KDPの校正刷り(Proof Copy)とは?注文方法と確認ポイントを徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
ペーパーバックを出版する前に、実物の紙の本で仕上がりを確かめたいときに使えるのが、KDPの校正刷り(Proof Copy)です。
校正刷りは、原稿と表紙をアップロードして印刷プレビューアーで本を承認したあと、1回につき1〜5部まで注文できます。無料の見本ではなく、印刷コストに送料と税を加えた金額を自分で支払って取り寄せる本です。
届いた本では、裁断位置や余白、背表紙の見え方、文字や画像の印刷状態など、画面のプレビューだけでは判断しにくい部分を確認できます。
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KDPの校正刷りとは出版前に紙の本を確認するテストコピー
目次
校正刷りは、読者へ販売する前に、紙の本としての仕上がりを実物で確認するためのテストコピーです。
ペーパーバックは、印刷、裁断、製本を経て初めて分かる見え方があります。画面上のプレビューでは問題がなくても、実物では文字が端に寄って見えたり、画像がぼやけて感じられたりする場合があります。
販売用の商品として流通させる本ではないため、外観や扱いも通常の完成本とは異なります。
表紙に「Not for Resale」が入りISBNは印刷されない
校正刷りの表紙には、「Not for Resale(校正刷り:再販禁止)」の透かしが入ります。
また、校正刷りには一意のバーコードが印刷されますが、ISBNは印刷されません。
そのため、届いた本をそのまま商品として販売する用途には使えません。確認するときは、再販禁止の表示そのものではなく、タイトルの位置や印刷状態など、完成本にも共通する部分を見ます。
校正刷りを購入してもロイヤリティや販売実績にはならない
自分で注文した校正刷りは、読者による購入としては扱われません。
ロイヤリティは発生せず、KDPレポートにも表示されません。5部注文しても、5冊売れたという販売実績にはならないということです。
注文した内容や配送状況を確認したいときは、KDPレポートではなくAmazon側の注文履歴を開きます。
著者用コピーとの違いは利用する目的とタイミング
紙の本を著者自身が注文する仕組みとして、KDPには「著者用コピー」もあります。どちらも自分で紙の本を取り寄せる点は同じですが、使う目的とタイミングが異なります。
| 項目 | 校正刷り | 著者用コピー |
|---|---|---|
| 主な目的 | 出版前の仕上がり確認 | 販売開始後に完成本を取り寄せる |
| 利用するタイミング | 下書きで印刷プレビューを承認したあと | 販売開始後 |
| 表紙の表示 | 「Not for Resale」の透かしあり | 完成本として取り寄せる用途 |
| 配送条件 | Prime配送・無料配送の対象外 | Prime配送・無料配送の対象外 |
出版前に印刷状態を確かめたいなら校正刷り、販売が始まったあとに手元へ完成本を置きたいなら著者用コピー、と整理すると迷いにくくなります。
価格や注文冊数など著者用コピー側の条件は、KDPの著者用コピーの価格・注文冊数・イベント販売への使い方で確認できます。ペーパーバック出版そのものの流れは、KDPペーパーバックの出版方法・費用・電子書籍との違いにまとめています。
校正刷りの注文方法は印刷プレビュー承認後に本棚から依頼する
校正刷りの注文は、KDPの本棚から依頼を送り、そのあとAmazon側で購入を完了させる二段構えになっています。
手順の全体像は次のとおりです。
- ペーパーバックの原稿と表紙をKDPへアップロードします。
- 印刷プレビューアーで内容を確認し、本を承認します。
- KDPの本棚で対象の本の省略記号「…」を開きます。
- 「校正刷り依頼」を選び、1〜5部の範囲で部数を指定します。
- 配送先に対応するマーケットプレイスを選び、依頼を送信します。
- KDPから届く購入用メールのリンクから、Amazonで購入を完了します。
公式の手順は、Amazon KDP公式の校正刷り・著者用コピーの注文方法でも確認できます。
注文の前提は印刷プレビューアーで本を承認していること
下書きの状態で校正刷りを注文するには、印刷プレビューアーで本を承認しておく必要があります。
プレビューを飛ばして、いきなり紙の本を取り寄せる仕組みではありません。まず画面でページ配置や表紙を確認し、そのうえで実物を見るという順番です。
プレビュー上に警告が表示されている場合は、承認する前に内容を確認しておきましょう。警告の種類と対処は、KDPの印刷プレビューで警告が出る原因と対処法で確認できます。
日本ではAmazon.co.jpを選び購入用メールから注文する
日本の住所へ届けたい場合は、マーケットプレイスとしてAmazon.co.jpを選択します。なお、Amazon.co.jpで注文した校正刷りは、日本国外へは発送できません。
校正刷り依頼を送信した時点では、まだ購入は完了していません。依頼のあとにKDPから購入用リンクを含むメールが届き、そのリンクからAmazonへ進んでカートに入った校正刷りを購入します。
依頼後4時間以内にメールが届き受信後24時間以内に購入する
時間の条件は二段階に分かれており、混同しやすい部分です。
| 段階 | 公式の案内 |
|---|---|
| 校正刷り依頼後 | 4時間以内に購入用メールが届く |
| メール受信後 | 24時間以内に購入を完了する |
メールを受信してから24時間以内に購入しないと、校正刷りはカートから削除されます。「24時間以内にメールが届く」という意味ではないため、メールが届いたら早めに注文を確定しましょう。
レビュー中・出版準備中は校正刷りを注文できない
校正刷りは、いつでも同じように注文できるわけではありません。
本のステータスが「レビュー中」「出版準備中」の間は注文できません。下書きの場合は、印刷プレビューアーで本を承認したあとに注文できます。
