Kindle出版のWord設定とは?崩れない電子書籍の作り方を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle出版で「Word原稿をアップロードしたらレイアウトが崩れた」「目次がうまく動かない」というトラブルは珍しくありません。
Wordは使いやすい一方、もともと紙の文書も作れるソフトなので、見た目を整えるために空白行・スペース・ページ番号・テキストボックスなどを多用すると、リフロー型のKindle電子書籍へ変換した際に崩れやすくなります。
Kindle出版のWord設定で最も重要なのは、「Word上の見た目を固定する」のではなく、「見出し・本文・目次・改ページなどの構造を正しく作る」ことです。
この記事では、WordでKindle電子書籍の原稿を作るときに必要な基本設定、見出し・目次・画像・改ページの作り方、崩れる原因、アップロード前のチェックポイントまで解説します。
Wordの設定を毎回ゼロから作りたくない場合は、『Kindle出版に最適なWordテンプレート設定と使い方を徹底解説』もあわせて確認してください。
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Kindle出版のWord設定は「見た目」より「構造」が重要
目次
- 1. Kindle出版のWord設定は「見た目」より「構造」が重要
- 2. Kindle出版向けWord本文の基本設定
- 3. 章タイトルにはWordの見出しスタイルを使う
- 4. Kindle出版のWord目次は見出し設定から作る
- 5. 章の切り替えには改ページを使う
- 6. 画像は複雑な回り込みを避けてシンプルに配置する
- 7. ヘッダー・フッター・ページ番号は入れない
- 8. 表・テキストボックス・図形はできるだけシンプルにする
- 9. Wordの変更履歴はオフにしてから入稿する
- 10. 電子書籍の表紙画像をWord本文へ重複して入れない
- 11. Word原稿はDOCXでKDPへアップロードできる
- 12. Word原稿をアップロードする前のチェックポイント
- 13. Kindle PreviewerでWord変換後の表示を確認する
- 14. Word原稿が崩れたときの原因と対処法
- 15. Word設定をテンプレート化すると2冊目以降が楽になる
- 16. Kindle出版のWord設定チェックリスト
- 17. まとめ|Kindle出版のWord設定は「構造で整える」のが基本
一般的な文章中心のKindle電子書籍は、リフロー型で表示されます。
リフロー型では、読者が使うスマートフォン・タブレット・Kindle E-readerの画面サイズや、読者自身が選ぶ文字サイズによって、1行の文字数やページの区切りが変化します。
そのため、紙の本のように「この文章は必ずこのページに置く」「ここから5行空ける」といった固定レイアウトをWord上で作り込む必要はありません。
Word上で整っていてもKindleでは同じ表示にならない
Wordでは、スペースや改行を使えば簡単に位置を調整できます。
しかし、その位置はWordのページサイズを基準にしたものです。
Kindleへ変換されると画面幅や文字サイズが変わるため、次のような手動調整は崩れの原因になります。
- Enterキーを何度も押して位置を下げる
- スペースキーで文章を右へ移動する
- タブで見出しや本文の位置を調整する
- 紙のページ番号を本文へ入れる
- ヘッダーやフッターを付ける
- 複雑なテキストボックスや図形を使う
KDP公式でも、リフロー型電子書籍には固定ページ番号・ヘッダー・フッターが不要であり、テキストボックスや図形による図解は推奨していません。
Wordでは位置を手作業で整えるのではなく、スタイル・段落設定・改ページなどの機能を使って構造を作りましょう。
Kindle出版向けWord本文の基本設定
Word原稿を作るときは、最初に本文の基本スタイルを統一しておくと修正が楽になります。
本文は「標準」スタイルを基準にする
Wordには「標準(Normal)」という基本スタイルがあります。
KDP公式のWord整形ガイドでも、本文全体を統一する方法としてスタイル機能が案内されています。
各段落を一つずつ手作業で変更するより、標準スタイルを基準にして本文を整える方が管理しやすくなります。
たとえば本文全体の書式を変えたくなった場合も、スタイルを変更すればまとめて調整できます。
フォントを細かく固定しすぎない
Wordでは好みのフォントを選べますが、リフロー型のKindle電子書籍では読者側の表示設定や端末によって見え方が変わります。
そのため、「游明朝なら必ず崩れない」「MS明朝でなければならない」といった固定ルールで考える必要はありません。
