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のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。

Canvaの写真やイラストで表紙や本文画像を作るとき、販売するKindle本へそのまま使ってよいのか迷いやすいところです。

CanvaのFree・Proコンテンツは、ライセンス条件を満たしていればKindle本の表紙や本文へ商用利用できます。

ただし、Canvaの中に表示される素材がすべて同じ条件というわけではありません。

素材のカテゴリ、Pro素材のライセンスの数え方、電子書籍特有の制限、KDP側で求められる権利を分けて確認すると、使える範囲と避けるべき使い方を切り分けられます。

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CanvaのFree・Pro素材は条件を満たせばKindle本へ商用利用できる

Canvaの現行ライセンスでは、許可される利用方法に書籍やブックカバー、電子書籍が含まれています。

そのため、Canva素材を使って販売用のKindle本を作ること自体は禁止されていません。

利用できるのは、Canvaのライセンスで認められた範囲に限られます。さらにKindle出版では、Amazon KDP側で必要な権利を持っているかどうかも問われます。

表紙・本文・電子書籍はCanvaが認める用途に含まれる

Canvaのコンテンツ使用許諾契約では、Free・Proコンテンツを含むデザインについて、書籍やブックカバーでの利用が認められています。

電子書籍についても、Canva公式は販売用のe-bookへFree・Proコンテンツを使用できると案内しています。

したがって、Canvaで作ったデザインをKindle本の表紙に使うことも、条件を満たしたうえで本文画像に使うことも可能です。

現在の利用条件は、Canva公式のコンテンツ使用許諾契約で確認できます。

ただし、販売用の電子出版物にはPro素材特有の制限があります。「商用利用可」という表示だけで判断しないようにしてください。

商用利用できることと素材の著作権を取得することは別

Canva素材を商用利用できても、その素材の著作権が自分へ移るわけではありません。

取得するのは、素材を一定の条件で利用できるライセンスです。

たとえばCanvaのライブラリーにある第三者の写真を表紙へ使った場合、その写真の著作権そのものを持つのは撮影者や権利者のままです。利用者は、Canvaから与えられた許諾の範囲でその写真をデザインへ使用します。

「Canvaで作ったから、含まれる写真やイラストの著作権もすべて自分にある」とは扱わないでください。

自分で書いた文章や独自に作った要素と、ライセンスを受けて利用している素材は、権利の扱いが違うものとして分けて考えます。

Canvaのライセンスとの2段階で確認する

Canva素材をKindle本へ使うときは、Canva側とKDP側を順番に確認すると判断がぶれにくくなります。

  • Canvaのライセンスで、その素材とその使い方が認められているか
  • KDPへ出版するために必要な権利を自分が持っているか

Canva側で商用利用が許可されていても、使い方がライセンス条件から外れていれば安全とはいえません。

反対に、Canvaの条件を満たしていても、KDPでは出版するコンテンツについて必要な権利を持っていることが求められます。

KDPでの著作権や引用の考え方全般は、KDPの著作権と引用ルールで確認できます。

Free・Proの表示だけでなく素材のカテゴリまで確認する

Canva素材を選ぶときは、FreeかProかだけを見て判断しないでください。

素材のコンテンツソースやカテゴリによって、適用される利用条件が変わります。

素材・コンテンツ Kindle本で確認すること
Freeコンテンツ Free Content Licenseで許可された用途に当てはまるか
Proコンテンツ デザインごとのライセンス取得状態と電子書籍での制限
Branded Content 商用利用が認められている素材かを個別に確認
Education Content 教育目的・非営利利用などの条件に該当しないか
CC0・Public Domainなど 表示されるコンテンツソースと個別条件

Canvaでは、素材のコンテンツソース情報から適用されるライセンスを確認できます。販売用のKindle本へ使う前に、素材ごとの情報を見ておきましょう。

Free素材は許可された用途ならKindle本にも使える

CanvaのFreeコンテンツは、Free Content Licenseで認められた範囲で商用利用できます。

書籍やブックカバーも許可用途に含まれるため、条件を満たせば販売するKindle本にもFree素材を利用できます。

Free Content Licenseは、許可された用途について永久的・非独占的で、全世界を対象とするライセンスとして定められています。

一方で、Freeと表示されているものがすべて同一条件とは限りません。素材によっては、CC0やPublic Domainなど別のソース情報が表示されます。表示ラベルだけでなく、コンテンツソース情報まで見ておくと安全です。

