Kindle出版の文字化けとは?原因とWord・EPUBでの直し方
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
KDPへ原稿をアップロードしたあと、文字が□に変わる、記号が別の文字に置き換わるといった表示崩れが起きることがあります。
このときにフォントや文字コードから変更すると、原因が分からないまま修正だけが増えてしまいます。まず元原稿の時点で崩れているのか、Kindleへ変換したあとに崩れるのかを切り分けてください。
症状と発生段階が分かれば、WordでもEPUBでも直すべき場所を絞り込めます。ここでは文字化けの症状と原因、形式別の直し方、修正後の確認手順までを順番に整理します。
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Kindle出版の文字化けとは原稿の文字が正しく表示されない状態
目次
Kindle出版でいう文字化けは、原稿に入力した文字が、Kindleでの表示時に別の文字や記号へ置き換わる状態を指します。
原稿そのものが壊れている場合もあれば、Kindle用に変換した段階で初めて表示が崩れる場合もあります。
□・?・別の文字への置き換わりが代表的な症状
文字化けの見え方は一つではありません。まず、自分の原稿がどの症状に当てはまるかを確認してください。
- 文字が□(白い四角)として表示される
- 四角で囲まれた疑問符など、判読できない記号が表示される
- 入力した文字とは別の文字へ置き換わっている
- 特定の1文字や記号だけが崩れる
- 段落やページ単位で広い範囲が崩れる
KDP公式では、Kindle Previewerで判読不能な文字や四角で囲まれた疑問符が表示される場合があるとされ、この症状ではKindleでサポートされていない文字やアクセント記号が含まれている可能性が示されています。
一方で、元とは別の文字へ置き換わっている場合は、元データや変換の過程まで含めて確認する必要があります。
文字化けの主な原因は未対応文字・貼り付け・書式・文字コード
文字化けの原因は一つではなく、次のような要素が絡みます。
- Kindleでサポートされていない文字や特殊記号を使っている
- ほかの文書やWebページからコピー&ペーストしている
- 複数の形式へ何度も変換した原稿を使っている
- DOC・DOCXに複雑な書式設定が含まれている
- EPUB内部のXHTML・HTMLで、文字エンコードの指定と実データが合っていない
「文字化けだから文字コードが原因」と決めつけると、Word原稿なのにEPUB向けの対処を試すといった遠回りになります。
文字化けを含む表示品質についての考え方は、KDP公式のKindleコンテンツの品質ガイドでも確認できます。
文字化けは元原稿とKindle変換後のどちらで起きているか切り分ける
修正に入る前に、元原稿とKindle変換後のどちらで問題が発生しているかを確認します。
ここを先に切り分けると、症状と発生段階の2つから原因を絞り込めます。
| 確認した状態 | 最初に確認する場所 |
|---|---|
| 元原稿でも文字が崩れている | 元の文字・コピー元・編集内容 |
| 元原稿は正常で変換後だけ崩れる | 使用文字・書式・変換後の状態 |
| 特定の文字だけ□や?になる | 未対応文字・特殊記号 |
| EPUBで広く文字が崩れる | XHTML・HTMLと文字エンコード |
元原稿の時点で文字が崩れていないか確認する
最初に、KDPへアップロードする前のWordまたはEPUBで、問題の文字を開いて確認してください。
元原稿の時点ですでに文字が違っていれば、Kindleへの変換より前の段階に原因があります。
KDP公式では、文字の誤りにつながる要因として、コピー&ペーストやソースファイルの度重なる変換などが挙げられています。
別のWebページやPDF、古い原稿から文章を移した部分があれば、そこを重点的に見ます。見た目が似ている文字でも、内部では意図しない文字になっていることがあります。
問題箇所だけでなく、同じ方法で貼り付けた範囲や同じ記号を使った場所もあわせて確認してください。
Kindle Previewerで変換後の表示と比較する
元のWordやEPUBでは正常なのに、Kindleへ変換すると崩れる場合は、変換時の問題を疑います。
KDPはDOC・DOCXの電子書籍原稿に対応していますが、複雑な書式では正しく変換されない場合があります。Word上できれいに見えることは、Kindleでも同じ表示になる保証にはなりません。
KDP公式でも、電子書籍の品質確認にはKindle Previewerの利用が推奨されています。実際の変換後の状態を表示し、元原稿と見比べてください。
その際、特定の文字だけに問題があるのか、同じ段落や書式を使った場所全体で起きているのかも記録しておくと、原因の範囲を判断しやすくなります。