本文では特殊な装飾フォントへ依存せず、一般的な文字として問題なく読める構成を優先しましょう。
文字サイズや行間を紙の本のように固定しない
Word上では文字サイズや行間を設定できますが、Kindleでは読者が文字サイズを変更できます。
そのため、「本文は必ず11pt」「行間は必ず1.5倍」といった数値自体がKindleでの最終表示を決めるわけではありません。
Word原稿内で書式を統一するための基準として設定し、最終的な読みやすさはKindle Previewerで確認すると考えてください。
字下げはスペースではなく段落設定を使う
段落の先頭を下げたい場合、全角スペースを毎回入力するのではなく、Wordの段落設定を利用できます。
スペースによる字下げは、変換後の環境によって意図しない空白として扱われる可能性があります。
ただし、ビジネス書や実用書などでは、そもそも段落冒頭を1字下げしないデザインも一般的です。
本のジャンルに合わせてルールを決め、全体で統一してください。
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章タイトルにはWordの見出しスタイルを使う
Kindle出版で特に重要なのが、Wordの「見出し」スタイルです。
章タイトルを太字にして文字サイズを大きくするだけでは、Word上では章タイトルに見えても、文書構造上は通常の本文のままです。
見出し1を章タイトルに設定する
KDP公式のWord整形ガイドでは、章タイトルにWordの「見出し1」を使用する方法が案内されています。
基本的には、次のようにルールを統一すると分かりやすくなります。
- 見出し1:章タイトル
- 見出し2:章内の大きな節
- 見出し3:さらに細かな項目が必要な場合
- 標準:本文
必要以上に階層を増やす必要はありません。
太字+文字サイズ変更だけで見出しを作らない
たとえば、第1章という文字を18pt・太字にしても、見出しスタイルを設定していなければWord上では通常の段落です。
見た目の装飾と文書構造は別物だと考えてください。
見出しを正しく設定すると、Wordのナビゲーションウィンドウでも章構造を確認しやすくなります。
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Kindle出版のWord目次は見出し設定から作る
Kindle電子書籍では、読者が章間を移動できる目次が重要です。
KDPでは電子書籍に論理目次を求めており、Wordから原稿を作る場合も、見出しスタイルを利用して目次を構築する方法が案内されています。
最初に見出し1・見出し2を設定する
目次を先に作るのではなく、本文の各章・各節へ見出しスタイルを適用します。
そのあとWordの目次機能を使えば、章タイトルをもとに目次を作成できます。
手入力のページ番号を入れない
リフロー型電子書籍では、読者の文字サイズや端末によって表示上のページ数が変わります。
そのため、
- 第1章……5ページ
- 第2章……18ページ
のような紙の本を前提とした固定ページ番号を目次へ入れる必要はありません。
読者が章タイトルを選択して移動できるリンク構造を優先します。
原稿修正後は目次を更新する
章タイトルを変更したり章を追加・削除したりした場合は、Wordの目次も更新します。
古い目次を残したままアップロードすると、本文の章構造と目次が一致しなくなる可能性があります。
目次については、『Kindle出版×Word設定:目次の作り方とは?トラブル対策を徹底解説』で詳しく解説しています。
章の切り替えには改ページを使う
新しい章を新しい画面から始めたい場合は、Enterキーを何度も押すのではなく、Wordの改ページを使用します。
KDP公式のWord整形ガイドでも、章などを新しいページから始める方法としてページ区切りを使用する方法が案内されています。
Enterの連打で章を下へ移動しない
たとえば、次の章を新しいページへ送るために10回、20回とEnterを押すと、端末によって大きな空白が発生する可能性があります。
Wordでは、
- 「挿入」→「改ページ」
- WindowsではCtrl+Enter
などを使って改ページを入れます。
不要なハードリターンを減らす
KDP公式も、Enterキーによるハードリターンを不要な場所で多用しないよう案内しています。
行末ごとにEnterを押して文章を折り返すのではなく、通常の文章はWordに自動改行させます。
Enterは基本的に、新しい段落へ移る場所で使います。
画像は複雑な回り込みを避けてシンプルに配置する
Wordでは、画像を自由に動かしたり文章を回り込ませたりできます。
しかし、リフロー型電子書籍では画面幅が変わるため、複雑な位置指定は崩れやすくなります。
Wordではシンプルな配置を基本にする
文章中心の電子書籍なら、画像を本文の流れの中に配置する方法が扱いやすくなります。
