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Wordで章を分けるとき、Enterを何度も押して次のページまで文章を送っていないでしょうか。

章を新しい区切りから始めたい場合は、Enterの連打ではなくWordのページ区切り(改ページ)を使います。

ただし、リフロー型のKindle電子書籍では、Wordで見えているページ数がそのまま固定されるわけではありません。改ページが持つ役割、Wordでの設定手順、Enterとの違い、変換後の確認方法を順に整理します。

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Kindle出版の改ページは章の境界を示すために使う

Kindle原稿での改ページは、前の章を終わらせ、次の章を新しい区切りから開始させるための設定です。

空白行を足して位置を調整するのではなく、ページ区切りという機能として挿入します。KDP公式でも、Word原稿にページ区切りを追加する方法や、各章の最後へ改ページを挿入する方法が案内されています。

改ページはKindleのページ番号を固定する機能ではない

最初に区別しておきたいのが、改ページと「固定されたページ」は別のものだという点です。

リフロー型のKindle電子書籍では、読者が文字サイズや表示設定を変更できます。1画面に入る文章量が読者ごとに変わるため、Wordで3ページ目にある内容がKindle端末でも3ページ目に表示されるとは限りません。

改ページは、ページ番号をそろえるための機能ではなく、章などの明確な境界を示し、次の内容を新しい区切りから開始させるための設定だと考えると分かりやすくなります。

リフロー型電子書籍のWord書式は、KDP公式の電子書籍原稿の書式設定ガイドでも確認できます。

改ページを入れるのは新しい章タイトルの直前

章を分ける場合は、次の章タイトルが始まる直前に改ページを設定します。前の章の末尾に入れる、と考えても同じ位置を指します。

たとえば第1章が終わり、その次に「第2章」という見出しがあるなら、第2章のタイトル直前でページを区切ります。これで、文章の途中に大量の空白を作らずに、章の切り替わりを原稿上で示せます。

反対に、行間を少し空けたいだけの場所まで改ページにする必要はありません。新しい区切りから読み始めてほしい場所に限定して使います。

WordでKindle原稿に改ページを入れる手順

Wordでの操作は、次章の直前へカーソルを置き、ページ区切りを挿入するという流れです。

手順 操作 確認すること
1 次の章を始める位置を決める 章タイトルの直前かどうか
2 その位置へカーソルを置く 不要な空白行が残っていないか
3 「挿入」から「ページ区切り」を選ぶ 次の章が新しい区切りへ移動したか
4 必要な章で同じ操作を繰り返す 小見出しまで区切っていないか
5 変換後の表示を見る 章の開始位置と余白の状態

「挿入」から「ページ区切り」を選択する

まず、次の章タイトルが始まる直前へカーソルを移動します。その状態で、Wordの「挿入」から「ページ区切り」を選択します。

カーソルより後ろの内容が次のページへ送られ、そこが章の境界として記録されます。空白行で次ページまで押し出す作業は不要です。

Wordでの基本操作は、Microsoft公式の改ページに関する案内でも確認できます。

WindowsではCtrl+Enterでも挿入できる

Windows版Wordなら、Ctrl+Enterでも改ページを挿入できます。章数の多い原稿では、メニューを開かずに設定できるぶん作業が早く進みます。

挿入される内容はメニュー操作と同じページ区切りなので、どちらを使っても構いません。使い慣れたほうを選んでください。

小見出しまで一律に区切らない

改ページは、見出しが出てくるたびに入れるものではありません。独立した章として開始させたい場所に絞って設定します。

章の中に小見出しが複数ある場合、そのすべてを新しいページへ送ると、意図しない余白や細切れの区切りにつながる可能性があります。

章の構造を示す設定と、本文の見た目を整える設定は分けて考えてください。フォントや段落など原稿全体の設定は、Kindle出版のWord設定で確認できます。

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Enter・Shift+Enter・Ctrl+Enterの違い

Word原稿では、Enter・Shift+Enter・Ctrl+Enterの役割がそれぞれ異なります。章を正しく区切るには、この3つを同じ操作として扱わないことが前提になります。

操作 主な役割 章の区切り
Enter 段落を変える 改ページの代わりにはならない
Shift+Enter 行を変える ページは区切られない
Ctrl+Enter ページを区切る 章の境界で使える

画面上の見た目が似ていても、Word内部では別々の情報として保存されます。

Enterの連打で次の章まで送らない

空白行を積み重ねて章を次ページへ送る方法は避けます。Enterは段落を作る操作であり、ページを区切る操作ではないからです。

たまたまWord上で次のページへ移動していても、前の章の文章量が変われば位置関係も崩れます。不要な空段落が原稿に大量に残る原因にもなります。

章を分ける目的なら、空白の量で位置を合わせず、ページ区切りとして挿入してください。

Shift+Enterは行を変える操作

Shift+Enterは、通常のEnterとも改ページとも別の働きをします。同じ段落の中で行だけを変える操作で、ページは区切られません。

そのため、Shift+Enterを何回押しても、Ctrl+Enterと同じ結果にはなりません。「段落」「行」「ページ」のどれを変えたいのかを先に決めると、選ぶ操作に迷いにくくなります。

章の見出しと目次は改ページとは別に設定する

改ページを入れただけでは、章構造や目次の設定は完了しません。改ページは章の開始位置を決めるもの、見出しや目次は本の構造を示すものという役割の違いがあります。

章タイトルを見出しとして設定し、その構造をもとに目次を整える工程は別に必要です。手順はKindle出版のWord目次の作り方にまとめています。

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変換後にKindle Previewerで章の切り替わりを確認する

Wordで改ページを入れたあとは、Word画面だけで完成と判断せず、Kindleへ変換した状態を確認します。

DOCやDOCXはKDPへ直接アップロードできますが、書式によっては変換後の見え方が変わる場合があります。改ページが意図した位置で働いているかは、最終的な表示環境で確かめてください。

プレビューで確認する項目

確認するのは章タイトルの位置だけではありません。不自然に大きな空白が残っていないかも一緒に見ます。Enterの連打が残っていたり、不要な場所に改ページが入っていたりすると、余白として表示されます。

  • 次の章が意図した区切りから始まっているか
  • 章タイトルの前に不自然な空白がないか
  • 本文の途中で意図しないページ区切りが起きていないか
  • 小見出しまで新しいページへ送られていないか

ページ番号をWordとそろえる必要はなく、章が狙った位置から始まっていれば問題ありません。変換後の確認手順は、Kindle出版のプレビュー確認とKindle Previewerの使い方で詳しく解説しています。

ペーパーバックへは同じ設定をそのまま当てはめない

ここまでの内容は、リフロー型のKindle電子書籍をWordで作る場合の考え方です。ペーパーバックはページ設計の仕組みが異なるため、同じ判断をそのまま持ち込まないでください。

KDP公式では、ペーパーバックで強制改ページを使った場合に、条件によって空白ページが生じることがあると案内されています。紙の本ではセクション区切りなども関わるため、「章の前は必ずCtrl+Enter」と一律には決められません。

電子書籍の原稿では、章の直前だけに改ページを入れ、変換後のプレビューで切り替わりを確認する。この2つをセットにしておけば、章の区切りで迷う場面は減らせます。

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【著者:石黒秀樹】

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