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Kindle出版で挿絵や本文画像を入れるとき、多くの人が最初につまずくのが「画像サイズは何pxにすればいいのか」という点です。

私自身も初期の頃、画像がぼやけたり、スマホで見たときに文字が小さくなったりして、何度も調整した経験があります。

結論からいうと、Kindleの本文画像には「すべて横1200px×縦1800pxにすれば正解」といった共通の固定サイズはありません。

リフロー型では、端末の画面サイズや読者の設定に合わせて画像も表示されるため、ピクセル数だけでなく「スマートフォンで十分な大きさに表示されるか」「画像内の文字や線が読めるか」を基準に判断することが重要です。

この記事では、リフロー型のKindle電子書籍を中心に、挿絵・本文画像のサイズ、解像度、JPEG・PNGの使い分け、ぼやける原因、Kindle Previewerでの確認方法まで解説します。

 

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Kindle出版の挿絵・本文画像サイズに共通の正解はない

Kindle出版で画像サイズを決める前に、まずリフロー型と固定レイアウト型の違いを理解しておきましょう。

文章中心の電子書籍では、一般的にリフロー型を使用します。

リフロー型では、読者が使うスマートフォン・タブレット・Kindle端末や文字サイズに合わせて本文が組み直されます。

そのため、紙の本のように「この画像を横1200pxで配置すれば、すべての端末で同じ大きさに見える」とは限りません。

形式そのものの違いは、『Kindle出版の形式とは?リフロー型・固定レイアウト・対応ファイル形式を徹底解説』で詳しく解説しています。

リフロー型では画面に合わせて画像サイズが変わる

リフロー型では、画像も読者の画面サイズに合わせて表示されます。

KDP公式のリフロー型画像ガイドでは、写真や歴史写真などの画像について、小さな端末でも十分な品質で読めるよう画面幅の少なくとも60%程度を占める表示を推奨しています。

グラフ、技術図、地図など文字・数字・記号を含む画像については、文字を読みやすくするため画面幅の少なくとも80%程度を使うことが推奨されています。

つまり、「横幅○○px」と一律に決めるより、最終的に端末上でどれくらいの大きさに表示されるかを見る方が重要です。

1200pxは使いやすい制作目安だがKDPの必須値ではない

実務では、文字入りの図版や挿絵を横1200px前後以上で作っておくと、元画像の情報量を確保しやすい場合があります。

ただし、「KDPは本文画像を横1200px以上にしなければならない」と定めているわけではありません。

1200pxという数字は、たとえば4インチ程度で表示する画像を300PPI相当で用意するときに、4×300=1200pxになることから導ける制作上の一例です。

画像内の文字量や線の細かさ、実際の表示幅によって必要なピクセル数は変わります。

縦1800〜2400pxも固定ルールではない

従来の記事では「スマートフォン向けなら縦1800〜2400px」と紹介していましたが、これもKDP公式が指定している共通値ではありません。

縦長の挿絵を1200×1800pxなどで作れば使いやすいケースはありますが、横長の図表や小さなアイコンまで同じ比率にする必要はありません。

画像の形は内容に合わせて決め、スマートフォン表示で次の点を確認してください。

  • 画像が小さすぎない
  • 画像内の文字を読める
  • 不要な余白が多すぎない
  • 横長すぎて極端に縮小されていない
  • 重要な部分が一目で分かる

Kindleの本文画像はPPIとピクセル数の両方で考える

画像サイズを調べると、「PPI」という言葉が出てきます。

PPIは1インチあたりに何個のピクセルがあるかを示す数値です。

Kindle Createでは、画像を鮮明に表示するため、JPGまたはPNG画像について300PPIを推奨しています。

ただし、電子書籍ではPPIの数字だけを300へ変更すれば画質が上がるわけではありません。

必要なピクセル数は表示サイズから逆算する

たとえば、4インチ程度の幅で画像を表示し、300PPI相当の情報量を持たせるなら、次のように考えられます。

  • 4インチ×300=1200px

4×6インチ程度の画像なら、1200×1800pxが一つの制作例になります。

ただし、これはあくまで計算例です。

KDP本文画像の公式固定サイズではありません。

最終判断は、Kindle Previewerで実際の表示を確認して行います。

小さな画像を拡大しても画質は良くならない

横400pxの元画像を画像編集ソフトで1200pxへ拡大しても、元画像に存在しなかった細部が増えるわけではありません。

文字や線がぼやける可能性が高いため、できるだけ最初から十分な解像度を持つ元画像を使用してください。

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文字入り画像はスマートフォンで読めることを最優先する

本文画像で特に問題になりやすいのが、画像の中に入れた文字です。

KDPは、グラフや技術図、地図など文字・数字・記号を含む画像について、内容が明確に読めることを求めています。

文字が判読できない画像が含まれていると、Amazonの商品詳細ページにコンテンツ品質に関する警告が表示される場合もあります。

文字を画像化できるだけ避ける

KDP公式では、周囲のイラストから分離できる文字は、画像へ焼き込むのではなくHTMLテキストとして扱うことを推奨しています。

たとえば、次のものは可能であれば本文テキストとして配置した方が読みやすくなります。

  • 長い説明文
  • 図のタイトル
  • 画像のキャプション
  • 表の説明文

本文テキストなら、読者が文字サイズを変更できます。

スクリーンショットは必要な場所だけ切り出す

パソコン画面全体をそのまま掲載すると、スマートフォンでは非常に小さく表示されます。

操作説明の場合は、次のように加工しましょう。

  • 不要な部分をトリミングする
  • クリックする場所を大きく見せる
  • 矢印や枠で重要部分を示す
  • 1枚で1つの操作を説明する
  • 前後の本文でも内容を補足する

