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KDPの標準カラー(スタンダードカラー)は、カラー本文のペーパーバックを比較的低い印刷コストで制作するための印刷方式です。

以前はAmazon.co.jpで選べませんでしたが、2026年4月21日から日本でも標準カラーが提供されています。

プレミアムカラーとの主な違いは、用紙の重さ、色の鮮明さ、対応するページ数と判型、そして印刷コストです。

文字や図表が中心でページ数が多い本なら標準カラー、写真やイラストの鮮明さが本の価値になる本ならプレミアムカラーが候補になります。

Amazon.co.jpの現在の条件をもとに、標準カラーの内容と両者の違い、選び方を整理します。

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KDPの標準カラーとは?コストを抑えてカラー本文を印刷する方式

標準カラーは、カラーの本文を必要とする本を、プレミアムカラーより低い印刷コストで制作するための選択肢です。

KDPは、より軽量な白い用紙と効率的なインクジェット印刷を使用する方式として案内しています。仕上がりはマットです。

カラー印刷の品質を単に落としたものではなく、必要な画質と印刷コストのバランスを取るための方式と考えると位置づけを理解しやすくなります。

そのため、カラーページを含む本すべてに標準カラーが向くわけではありません。判断の材料になるのは、後述するページ数、判型、画像の役割です。

インクタイプごとの現在の説明は、KDP公式のカラーインクのオプションで確認できます。

Amazon.co.jpでは2026年4月21日から選択できる

標準カラーについて検索すると、「Amazon.co.jpでは利用できない」という説明が見つかることがあります。

これは、日本で提供が始まる前の情報です。

2026年4月21日以降は、Amazon.co.jpでも標準カラーを選択できます。

現在のKDPの印刷コスト表にも、日本向けの標準カラーの条件が掲載されています。

ただし、KDP公式ヘルプの一部には、日本で標準カラーを利用できないという旧仕様の注記が残っています。

公式ページ同士で記述が食い違う場合は、提供開始の案内とAmazon.co.jp向けの印刷条件を基準に判断しましょう。ペーパーバックは印刷方式や料金が変更されることもあるため、古い解説だけを根拠にしないほうが安全です。

標準カラーとプレミアムカラーの違いを比較

両者は用紙だけでなく、発色、対応ページ数、選べる判型にも違いがあります。

比較項目 標準カラー プレミアムカラー
用紙の色
用紙重量 74〜90g/m² 88〜105g/m²
仕上がり・向いている本 マット仕上げ。文字や図表が中心の本など 鮮明さ・明瞭さを重視する写真やイラスト中心の本など
ページ数 72〜600ページ 多くの判型で24〜828ページ
A4判 利用不可 利用可能

用紙の重さが異なる

どちらも白い用紙を使いますが、設定されている重量の範囲が違います。

  • 標準カラーは74〜90g/m²です。
  • プレミアムカラーは88〜105g/m²です。

標準カラーのほうが、軽量な用紙を使用する仕組みです。

ただし、実際の用紙重量は印刷場所によって変わるため、完成した本が必ず特定の厚さの紙になるとは限りません。

紙の手触りや実物の見え方については、公開されている数値だけで判断しきれない部分もあります。

色の鮮明さと深みはプレミアムカラーが優れる

画像をより鮮明に、深みのある色で見せたい場合に適しているのはプレミアムカラーです。

KDPは、絵本・児童書・料理本・写真集などをプレミアムカラーに適した例として案内しています。

写真集なら写真そのものが内容の中心であり、料理本でも料理の色や質感が読者の印象を左右します。こうした本では、1ページあたりの料金差より画像品質を優先する考え方が向いています。