また、公式の案内では、本が「販売中」になると改めて校正刷りを注文できるとされています。「出版前にしか使えない」と覚えるのではなく、その時点の本のステータスで注文可否を判断してください。
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校正刷りの料金は印刷コスト×部数に送料と税を加えて決まる
校正刷りは無料の献本ではなく、著者が代金を支払って取り寄せる本です。
基本となる金額は、選択したマーケットプレイスでの印刷コスト×注文部数で、ここに注文条件に応じた送料と税が加わります。一律の固定額ではないため、「校正刷りは○円」と決めつけずに、注文時の金額を確認しましょう。
本体価格は印刷コスト×注文部数で計算される
印刷コストは、判型や本文の印刷タイプ、ページ数などによって変わります。同じ1部でも、本の仕様が違えば金額はそろいません。
ページ数の多いカラー本と、薄いモノクロ本では、必要な費用の桁が変わることもあります。
印刷コストの計算方法と利益への影響は、KDPペーパーバックの印刷コストと利益シミュレーションで確認できます。
送料は決済画面で確認しPrimeや無料配送は適用されない
本体の印刷コストとは別に、送料がかかります。金額は注文数量や配送方法、発送先、本のサイズなどによって変わるため、実際の決済画面に表示される合計金額で確認してください。
古い解説記事に特定の送料が書かれていても、現在の注文にその金額が適用されるとは限りません。
さらに、校正刷りと著者用コピーはPrime配送や無料配送の対象外です。Amazon Primeを利用していても、送料が自動的に無料になるとは考えないようにしましょう。到着までの日数も一律ではないため、配達予定日は注文時の表示を確認します。
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届いた校正刷りで確認する項目
校正刷りが届いたら、誤字脱字を探すだけで終わらせず、紙の本になったからこそ分かる部分から確認します。
- 表表紙・裏表紙・背表紙の位置と裁断位置
- 裁ち落とし部分に出る意図しない白フチの有無
- 余白ととじしろ(ノド側)の読みやすさ
- ページ順、改ページ、白紙ページ
- 文字・画像・図表の印刷状態とカラーの出方
- 実際に本を開いたときの読みやすさ
表表紙・裏表紙・背表紙・裁断位置を確認する
まず本を閉じた状態で表紙全体を見ます。タイトルや重要な文字が裁断位置に寄りすぎていないかが最初の確認点です。
背表紙のある本では、背の文字やデザインが意図した位置に収まっているかを見ます。裏表紙も同様に、文字や画像が不自然に端へ寄っていないかを確認します。
裁ち落としを使っている場合は、表紙やページの端に意図しない白い部分が出ていないかも見ておきます。
余白・とじしろ・ページ順・白紙ページを確認する
本文では、文字がページの端や内側へ寄りすぎていないかを確認します。特に本を開いたときにノド側の文字が読みづらくなっていないかは、実物でしか判断できません。
最初のページから順にめくり、ページ順と改ページが意図どおりか、途中に不要な白紙ページが入っていないかも見ます。ただし、本の末尾に追加される空白ページは、印刷不良とは限りません。
余白ととじしろの具体的な設定値は、KDPペーパーバックのマージンととじしろの設定で確認できます。
文字・画像・図表・カラーの印刷状態を確認する
次に、本文中の文字と画像を見ます。細い文字がつぶれていないか、画像や図表の内容が読み取れるかが判断基準です。
写真やイラストを使っている本では、ぼやけや欠けがないかも確認します。
カラー印刷の場合、画面と紙では色の見え方が一致するとは限りません。完全な一致を求めるのではなく、明暗やコントラストが紙の本として問題なく見えるかで判断します。
実際に本を開いて読みやすさまで確認する
最後に、読者と同じように本を開いて読み進めてみます。文字サイズ、行間、余白、ページの切り替わりが自然かを見ます。
画面では気にならなかったレイアウトでも、紙になると窮屈に感じることがあります。印刷されているかどうかだけでなく、販売する本として読み通せる仕上がりかを判断してください。
問題が見つかったら原稿側の不備と印刷上の許容差を分けて判断する
校正刷りで気になる点が見つかっても、すべてが印刷側の不具合とは限りません。元データの問題なのか、印刷・製本上の許容範囲なのかを切り分けてから対処します。
原稿にもある誤字やぼやけはデータを修正する
誤字や画像のぼやけを見つけたら、まずKDPへアップロードした原稿と表紙のデータを開き、同じ問題がデータ側にもあるか確認します。
元の原稿にも同じ状態がある場合は、印刷不良ではなく原稿側の修正が必要です。文字の間違い、画像の解像度、ページ配置などを直してから、新しいファイルをアップロードします。
原因を特定しないまま同じデータで注文し直しても、届く本は同じ状態になります。
3.2mm未満の位置ズレなどはKDPの許容範囲に含まれる
紙の本は製造工程を通るため、印刷位置が完全に固定されるわけではありません。
KDPでは、表紙や背表紙などの3.2mm未満の位置の移動を印刷・製本上の許容差としています。ごくわずかなズレだけで印刷ミスと判断しないようにしましょう。本の末尾にある余分な空白ページも、同様に不具合として扱われないことがあります。
印刷上の問題かどうかを判断する際は、KDP公式の校正刷り・著者用コピーの印刷エラーに関する案内もあわせて確認してください。
修正後は再アップロードしてプレビューと実物を確認する
原稿や表紙を直したら、修正版をKDPへアップロードし、もう一度印刷プレビューアーで内容を確認します。
紙になった状態まで確かめたい場合は、そのときの本のステータスが注文可能であれば、改めて校正刷りを取り寄せます。
画面上で問題が消えたことと、実物として読みやすく仕上がっていることは別の確認です。修正箇所が大きいほど、実物での再確認が役立ちます。
【著者:石黒秀樹】
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