情報量の多いスクリーンショットは、複数枚に分割する方法も有効です。

横長の表や図は分割も検討する

パソコンで作った横長の表をそのままKindleへ入れると、スマートフォンでは全体が縮小されて文字を読めなくなることがあります。

その場合は、

  • 表を上下2つに分ける
  • 縦長のレイアウトへ組み直す
  • 重要な部分だけ画像化する
  • 表ではなく本文で説明する

といった方法を検討してください。

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JPEGとPNGは画像の内容に合わせて使い分ける

本文画像では、JPEGとPNGが使いやすい代表的な形式です。

Kindle Createで挿入できる画像もJPGまたはPNGです。

写真やグラデーションはJPEG

JPEGは写真のように色数が多い画像を比較的小さな容量で保存できます。

次の画像に向いています。

  • 人物写真
  • 風景写真
  • 商品写真
  • グラデーションの多いイラスト

ただし、JPEGを強く圧縮すると文字や細い線の周囲にノイズが出るため、画質を確認しながら書き出してください。

文字・線画・図表はPNGが使いやすい

PNGはJPEGのような非可逆圧縮によるにじみが発生しにくいため、次のような画像に向いています。

  • グラフ
  • フローチャート
  • スクリーンショット
  • 線画
  • 文字を含む図解

ただし、PNGは写真を保存すると容量が大きくなりやすいため、すべての画像をPNGに統一する必要はありません。

透過画像は注意する

KDPの現在のリフロー型画像ガイドでは、透明領域を持つ画像はそのままサポートされず、透明背景が白へ変換されます。

そのため、透明部分を前提にしたデザインでは意図した見え方にならない可能性があります。

透過が不要なら、あらかじめ背景色を付けて書き出す方が安全です。

アニメーションGIFは使用しない

KDPの現在のガイドでは、マルチフレームGIFはサポートされません。

動きを説明したい場合は、重要な場面を静止画として複数枚に分けて掲載してください。

SVGは一律に「使わない方がいい」わけではない

SVGは拡大・縮小しても輪郭が荒れにくいベクター画像です。

KDP公式のリフロー型画像ガイドでは、コンピューター生成のビジュアルにはSVGが適しているとされています。

一方で、SVGタグがエラーの原因になる場合もあるため、KDPは画像をHTMLのimageタグで扱う方法も案内しています。

また、Kindle Createで直接挿入する画像はJPGまたはPNGが対象です。

そのため、WordやKindle Create中心で制作する初心者ならJPG・PNGを基本にすると分かりやすいでしょう。

EPUBを直接編集してSVGを利用する場合は、Kindle Previewerで表示確認を行ってください。

Wordで画像がぼやけるときは自動圧縮を確認する

元画像は鮮明なのに、Wordへ入れたあとにぼやける場合は、Word側で画像が圧縮されている可能性があります。

Windows版Wordでは、一般的に次の場所から設定を確認できます。

  1. 「ファイル」を開く
  2. 「オプション」を選ぶ
  3. 「詳細設定」を開く
  4. 「イメージのサイズと画質」を確認する
  5. 対象文書を選択する
  6. 「ファイル内のイメージを圧縮しない」を有効にする