Word上で「文字列の前面」「背面」などを使い、画像と文章を複雑に重ねるのは避けた方が安全です。
また、KDP公式ではテキストボックスや図形で複雑な図解を作る方法を推奨しておらず、必要な場合は画像として挿入する方法を案内しています。
画像を600〜800pxなどに一律固定しない
元記事では画像幅600〜800pxや150dpiなどを目安としていましたが、現在のKDPでは本文画像すべてに共通する固定値として案内されているわけではありません。
画像の種類、画像内の文字量、実際の表示サイズによって必要な解像度は変わります。
特に文字入りの図表は、小さなスマートフォンでも内容を読める大きさにしてください。
画像サイズの具体的な考え方は、『Kindle出版の挿絵サイズとは?スマホ表示に最適な縦横ピクセル数を徹底解説』で詳しく整理しています。
画像の前後に大量の空行を入れない
画像との間隔を調整するためにEnterを何度も押すと、端末によって不自然な空白になることがあります。
Word上の見た目だけでなく、変換後の表示を確認してください。
ヘッダー・フッター・ページ番号は入れない
紙の本では、ページ上部に書名を入れたり、ページ下部にページ番号を入れたりします。
しかし、一般的なリフロー型Kindle電子書籍では必要ありません。
KDP公式のWord整形ガイドでも、電子書籍には固定ページ番号が適用されず、ヘッダー・フッターを追加する必要はないと案内されています。
ペーパーバック用のWord原稿と電子書籍用のWord原稿を同じ設定にしないことが重要です。
表・テキストボックス・図形はできるだけシンプルにする
Wordでは複雑な表や図形を簡単に作れますが、電子書籍へ変換すると画面幅が変化します。
表はデータを示す用途に限定する
KDPのナビゲーション・レイアウト関連ガイドでは、表をページレイアウト目的で使わず、本来の表形式データに利用することが基本です。
横に多くの列を持つ表は、スマートフォンで読みにくくなります。
必要に応じて、
- 列数を減らす
- 複数の表へ分ける
- 文章として説明する
- 図として見せる必要がある場合は画像化する
といった方法を検討してください。
テキストボックスと図形によるレイアウトは避ける
KDP公式のWord整形ガイドでは、テキストボックスや図形を使って図を作成する方法は推奨されていません。
端末上で正確な配置が必要な図は、1枚の画像として書き出して挿入する方が扱いやすくなります。
Wordの変更履歴はオフにしてから入稿する
共同編集や校正でWordの「変更履歴」を使っている場合は、完成原稿へ変更履歴が残っていないか確認してください。
KDP公式のWord整形ガイドでも、アップロード前にTrack Changesをオフにするよう案内されています。
修正履歴を確認し、必要な変更を反映・承認した状態で完成ファイルを保存しましょう。
電子書籍の表紙画像をWord本文へ重複して入れない
KDP公式では、電子書籍の表紙画像はタイトル設定時に登録し、本文原稿ファイルへ同じ表紙画像を含めないよう案内しています。
KDP側で登録した表紙が電子書籍へ追加されるためです。
「紙の本と同じようにWord原稿の1ページ目へ表紙画像を置く」と考えないよう注意してください。
Word原稿はDOCXでKDPへアップロードできる
KDPでは、電子書籍原稿としてDOC・DOCX、EPUBなど複数のファイル形式を受け付けています。
文章中心の書籍なら、Wordで作成したDOCXを利用することもできます。
ただし、DOCXだから必ず崩れないというわけではありません。
Wordの中に複雑な装飾や不要な改行が含まれていれば、変換後に表示が変わる可能性があります。
ファイル形式の違いは、『Kindle出版の形式とは?リフロー型・固定レイアウト・対応ファイル形式を徹底解説』も参考にしてください。
Word原稿をアップロードする前のチェックポイント
原稿が完成したら、KDPへアップロードする前に次の項目を確認します。
- 章タイトルに見出しスタイルを使っている
- 本文のスタイルが統一されている
- 空白行の連打で位置調整していない
- スペースやタブでインデントしていない
- 章の区切りに改ページを使用している
- 固定ページ番号を入れていない
- ヘッダー・フッターを入れていない
- 目次リンクを確認した
- 画像を複雑に回り込ませていない
- 画像内の文字をスマートフォンでも読める
- テキストボックスや図形へ本文を入れていない
- 不要なハードリターンが残っていない
- 変更履歴を処理した
- 本文ファイルへ表紙画像を重複して入れていない
Kindle PreviewerでWord変換後の表示を確認する
Word原稿の最終確認は、Wordだけでは完了しません。
KDP公式も、Wordで電子書籍を整形した場合はKindle Previewerを使って出版前に確認するよう案内しています。
