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Kindle本の脚注・注釈は、ページの下に小さな文字を並べる作業ではありません。本文と注釈をリンクでつなぎ、読者が行き来できる状態を作る作業です。

本文から注釈へ移動でき、注釈から元の本文位置へ戻れる双方向リンクが、Kindle本の脚注に必要な基本構造です。

作り方は原稿の形式で変わります。Word原稿なら標準の「脚注の挿入」を使い、EPUBを直接作成する場合はHTMLでリンクとIDを対応させます。

それぞれの設定手順と、出版前に確認しておきたいポイントを整理します。

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Kindle本の脚注・注釈は双方向リンクでつなぐ

紙の本では、脚注を同じページの下部へ置く形が一般的です。一方、Kindleのリフロー型電子書籍では読者が文字サイズを変更できるため、ページという単位そのものが固定されません。

そのため、Kindle本の脚注は位置ではなく本文と注釈を結ぶ移動関係で組み立てます。

原稿形式ごとの作り方と確認点

脚注の設定方法は、Word原稿から作る場合とEPUBを直接編集する場合で異なります。

原稿形式 脚注の作り方 主な確認点
Word 標準の「脚注の挿入」を使う KDP変換後の注釈とリンクを確認する
EPUB 本文と注釈を双方向リンクでつなぐ 参照先と戻り先が正しいか確認する

どちらの形式でも、最終的な確認はKindle用に変換された状態で行います。

必須の構造・推奨の指定・端末で変わる表示を分ける

脚注の設定には、必ず満たすべき条件と、推奨される指定、環境によって変わる表示が混在しています。混同すると、完成したかどうかの判断がぶれてしまいます。

  • 双方向ハイパーリンク:Amazonが脚注に必要としている構造
  • aside要素とepub:typeによる指定:EPUBでAmazonが強く推奨する書き方
  • 脚注のポップアップ表示:一部のKindle端末で表示されると案内されている挙動

脚注が正しく設定できたかどうかは、ポップアップの有無ではなくリンクの移動と戻りで判断します。

WordでKindle本に脚注を入れる方法

Wordで原稿を作る場合は、本文へ数字だけを手入力して注釈欄を自作するのではなく、Wordが持つ脚注機能を使います。

Word側で本文と注釈を関連付けておくことが、KDP公式で案内されている方法です。

「参考資料」から脚注を挿入して注釈を書く

操作の流れは次のとおりです。

  1. 脚注を付けたい本文位置にカーソルを置く
  2. Wordの「参考資料」を開く
  3. 「脚注の挿入」を選択する
  4. 作成された脚注欄へ注釈を書く
  5. KDPへ入稿したあと、Kindle上の動作を確認する

この方法なら、本文側の参照位置と注釈がWord上で対応付けられます。数字だけを直接入力して脚注らしく見せた場合とは、内部の構造が異なります。

脚注を追加したり削除したりするときも、Wordの機能として管理したほうが本文との対応を把握しやすくなります。

Wordの脚注はアップロード時に巻末注へ変換される

Word上では、脚注はページ下部に表示されます。ただし、その位置がKindleでもそのまま維持されるわけではありません。

KDP公式では、Wordで作成した脚注は電子書籍へのアップロード時に自動的に巻末注へ変換されると案内されています。

Word上で見えている脚注の位置を、Kindleの完成レイアウトだと考えないようにしてください。

ページ下部の見た目をKindleで再現しようとしない

Wordの表示に合わせて、Kindleでも注釈をページの下へ置きたくなる場合があります。しかし、空白や改行で脚注を下へ押し下げる調整は避けます。

Word上のページ数や脚注位置を基準に整えても、電子書籍へ変換したあとに同じページ構成になるとは限りません。

Word原稿では標準の脚注機能を正しく設定し、変換後の電子書籍で移動先を確認することを基準にします。

脚注以外の見出しや段落などWord原稿全体の整え方は、Kindle出版のWord設定と崩れない電子書籍の作り方で確認できます。

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EPUBで本文と脚注をリンクする方法

EPUBを直接編集する場合は、Wordの脚注機能ではなくHTML側でリンク構造を作ります。

本文側の参照リンクと、注釈側の戻りリンクをセットで作成し、そのうえでAmazonが推奨する意味付けを加えます。

本文側に脚注への参照リンクを設定する

まず、本文中の脚注番号から、対応する注釈へ移動できるリンクを設定します。本文側の要素と注釈側の要素には、対応関係が分かるIDを付けておきます。

Amazonが示している方法では、本文側の脚注参照にepub:type="noteref"を指定します。

<a id="ref-1" href="#note-1" epub:type="noteref">1</a>

この例では、本文中の「1」からnote-1というIDを持つ注釈へ移動します。IDの文字列そのものより、参照先と注釈が正しく一致していることが重要です。

注釈側はasideとepub:typeで脚注として指定する

注釈側については、Amazonがaside要素とepub:typeを組み合わせた指定を強く推奨しています。脚注であることをHTML上でも示すことで、本文中の通常のリンクと区別した構造になります。

