクのテキストには、移動先の内容が分かる言葉を入れてください。
URLをそのまま貼ると、長い文字列がそのまま読み上げられる場合があります。
同じページへのリンクが複数ある場合も、表記をそろえておくと混乱を避けられます。
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画像や図はテキストでも内容を理解できる状態にする
スクリーンリーダー対応では、画像を見なくても重要な情報を理解できる状態にしておきます。
意味のある画像には説明を用意し、文字情報を画像だけで伝える構成は避けます。
一方で、装飾のための画像まで同じように説明する必要はありません。
意味のある画像にはaltテキストまたは本文で説明を付ける
写真、図、グラフなどに意味がある場合は、画像を見なくても内容が分かる説明を用意します。
方法は、画像へaltテキストを設定するか、必要な情報を周囲の本文で説明するかのいずれかです。
KDPの日本語公式ページでは、altテキストは140文字以内と案内されています。
説明を書くときは、写っているものを機械的に並べるのではなく、その画像が本文で何を伝えているのかを基準にします。
特に図やグラフでは、読者が読み取るべき結論をテキストでも把握できる状態にしてください。
具体的な書き方や画像への設定方法は、Kindle出版のaltテキスト(代替テキスト)の設定方法で確認できます。
装飾画像は読み上げ対象から外し、文字だけの画像は避ける
本文の理解に必要のない装飾画像は、スクリーンリーダーの読み上げ対象から外します。
意味のない画像まで説明されると、必要な情報へたどり着くまでに時間がかかるためです。
反対に、読者へ伝えるべき文字を画像だけに入れる方法は避けてください。
画面上では文字に見えても、画像内の文字は本文テキストとして扱われません。
文章として掲載できる情報は、実際のテキストとして収録します。
画像が必要な場面でも、重要な内容は本文か画像の説明から理解できるようにしておきましょう。
出版前にアクセシビリティを検証してからKDPへ登録する
原稿を整えたら、そのまま出版せずにアクセシビリティ上の問題がないか検証します。
KDPでは、原稿形式に応じた確認方法も案内されています。
検証を終えたあとで、本の実際の状態に合わせてKDPのアクセシビリティ情報へ回答します。
「検証」と「KDPへの申告」は別の工程として考えると整理しやすくなります。
Wordはアクセシビリティチェッカー、EPUBはAce by DAISYで確認する
Wordで原稿を作成している場合は、Microsoft Wordのアクセシビリティチェッカーを利用できます。
EPUBの場合は、KDPが案内しているAce by DAISYで確認します。
ツールの結果に加えて、次の項目が意図した構造になっているかも見直してください。
- 見出しの階層
- 論理目次からの移動
- 本文の読み順
- リストと表の設定
- リンクのテキスト
- 画像の説明
ツールでの検証と原稿全体の確認は、どちらか一方だけでは不足します。
自動チェックでエラーがなくても完全対応とは判断しない
チェックで問題が表示されなかったとしても、完全にアクセシブルだと保証されるわけではありません。
自動検査だけでは確認できない項目があるためです。
たとえば、見出しや読み順が内容として自然か、画像の説明が本当に情報を伝えているかは、機械的な判定では判断しきれません。
また、すべての端末やアプリ、スクリーンリーダーで同じ動作になると一律に断定することもできません。
自動検査は完成を保証するものではなく、問題を見つけるための工程として利用しましょう。
KDPのアクセシビリティ情報は本を対応させる設定ではない
原稿の確認後は、KDPで本のアクセシビリティ情報へ回答します。
ここで注意したいのは、回答するだけで本がスクリーンリーダー対応へ変換されるわけではないという点です。
この項目は、出版する本が実際にどの機能へ対応しているかを伝えるためのものです。
回答した内容は、Amazonの商品詳細ページで本のアクセシビリティ情報として使われます。
そのため、先に原稿を整え、そのうえで実際の本の状態と一致する内容を回答します。
登録項目や設定方法は、KDPのアクセシビリティ情報の登録項目と設定方法で確認できます。
スクリーンリーダー対応は形式・構造・画像・検証の順に確認する
Kindle本のスクリーンリーダー対応は、altテキストだけで完了するものではありません。
本文が中心の本ではリフロー型を選び、見出し、目次、読み順、リスト、表、リンクが意味の伝わる構造になっているか確認します。
画像は必要な情報をテキストからも理解できるようにし、最後に原稿形式へ合った方法で検証してからKDPへ回答してください。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
受講生の累計出版数10,000冊以上。(2026年時点)
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📘最後までお読みいただき
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