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Word原稿の文字化けは特殊文字・貼り付け・書式の順に直す
Word原稿で文字化けが起きた場合は、文字そのもの、貼り付け元、書式の順に確認します。
KDPはDOC・DOCXに対応しているため、最初から文字コードをUTF-8へ変更するという発想ではなく、Word内で問題を起こしている文字や書式を探す流れになります。
未対応の文字や特殊記号を通常の文字へ置き換える
特定の文字だけが□や?になる場合は、その文字や記号を個別に確認します。
Kindleで正常に扱えない文字が含まれているときは、意味を変えない範囲で一般的な文字へ置き換える方法があります。本文の内容に必須ではない装飾的な記号なら、通常の文字や記号で表現できないか検討してください。
同じ特殊文字を複数の場所で使っている場合は、原稿内を検索してまとめて確認すると見落としを減らせます。
なお、「この文字なら必ず文字化けする」という固定の完全一覧があるとは限りません。Kindle Previewerで問題が再現する文字を基準に判断するのが確実です。
コピー&ペーストした部分は文字と書式を整え直す
ほかの文書やWeb上の文章から貼り付けた部分で問題が起きている場合は、文字だけでなく書式も確認します。
貼り付けた範囲だけ文字化けしているなら、その部分を入力し直すか、不要な書式を取り除いて整え直す方法が有効です。
元の見た目をそのまま維持することより、Kindleへ変換したあとに正常に読めることを優先してください。
複数の形式へ何度も変換してきた原稿では、変換の過程で問題が入り込んでいることもあります。該当箇所を直したら、再度Kindleへ変換して同じ文字が正しく表示されるか確かめます。
複雑な書式を簡素化してWordファイルを作り直す
文字そのものに問題が見つからない場合は、文字化けしている部分の書式を確認します。
KDP公式では、複雑な書式設定を含むDOC・DOCXは正しく変換されない場合があると案内されています。複数種類の行頭記号や入れ子になった箇条書きなどが該当しやすい例です。
対処としては、問題がある範囲だけ書式を簡素化し、標準的な文字と段落へ戻してから再変換します。原稿全体のレイアウトを一から作り直す必要があるとは限りません。
文字化けが発生している範囲から順番に修正していくと、どの書式が原因だったかを切り分けながら進められます。
現在KDPが対応している電子書籍原稿の形式は、KDP公式の電子書籍原稿に対応しているファイル形式で確認できます。
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EPUBの文字化けは文字コードの宣言と実データを合わせて確認する
EPUBで文字化けする場合は、未対応文字に加えてEPUB内部のXHTML・HTMLと文字エンコードも確認対象になります。
Word原稿と違い、EPUBでは内部のテキストデータとエンコードの宣言を分けて見ていく点が特徴です。
文字エンコードの指定がUTF-8になっているか確認する
まず、EPUB内のXHTML・HTMLで、どの文字コードで記述されているかの指定を確認します。
KDP公式では、HTML内で文字エンコードを明示するよう案内され、UTF-8の使用例が示されています。確認するのは、XHTMLやHTMLにあるmetaタグやXML宣言などのエンコード指定です。
UTF-8を前提に作成している原稿なら、指定もその内容と合っているかを見てください。
一方で、Wordで作成したDOC・DOCXに同じ考え方を当てはめ、「UTF-8で保存すれば直る」と一律に判断しないようにします。文字コードの指定を直接確認するのは、主にEPUB内部のXHTML・HTMLなどです。
宣言と実際の文字データが一致しているか確認する
EPUBでは、宣言だけをUTF-8へ書き換えても解決するとは限りません。
重要なのは、エンコードの宣言と実際に保存されている文字データが一致していることです。宣言側だけを直しても、文字データ側に問題が残っていれば表示は崩れたままになります。
そのため、文字化けしているXHTMLやHTMLを開き、該当する文字が正しく保存されているかも確認してください。
複数のツールや形式を経由してEPUBを作成している場合は、元原稿からどの段階で問題が入り込んだかもたどると原因を絞り込めます。
未対応の文字や特殊記号が含まれていないか確認する
文字コードに問題がなくても、特定の文字だけ正しく表示されないことがあります。
その場合はWordと同様に、Kindleでサポートされていない文字や特殊記号が含まれていないかを確認します。
特定の1文字だけ□や?になるなら、EPUB全体の文字コードより、その文字自体を先に確認する方が原因を特定しやすくなります。