<aside id="note-1" epub:type="footnote">
<p>ここに注釈本文を記載します。</p>
</aside>

ここで注意したいのは、asideを使っても双方向リンクが不要になるわけではないという点です。双方向リンクは必要な構造、asideepub:typeは推奨される指定として分けて考えます。

注釈から元の本文へ戻るリンクを設定する

注釈側には、読み終えたあとに元の本文へ戻るリンクも設定します。移動先には、本文側に付けたIDを指定します。

<aside id="note-1" epub:type="footnote">
<p>ここに注釈本文を記載します。
<a href="#ref-1">本文へ戻る</a></p>
</aside>

一方向だけでは、読者が注釈を見たあとに読んでいた位置へ戻りにくくなります。脚注が複数ある場合は、別の注釈へ誤って移動しないよう、参照先と戻り先を一組ずつ対応させてください。

脚注本文は章末または本の末尾へ配置する

EPUB内で注釈をどこへ置くかについて、Amazonは章末または本の末尾への配置を強く推奨しています。紙面のページ下部への固定を前提にせず、電子書籍で読みやすい位置へまとめる考え方です。

脚注番号を使わない注釈についても、関連する本文へ戻れるリンクを設定する方法が推奨されています。

ただし、配置場所を整えてもリンク先が間違っていれば正しく機能しません。章末や末尾へまとめたあと、本文側の参照リンクと注釈側の戻りリンクをあわせて確認します。

EPUBファイル全体の作成方法や入稿時の注意点は、Kindle出版のEPUB形式の作り方と注意点で詳しく確認できます。

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Kindle本の脚注リンクで間違えやすい点

脚注のリンク設定でつまずきやすいのは、通常の内部リンクとの混同、本の形式による違い、表示だけで成否を判断してしまうことの3つです。

一般的な内部リンクまで双方向リンクにしない

本文内のすべての内部リンクを、脚注と同じ双方向リンクにする必要はありません。

KDP公式では、脚注ではない内部リンクまで双方向リンクにすると、意図しない脚注ポップアップが表示される可能性があると案内されています。

脚注への参照なのか、章や別の本文位置へ移動する通常のリンクなのかを分けて設定してください。前者は行き来できる構造にし、後者は本来の移動目的に合わせて作成します。

脚注以外も含めたリンク設定のルールは、Kindle出版の外部・内部リンクのルールと貼り方で確認できます。

固定レイアウト本では内部ハイパーリンクを前提にしない

ここまで説明したリンク型の脚注は、主にリフロー型電子書籍を前提とした方法です。

KDP公式では、電子書籍端末で表示する固定レイアウト本について、内部ハイパーリンクはサポートされていません。

絵本やコミックなど固定レイアウトで作る場合は、リフロー型と同じ双方向リンクを前提に脚注を設計しないようにします。まず自分の本がどちらの形式かを確認してから、注釈の見せ方を決めてください。

ポップアップ表示を脚注完成の条件にしない

KDP公式では、双方向リンクを設定した脚注が一部のKindle端末でポップアップ表示されると案内されています。ただし、すべての端末や利用環境で同じ表示になるとは明記されていません。

そのため、ポップアップにならないことだけを理由に、脚注設定が失敗していると判断することはできません。

確認すべきなのは、本文から正しい注釈へ移動でき、元の本文位置へ戻れるかどうかです。表示形式は、この基本構造とは切り離して考えます。

出版前に脚注のリンク動作をプレビューで確認する

脚注を作成したら、原稿上の見た目だけで判断せず、Kindle用に変換された状態で動作を確かめます。脚注が多い本ほど、参照先の取り違えが起こりやすくなります。

本文から正しい注釈へ移動できるか確認する

本文中の脚注番号を選択し、対応する注釈が開くかを確認します。別の脚注ではなく、その参照部分に対応した注釈が表示されることが条件です。

EPUBを直接作成した場合は、本文側で指定した移動先と注釈側のIDが一致しているかも見直します。Word原稿の場合は、KDPへアップロードして変換されたあとの状態を基準に確認してください。

注釈から元の本文位置へ戻れるか確認する

次に、注釈から元の参照位置へ戻れるかを確かめます。EPUBを直接作成した場合は、戻りリンクが別の脚注番号や無関係な本文位置につながっていないか注意します。

脚注が複数あるときは、一つずつ移動と戻りを往復して確認すると、対応関係の誤りに気づきやすくなります。

表示内容と誤リンクをチェックする

KDP公式でも、リンク先が正しいことに加え、脚注ポップアップが空欄になっていないかを確認するよう案内されています。次の項目を順に確かめてください。

  • 本文から対応する注釈へ移動できるか
  • 注釈から元の本文位置へ戻れるか
  • 別の脚注へ誤って移動しないか
  • 表示される脚注の内容が空になっていないか

Wordの画面で正常に見えていても、Kindleへの変換後に同じ状態になるとは限りません。最終判断は、Kindle用に変換された原稿の表示とリンク動作を基準にします。

Kindle Previewerやオンラインプレビューの詳しい使い方は、Kindle出版のプレビュー確認方法で確認できます。

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【著者:石黒秀樹】

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