KDPの著者用コピーとは?価格・注文冊数・イベント販売への使い方
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
KDPでペーパーバックを出版すると、自分の本をまとめて手元に用意したい、イベントで直接読者へ販売したい、という場面が出てきます。
そのときに使えるのがKDPの著者用コピーです。販売中の紙書籍を、印刷コストを基準とした価格で注文でき、再販や無料配布にも利用できます。
ただし、印刷コストだけで自宅まで届くわけではありません。送料や適用される税金は別に加算され、注文はAmazon.co.jpから1回最大999部まで、手売りした分にKDPのロイヤリティは発生しません。
この記事では、日本から注文する場合を基準に、価格の考え方、注文手順と冊数、イベント販売への使い方、注文前に確認したい点を整理します。
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KDPの著者用コピーとは?販売中の紙書籍を印刷コスト基準で注文できる仕組み
目次
著者用コピーは、販売中の自分の紙書籍を、印刷コストを基準とした著者用価格で注文できる仕組みです。
Amazonの商品ページに表示されている販売価格で買い直す必要はありません。
自分で保管する以外に、読者へ手渡したり、イベントで直接販売したりする用途にも使えます。出版前の仕上がりを確認する校正刷りとは、役割が異なります。
再販・献本・無料配布に利用できる
KDP公式では、著者用コピーについて購入した著者自身が再販、または無料で配布できると案内されています。
そのため、次のような使い方が可能です。
- イベント会場で来場者へ販売する
- 対面で読者へ直接販売する
- 知人や関係者へ献本する
- 必要な相手へ無料で配布する
販売目的で紙の本を確保したいときは、校正刷りではなく著者用コピーを注文します。
校正刷りとの違いは注文時期・冊数・再販の可否
著者用コピーと校正刷りは、どちらもKDPから自分の紙書籍を取り寄せる仕組みですが、想定されている目的が違います。
| 比較項目 | 著者用コピー | 校正刷り |
|---|---|---|
| 主な用途 | 出版後の保管・配布・販売 | 出版前の仕上がり確認 |
| 1回の注文上限 | 999部 | 5部 |
| 再販 | 可能 | 不可 |
| 無料配布 | 可能 | 販売用ではない |
| 表紙の表示 | 通常の表紙 | 「Not for Resale」が入る |
特に押さえておきたいのは、校正刷りは再販用ではないという点です。イベントで販売する本を用意するなら、出版後に著者用コピーを注文します。
校正刷りの注文方法や確認する内容は、KDPの校正刷り(Proof Copy)の注文方法と確認ポイントで詳しく確認できます。
著者用コピーの価格は印刷コストが基準|送料と税金は別にかかる
価格を考えるときは、「著者用価格」と「最終的な支払総額」を分けて把握すると混乱しません。
著者用価格は、選択したマーケットプレイスでの印刷コストを基準に計算されます。ここに送料や適用される税金は含まれていません。
著者用価格は「印刷コスト×注文冊数」で決まる
KDP公式では、著者用コピーの価格は印刷コスト×注文冊数を基準に案内されています。
たとえば、Amazon.co.jpで120ページ・白黒・白またはクリーム紙・標準判の本を注文する場合、1冊あたりの印刷コストは次のように計算します。
206円+120ページ×2円=446円
この本を10冊注文するなら、印刷コスト部分は446円×10冊で4,460円です。通常の販売価格を10冊分支払うわけではないため、まとまった冊数を用意したいときに使いやすい仕組みといえます。
ただし、著者だから印刷コストからさらに割引される、という制度ではありません。著者用価格はAmazonが提供できる最低価格として案内されています。
印刷コストはページ数、カラーの有無、判型などで変わります。条件ごとの計算方法は、KDPペーパーバックの印刷コストと計算方法で確認してください。
支払総額はAmazon.co.jpの注文画面で確認する
先ほどの例でいえば、4,460円を支払えば本が届くという意味ではありません。実際の注文では、ここに送料と適用される税金が加わります。
そのため、支払総額はAmazon.co.jpの注文画面で確認するのが確実です。
送料は注文冊数、重量、サイズ、配送方法などによって変動するため、1冊あたり何円と固定して見積もることはできません。また、著者用コピーはAmazon Primeの無料配送対象ではありません。
大量に注文すれば1冊あたりの送料が必ず下がる、と断定できる情報も公式には示されていません。必要冊数を入力した状態で、チェックアウト前に総額を確かめてから注文数を決めましょう。
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著者用コピーの注文方法|1回最大999部までAmazon.co.jpから注文する
著者用コピーは、1回の注文につき最大999部まで注文できます。前提として、その本がKDPで販売可能な状態になっている必要があります。
日本の住所へ配送する場合は、マーケットプレイスとしてAmazon.co.jpを選びます。
KDP本棚から注文する手順
著者用コピーは、KDP本棚で対象の紙書籍を選んで注文します。kdp.amazon.co.jpでは、対象書籍の三点メニューから「著者用コピーを注文」の項目が表示される場合があります。