問題の文字を一般的な文字へ置き換え、EPUBを作り直してKindleでの表示を確かめてください。同じ文字を複数回使っている場合は、原稿全体を検索してまとめて修正します。
EPUBそのものの作成方法や構造については、Kindle出版のEPUB形式と作り方で詳しく確認できます。
フォントの埋め込みはすべての文字化けの対処にはならない
文字化けが起きるとフォントを埋め込めば解決すると考えがちですが、フォント埋め込みはすべての文字化けに共通する対処ではありません。
未対応文字や元データ、EPUBの文字コードに問題がある場合は、フォントを変更しても原因は残ります。
通常の本文はKindleの標準フォントで表示できるか確認する
一般的な本文で文字化けしている場合は、独自フォントの埋め込みを前提にしないようにします。
KDPでは電子書籍へのフォント埋め込みに対応していますが、内容の表現に必要でなければKindleのデフォルトフォントが推奨されています。
通常の日本語本文で特定の文字だけ□や?になる場合は、まず使用している文字そのもの、コピー&ペーストした範囲、変換時の書式、EPUBの文字データを先に切り分けてください。
「日本語フォントを埋め込んでいないから文字化けした」と一律に判断すると、本来の原因を見落とします。
特殊フォントを使った部分だけフォント設定を調べる
作品の表現上、特定の書体を使う必要がある場合は、フォント設定も確認対象になります。
KDPでは電子書籍へのOTF・TTFフォントの埋め込みに対応しているため、特殊フォントを使っている場合は、その範囲だけを切り分けて確認します。
ただし、文字化けを理由に本文全体へ特殊フォントを埋め込む必要があるわけではありません。標準フォントで正常に表示できるかを先に確かめ、特殊フォントを使った部分だけ問題が起きるときにフォント側を調べます。
特定の1文字が表示されない場合も、原因が必ずフォントにあるとは限らないため、文字の対応状況や元データも合わせて確認してください。
特殊フォントを使用するときの詳しい仕組みは、Kindle出版のフォント埋め込みと端末表示の仕組みで確認できます。
修正後はKindle Previewerで全文を再確認する
原因を修正したあとは、元原稿を見るだけで完了とせず、Kindleへ再変換した状態を確認します。
文字化けは変換後に発生する場合があるため、最終判断はKindleでの表示を基準にします。
| 確認する順番 | 行うこと |
|---|---|
| 1 | 修正した文字や記号を原稿全体で検索する |
| 2 | WordまたはEPUBを修正後の状態で作り直す |
| 3 | 原稿を再アップロードして変換する |
| 4 | Kindle Previewerなどで問題箇所を再確認する |
| 5 | 同じ種類の文字化けが残っていないか全文を確認する |
同じ文字や記号がほかのページにもないか検索する
1か所の文字化けを直したら、同じ文字や記号が本文のほかの場所にもないか検索します。
KDP公式でも、未対応文字が見つかった場合は、同じ問題がほかにもないか確認することが推奨されています。
とくにコピー&ペーストした記号や、同じ特殊文字を繰り返し使っている原稿では注意してください。目視で1か所だけ直して出版すると、別のページに同じ症状が残ることがあります。
原稿を再生成・再アップロードしてKindle表示を確認する
WordやEPUB側を修正したら、修正版の原稿を使って再度Kindle用に変換します。
WordやEPUB上で正常に見えることだけでは、文字化けが解決したとは判断できません。
修正した部分に加えて、前後の文章や同じ種類の文字を使っている場所も確認します。再変換後に正常になれば、修正した文字や書式が原因だったと判断しやすくなります。
反対に同じ症状が残る場合は、元原稿と変換後の切り分けまで戻って見直してください。
Kindle Previewerやオンラインプレビューアーの詳しい使い方は、Kindle出版のプレビュー確認とPreviewerの使い方で確認できます。
直らない場合は再現条件を整理してKDPサポートへ問い合わせる
順番に確認しても直らない場合は、KDPサポートへの問い合わせを検討します。
その際は「文字化けする」とだけ伝えるのではなく、どの原稿形式で、どの段階から、どの文字が崩れるのかを整理してください。
- 使用している原稿がWordかEPUBか
- 元原稿では正常に表示されているか
- Kindleへの変換後だけ発生するか
- 特定の文字だけか、広い範囲で発生するか
- 修正後も同じ症状が再現するか
再現条件を整理しておくと、元データ側の問題なのか、Kindle変換後に起きる問題なのかを伝えやすくなります。
文字化けは一つの原因だけで起きるとは限らないため、元原稿からKindleでの表示まで、順番に切り分けながら確認していきましょう。
【著者:石黒秀樹】
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