Kindle Previewerは日本語に対応しており、DOC・DOCX・EPUBなどのファイルを開いて表示を確認できます。
スマートフォン表示を確認する
最初に小さな画面で確認します。
- 見出しが不自然な場所にないか
- 本文に大きな空白がないか
- 画像内の文字を読めるか
- 表が画面からはみ出していないか
- 章の切り替わりが自然か
タブレット・Kindle E-readerでも確認する
同じ電子書籍でも画面サイズによって表示は変わります。
特に画像・表・章タイトル周辺は複数の端末タイプで確認してください。
目次から各章へ移動する
目次を表示するだけでなく、実際に各項目を選択して正しい章へ移動するか確認します。
プレビューの具体的な方法は、『Kindle出版のプレビュー確認とは?オンラインとPreviewerの使い方を徹底解説』で解説しています。
Word原稿が崩れたときの原因と対処法
章の前に大きな空白ができる
空白行を大量に入れていないか確認してください。
Wordの編集記号を表示すると、Enterによる不要な段落や改ページを確認しやすくなります。
画像の位置がずれる
Word上で複雑な回り込みや自由配置を設定していないか確認します。
文章中心のリフロー型では、本文の流れに沿ったシンプルな配置へ変更してから再確認してください。
目次に章が表示されない
章タイトルが見出し1などのスタイルになっているか確認します。
単に太字や大きな文字へ変更しただけでは、見出し構造になっていない可能性があります。
目次リンクが古い章へ飛ぶ
章を移動・削除したあと、Wordの目次を更新していない可能性があります。
目次を更新してからファイルを保存し、再度アップロードしてください。
文字の位置や改行が端末ごとに変わる
リフロー型では、ある程度の変化は正常です。
すべての端末で1行の文字数や改行位置を同じにすることを目標にしないでください。
文章の順序や意味が崩れず、読みやすい状態になっていれば問題ありません。
Word設定をテンプレート化すると2冊目以降が楽になる
1冊分のWord設定が完成したら、その構造を次の本でも再利用できます。
たとえば、
- 標準スタイル
- 見出し1
- 見出し2
- 章の改ページ
- 目次
- 引用などの共通スタイル
を整えたベースファイルを保存しておけば、新しい本でも同じルールで原稿を作れます。
ただし、テンプレートの選び方・作り方そのものは、このWord設定記事では深掘りしません。
テンプレートを作成・再利用したい場合は、『Kindle出版に最適なWordテンプレート設定と使い方を徹底解説』を確認してください。
Kindle出版のWord設定チェックリスト
KDPへアップロードする前に、最後に次の項目を確認しましょう。
- リフロー型電子書籍を前提に作っている
- 本文はスタイルで統一している
- 見出し1・見出し2を適切に使用している
- 見た目だけの太字見出しを作っていない
- スペースやタブで位置調整していない
- Enterの連打で改ページしていない
- 章の区切りに改ページを使用している
- 固定ページ番号を入れていない
- ヘッダー・フッターを入れていない
- 目次を更新した
- 目次リンクを確認した
- 画像をシンプルに配置している
- 画像内の文字を小さな端末でも読める
- 複雑なテキストボックス・図形を使っていない
- 変更履歴が残っていない
- 本文へ表紙画像を重複して入れていない
- Kindle Previewerで複数の端末表示を確認した
まとめ|Kindle出版のWord設定は「構造で整える」のが基本
Kindle出版でWord原稿が崩れる大きな原因は、紙の文書と同じ感覚で「見た目」を固定しようとすることです。
リフロー型電子書籍では、読者の端末や文字サイズによって表示が変わります。
そのため、Word設定では次の4点を特に意識してください。
- 見出しはWordの見出しスタイルを使う
- 目次は見出し構造をもとに作る
- 章の切り替えは改ページを使う
- 画像は複雑に固定せずシンプルに配置する
さらに、ページ番号・ヘッダー・フッターや、空白行・スペースによる位置調整は避けます。
「Wordで見たとおりに固定する」のではなく、「どの端末でも意味と構造が崩れない原稿を作る」ことがKindle出版のWord設定の基本です。
完成したら、必ずKindle Previewerでスマートフォン・タブレット・Kindle E-readerを想定した表示を確認してください。
設定を一度整えたあと、2冊目以降でも再利用したい場合は、『Kindle出版に最適なWordテンプレート設定と使い方を徹底解説』へ進むと、Wordテンプレートの作り方まで確認できます。
【著者:石黒秀樹】
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