| 手順 | 行うこと |
|---|---|
| 1 | KDP本棚で対象の紙書籍を表示する |
| 2 | 「著者用コピーを注文」を選択する |
| 3 | 注文する冊数を入力する |
| 4 | 配送先に対応するマーケットプレイスを選ぶ |
| 5 | Amazonのカートへ進む |
| 6 | 送料・税金・配送予定日を確認して注文する |
まだ紙書籍を出版していない場合は、先にKDPペーパーバックの出版方法と費用の仕組みで全体の流れを把握しておくと進めやすくなります。
販売開始後、注文できるまで最大約24時間かかる場合がある
Amazonで販売が始まった瞬間に、必ず著者用コピーを注文できるとは限りません。
KDP公式では、販売開始後、注文オプションが利用可能になるまで最大約24時間かかる場合があると案内されています。
販売中なのに「著者用コピーを注文」が見当たらないときは、この反映待ちの可能性があります。イベント直前に初めて注文する予定なら、反映時間と配送期間の両方を見込んでおきましょう。
到着までの固定日数は公式に明記されていないため、配送予定日は注文画面の表示で判断します。
日本への配送はAmazon.co.jpを選ぶ
日本の住所へ届けたい場合は、Amazon.co.jpから注文します。
海外のマーケットプレイスを選んでも、同じように日本へ発送できるわけではありません。KDP公式では、日本向けの注文を国外へ発送することもできないと案内されています。
国内でイベント販売や配布を予定しているなら、Amazon.co.jpを基準に価格と配送条件を確認してください。
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イベント販売への使い方|手売り分にKDPロイヤリティは発生しない
著者用コピーはイベントや対面での再販に利用できます。ただし、Amazonの商品ページから売れた場合とは、お金の流れが異なります。
著者用コピーを購入した時点でも、それを自分で販売した時点でも、KDPからロイヤリティが支払われることはありません。
販売用・見本用・献本用に分けて冊数を決める
イベントで使う冊数は、用途ごとに分けて考えると決めやすくなります。
- 会場で販売する予定の冊数
- 手に取ってもらう見本として持参する分
- 関係者や読者への献本分
- 無料配布に充てる分
校正刷りには「Not for Resale」と表示されるため、販売する本は著者用コピーで用意します。
注文冊数も手売り分もKDPレポートには反映されない
著者用コピーを100冊、200冊と注文しても、その冊数がKDP上の販売冊数として記録されるわけではありません。
著者用コピーの注文はKDPレポートには表示されません。注文状況は、Amazon側の注文履歴で確認します。
自分で購入した本をイベントで販売した分も、同じようにKDPレポートへ加算されません。大量注文がAmazon上の販売実績につながる、という考え方は避けましょう。
イベントの収支はKDPロイヤリティと分けて計算する
著者用コピーを購入してイベントで販売した場合、KDPから別途ロイヤリティが支払われることはありません。
そのため、イベントの収支は、自分が受け取る販売代金と、本を用意するためにかかった費用(印刷コスト、送料、税金)を基準に計算します。会場費や決済手数料が発生するなら、それらも個別に加えて考えます。
販売価格をいくらに設定するかは条件によって変わるため、実際にかかる費用を確認したうえで判断してください。
Amazon上で通常販売された場合の50%・60%ロイヤリティについては、KDPペーパーバックの印税と印刷費の仕組みで詳しく確認できます。
注文前に確認したい注意点|改訂直後の旧版在庫と注文冊数
必要な日の直前にまとめて注文する前に、次の2点を確認しておくと失敗を避けやすくなります。
改訂直後は旧ファイルで印刷された在庫が届く場合がある
本文や表紙を修正した直後の注文は、特に注意が必要です。
KDP公式では、公開していない変更は著者用コピーに反映されないと案内されています。さらに、変更を公開した後でも、旧ファイルですでに印刷された在庫が発送される場合があります。
Amazon.co.jpでは、届いた著者用コピーがいつ印刷されたものか確認できないとも案内されています。変更を公開した直後に注文すれば必ず最新ファイルで届く、とは考えない方が安全です。
旧版の在庫が届いたことだけを理由とする交換や返金も、原則として対象外とされています。イベント用にまとめて注文する直前に大きな修正を行った場合は、注文の時期を慎重に判断してください。
999部は上限であり、必要冊数から逆算して注文する
1回に999部まで注文できますが、これは注文できる上限であって、推奨される冊数ではありません。
イベント用なら、想定する販売数と配布数から逆算する方が現実的です。注文前に次の順で確認しましょう。
- 販売予定数を決める
- 見本・献本・無料配布の分を加える
- その冊数分の印刷コストを計算する
- Amazon.co.jpで送料と税金を含む総額を確認する
- 配送予定日がイベント日に間に合うか確認する
著者用コピーは、価格の安さだけで判断せず、再販できる・1回最大999部・KDPロイヤリティの対象外という3点を踏まえて使い分けてください。
【著者:石黒秀樹】
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