反対に、文章が中心で一部にグラフや図を配置する本では、発色の差が本全体の価値に直結しないこともあります。

その場合は、標準カラーのコスト面のメリットを活かしやすくなります。

対応するページ数と判型が異なる

標準カラーは、Amazon.co.jpでは原則として72〜600ページが対応範囲です。

プレミアムカラーは、多くの判型で24〜828ページに対応します。

ただし大判の一部では最大ページ数が異なるため、どの判型でも828ページまで使えるわけではありません。

また、A4判は標準カラーでは利用できません。A4でカラー本文を作るなら、プレミアムカラーを選ぶことになります。

判型ごとの一覧やサイズの選び方は、KDPペーパーバックの判型とおすすめサイズの選び方で詳しく確認できます。

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印刷コストの違いは1ページあたり0.50円

Amazon.co.jpでは、標準カラーのほうが1ページあたりの印刷コストが低く設定されています。

72〜600ページという共通の範囲では、1ページあたり0.50円の差です。ページ数が増えるほど、この差が1冊あたりの金額に反映されます。

標準判と大判の計算式

標準判の場合、標準カラーの印刷コストは206円+1ページあたり3.50円で、対象は72〜600ページです。

プレミアムカラーは、42〜828ページの範囲で206円+1ページあたり4円となります。

固定部分の206円は共通なので、差が出るのは1ページあたりの単価だけです。

なお、プレミアムカラーの24〜40ページは固定475円で、上記の計算式とは別扱いになります。

大判では、標準カラーが206円+1ページ4.50円、プレミアムカラーは42ページ以上で206円+1ページ5円です。

120ページで比較すると差は60円

標準判・120ページで計算すると、それぞれ次のようになります。

  • 標準カラー:206円+120ページ×3.50円=626円
  • プレミアムカラー:206円+120ページ×4円=686円

同じページ数なら、1冊あたりの差は60円です。

この60円を節約すべき金額と見るか、画像品質のために必要な差と見るかは、本の内容によって変わります。

文章が中心の本であれば、標準カラーを選ぶ十分な理由になります。写真やイラストが中心なら、60円の差のために画質を下げてよいかを検討しましょう。

公式サイトのドル料金と日本向け料金を混同しない

KDP公式のカラー比較ページにも120ページの印刷コスト例が掲載されていますが、その例はAmazon.comの米ドル料金です。

Amazon.co.jpで販売する本の印刷費を計算するときは、日本向けの料金表を使います。海外向けのドル料金を円換算して当てはめるものではありません。

日本向けの現在の料金は、KDP公式のペーパーバックの印刷コストで確認できます。

印刷コスト全体の計算方法や利益との関係は、KDPペーパーバックの印刷コストと利益シミュレーションで詳しく確認できます。

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標準カラーとプレミアムカラーの選び方

選ぶときは、ページ数と判型→画像の重要度→印刷コストの順に確認すると迷いにくくなります。

本の条件 選択の目安 理由
72ページ未満 プレミアムカラー 標準カラーの対象外
A4判でカラー印刷 プレミアムカラー 標準カラーではA4を選べない
72ページ以上で文字・図表中心 標準カラー 印刷コストを抑えやすい
72ページ以上で写真・イラスト重視 プレミアムカラー 鮮明さ・明瞭さを優先できる

72ページ未満とA4判はプレミアムカラーだけ

標準カラーは72ページ以上が条件のため、それより少ないページ数では選べません。

プレミアムカラーは多くの判型で24ページから利用できるので、ページ数が少ないカラー本はプレミアムカラーが前提になります。

A4判を使いたい場合も同様で、選択肢はプレミアムカラーのみです。

まずページ数と判型で標準カラーを使えるかを確認し、その後に品質とコストを比べると判断が進みます。

文字・図表が中心でページ数が多いなら標準カラー

72ページ以上あり、本文が文字や図表を中心に構成されているなら、標準カラーが有力な選択肢です。

KDPも、標準カラーをページ数が多い本や画像が少ない本文に適した方式として案内しています。

たとえば、本文の一部にカラーの図表やグラフを入れる実用書であれば、標準カラーでも目的を満たせる可能性があります。

ページ数が多い本ほど1ページあたりの単価差が積み上がるため、コスト面のメリットも大きくなります。

画像そのものが価値になる本ならプレミアムカラー

写真やイラストが本の中身そのものである場合は、プレミアムカラーが向いています。

色の見え方が内容の理解や読後の印象に直結する本では、印刷コストだけを理由に標準カラーを選ばないほうがよいでしょう。

一方、画像が補足的な役割にとどまるなら、標準カラーで十分かどうかを検討する余地があります。

出版前にインクタイプを確定させる

標準カラーとプレミアムカラーの選択は、出版前に決めておく必要があります。出版後はインクタイプを変更できないためです。

出版後は標準カラーとプレミアムカラーを変更できない

出版前であれば、KDPの管理画面でインクタイプを変更できます。

しかし出版後は、標準カラーからプレミアムカラーへ切り替えることも、その逆もできません。

そのため、まず標準カラーで出して、あとからプレミアムへ変えるという進め方は成り立ちません。

ページ数、判型、画像の重要度を確認したうえで、出版前に選択を確定させましょう。

なお、Amazonの商品詳細ページでは、読者が標準カラーとプレミアムカラーを区別できません。KDPも、両方を別の版として残すのではなく1つの版にまとめることを推奨しています。

迷う場合は校正刷りで実際の発色を確認する

画面上のデータだけでは、印刷したときの色味や紙の印象まで完全には分かりません。写真やイラストが多い本ほど、この差が気になりやすくなります。

判断に迷うときは、校正刷りで実物の仕上がりを確認する方法があります。

標準カラーで必要な品質を確保できていれば、そのままコストを抑える判断ができます。鮮明さが足りないと感じた場合は、出版前にプレミアムカラーへ切り替えられます。

校正刷りの注文方法や確認項目は、KDPの校正刷り(Proof Copy)の注文方法と確認ポイントで確認できます。

電子書籍のカラー画像設定とは分けて考える

標準カラーとプレミアムカラーは、あくまでペーパーバック本文の印刷方式に関する選択です。

Kindle電子書籍のカラー画像設定とは別の話であり、紙の印刷方式と電子書籍の画像仕様を混同しないことが大切です。

電子書籍では印刷用紙を選ばないため、そもそも標準カラーやプレミアムカラーという選択項目はありません。

Kindle本でカラー画像を扱うときの設定は、Kindle出版でカラー画像を正しく扱う方法で確認できます。

KDPの標準カラーとプレミアムカラーの違いまとめ

標準カラーは、軽量な白い用紙とインクジェット印刷でカラー本文を低コストに仕上げる方式で、2026年4月21日からAmazon.co.jpでも利用できます。

プレミアムカラーとの違いは、用紙重量(74〜90g/m²と88〜105g/m²)、色の鮮明さ、対応ページ数(72〜600ページと多くの判型で24〜828ページ)、A4判の可否、そして1ページあたり0.50円の印刷コスト差です。

判断の手順は、ページ数と判型で標準カラーを使えるかを確認し、次に画像が本の価値をどこまで左右するかを考え、最後に印刷コストを比べる流れです。

出版後はインクタイプを変更できないため、必要なら校正刷りで実物を確かめたうえで、出版前に結論を出しておきましょう。

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【著者:石黒秀樹】

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