Wordのバージョンによって名称や場所は異なる場合があります。

また、この設定を変更しても、すでに圧縮された画像が元の品質へ戻るわけではありません。

必要であれば、元データから改めて画像を書き出して挿入してください。

Word原稿全体の設定については、『Kindle出版のWord設定とは?崩れない電子書籍の作り方を徹底解説』も参考にしてください。

本文画像がぼやける6つの原因

Kindle上で画像がぼやける場合、ピクセル不足だけが原因とは限りません。

1.元画像が小さい

小さな画像を拡大すると、輪郭や文字が荒くなります。

できるだけ最初から十分な大きさの元画像を用意してください。

2.JPEGを圧縮しすぎている

JPEGの品質を下げすぎると、細かな文字や線がにじみます。

文字中心の画像ならPNGへの変更も検討しましょう。

3.Wordで圧縮されている

元画像とWordから出力した画像を比較し、Wordへ入れたあとだけ劣化している場合は圧縮設定を確認してください。

4.画像内の文字が小さすぎる

画像そのものが高解像度でも、文字を小さく作りすぎればスマートフォンでは読めません。

情報量を減らす、複数画像に分ける、本文テキストへ移すなどの方法を使います。

5.不要な余白が大きい

画像の外側に大きな余白があると、実際に見せたい部分が小さく表示されます。

不要な余白はトリミングしてください。

6.画像が画面上で小さく指定されている

元画像が高品質でも、電子書籍内で小さく表示する設定になっていると読みづらくなります。

KDP公式では、文字入り画像について小さな端末上で画面幅の80%以上を使うことを推奨しています。

カラー画像はsRGBで用意する

KDPのリフロー型画像ガイドでは、画像のカラープロファイルにsRGBを使用するよう案内しています。

CMYK画像はKindle側でsRGBへ変換されます。

変換によって色味が変化する可能性があるため、電子書籍用画像は制作段階からsRGBで書き出しておく方が確認しやすくなります。

モノクロ端末でも意味が伝わるようにする

カラーで分かりやすい図でも、Kindle E-readerではモノクロ表示になる場合があります。

色だけで情報を区別せず、次の要素も併用してください。

  • 文字
  • 数字
  • 記号
  • 線の種類
  • ラベル

たとえば、「赤=危険、緑=安全」だけで説明するのではなく、「危険」「安全」と文字でも表示すると伝わりやすくなります。

画像にはalt属性も設定する

現在のKDPリフロー型画像ガイドでは、アクセシビリティのため、HTML上の画像にalt属性を設定することが求められています。

内容を伝える画像には、その画像の意味を簡潔に説明する代替テキストを付けます。

装飾だけを目的とした画像では、空のalt属性や装飾画像としての指定を使用します。

EPUBを直接作成する場合は、この点も確認してください。

固定レイアウトの挿絵は別の考え方になる

この記事では文章中心のリフロー型を前提に解説しています。

絵本、漫画、写真集などの固定レイアウトでは、ページ自体のサイズやアスペクト比を保持するため、本文画像の考え方が異なります。

固定レイアウト用の画像へ、この記事の「画面幅60%・80%」などをそのまま当てはめる必要はありません。

絵本については、『Kindle出版の絵本サイズとは?最適比率と設定方法を徹底解説』で詳しく解説しています。

Kindle Previewerで必ず本文画像を確認する

画像は、Wordや画像編集ソフト上で鮮明に見えているだけでは判断できません。

KDPも、出版前にKindle Previewerを使用して電子書籍の表示を検証することを推奨しています。

Kindle Previewerでは、スマートフォン、タブレット、Kindle E-readerなどを想定した表示を確認できます。

スマートフォン表示を最初に確認する

特に文字入り画像では、小さい画面で確認することが重要です。

  • 文字を通常表示で読めるか
  • 図表の数値を判別できるか
  • 画像が小さすぎないか
  • 横長画像が極端に縮小されていないか
  • 不要な余白が多すぎないか

Kindle E-reader表示も確認する

カラー画像を使っている場合は、モノクロ環境でも内容を理解できるか確認します。

薄い色の文字や細い線は見えづらくなることがあります。

拡大しなくても主要情報を読めるようにする

拡大すれば読めるから問題ない、と考えない方が安全です。

KDPも、画像内の文字が通常の読書状態で判読できることを重視しています。

詳しい確認方法は、『Kindle出版のプレビュー確認とは?オンラインとPreviewerの使い方を徹底解説』で解説しています。

Kindle本文画像のチェックリスト

  • リフロー型か固定レイアウトか確認した
  • 小さな元画像を無理に拡大していない
  • 写真などは十分な画面幅で表示される
  • 文字入り画像は小さな端末でも読める
  • 文字入り画像は必要に応じて画面幅80%以上を確保している
  • 写真はJPEG、図表はPNGなど用途で使い分けている
  • JPEGを強く圧縮しすぎていない
  • 透過部分が白へ変換されても問題ない
  • sRGBで画像を用意している
  • 不要な余白をトリミングしている
  • Wordの自動画像圧縮を確認した
  • 画像内へ不要に長い文章を入れていない
  • モノクロでも意味が伝わる
  • EPUBでは画像のalt属性を設定している
  • Kindle Previewerで複数端末を確認した
  • 使用する画像の著作権・利用条件を確認した

まとめ|Kindleの挿絵サイズはピクセル数より読みやすさを優先する

Kindle出版の挿絵や本文画像には、すべての電子書籍へ共通する「縦○○px×横○○px」という公式サイズはありません。

1200×1800pxなどは制作時の一例として利用できますが、作品や画像の用途によって最適なサイズは変わります。

KDP公式のリフロー型ガイドでは、写真などの画像は小さな端末で画面幅の少なくとも60%程度、文字・数字・記号を含む図表などは少なくとも80%程度を使用し、内容を明確に読める状態にすることが推奨されています。

最も大切なのは、何pxで作ったかではなく、実際のKindle画面で鮮明かつ読みやすく表示されることです。

画像を用意したら、スマートフォン・タブレット・Kindle E-readerを想定してKindle Previewerで確認しましょう。

本文画像を含めた原稿作成全体の流れは、親記事の『Kindle出版の原稿の書き方とは?作成手順・Word設定・目次を徹底解説』もあわせて確認してください。

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【著者:石黒秀樹】

Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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