Pro素材は1つのデザインごとにライセンスされる

Proコンテンツも、条件を満たせばKindle本へ商用利用できます。

Freeとの大きな違いは、Proコンテンツが1つのCanvaデザインに対するワンデザイン使用ライセンスである点です。

Canvaでは、デザインをエクスポートするときに、そのデザイン内で使っているProコンテンツについてライセンスが発行されます。有効なProサブスクリプションを利用していれば、エクスポート時に追加費用なくライセンスを取得できます。

Pro素材そのものを取得して、あらゆる制作物へ無制限に再利用する仕組みではありません。

「どの素材を使ったか」だけでなく、どのCanvaデザインについてライセンスを取得したかまで意識してください。

Branded Content・Education Contentは商用利用条件が異なる

Canva内には、通常のFree・Proとは別の条件が適用されるコンテンツがあります。代表例がBranded ContentとEducation Contentです。

Branded Contentは、コンテンツソース情報に別の記載がない限り、個人利用に限定されています。通常のFree素材と同じ感覚で販売用Kindle本へ使わないでください。

Education Contentの「Resource」にも、教育目的の非営利利用に限定された条件があります。Canva Educationで利用できるProコンテンツも、教育・非商用利用が前提です。Canvaは、商用デザインを作る場合には別のCanvaアカウントを使用するよう案内しています。

素材一覧で選択できることと、販売するKindle本へ使えることは同じではありません。

複数カテゴリを混在させると最も厳しい条件が適用される

1つのデザインに複数カテゴリのコンテンツを使う場合も注意が必要です。

Canvaの現行ライセンスでは、複数カテゴリが含まれる場合、最も制限の厳しいカテゴリの条件がデザイン全体に適用されます。

商用利用できる素材が多く含まれていても、利用範囲の狭いコンテンツを1点でも組み合わせれば、そのデザイン全体を自由に使えるとは限りません。

写真、イラスト、背景、フォント素材などを重ねる表紙では、使った素材のソース情報を1つずつ確認してください。

Canva以外の素材サイトも含めた画像ライセンスの考え方は、フリー素材をKindle本に使うときの注意点で確認できます。

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Pro素材を電子書籍で使うときの追加条件

Pro素材はKindle本へ利用できますが、電子出版物では追加で確認すべき条件があります。

ワンデザイン使用ライセンスに加えて、電子書籍での使い方まで確認する必要があります。

新しいデザインには新しいライセンスが必要

Proコンテンツのライセンスは、素材単位で一度取得すれば無制限に使えるものではありません。

同じPro素材でも、新しいCanvaデザインへ使用するときは新しいライセンスが必要です。

あるKindle本の表紙で使ったPro写真を、別の本の表紙デザインへ使う場合は、その新しいデザインについてライセンスを取得するという考え方になります。Canvaでは、Magic Resizeによって作られたものも新しいデザインに含まれるとしています。

「以前使った素材だから、別デザインでも同じライセンスで足りる」とは考えないでください。

未編集のPro素材は1ファイル480,000ピクセルまで

電子書籍でProコンテンツを使う場合は、画像の使い方にも制限があります。

Canva公式では、オンラインまたは電子出版物で未編集のProコンテンツを使う場合、1コンテンツファイルにつき最大480,000ピクセルとしています。

ここでいう未編集について、Canvaはページ上に写真だけがあり、その上に別の要素が重なっていない状態などを例として示しています。Pro写真を素材そのままの状態で電子書籍へ大きく掲載するときは、この条件に当たらないか確認しましょう。

一方、どの程度加工すれば必ず編集済みと扱われるかについて、一律の数値基準は示されていません。わずかな変更だけで制限を回避できると自己判断しないほうが安全です。

Pro素材を単体で書き出して別ソフトで作らない

Canva公式は、電子出版物にProコンテンツを使う場合、Canvaを使ってデザインする必要があると案内しています。

ProコンテンツだけをCanvaから単体でダウンロードし、別のソフトで電子書籍をデザインする使い方は認められていません。Pro写真やイラストを素材ファイルとして取り出し、他ソフトの素材集のように扱う方法は避けてください。

Pro素材は、Canva上のデザインの一部として扱うことが基本になります。

なお、Canvaで完成させた複合デザインを他の原稿制作工程へ組み込むケースについて、Kindle固有の細かな例まで公式に示されているわけではありません。境界的な使い方は断定せず、Pro素材を単体で抽出しない形に寄せておくと判断が安定します。

Pro解約後も、適切に取得した既存デザインのライセンスは残る

Canva Proを解約すると、以前作ったKindle表紙が使えなくなるのか気になるところです。

現行のCanvaライセンスでは、Proコンテンツのライセンスは永久的なライセンスとして定められています。Pro契約中に適切にライセンスを取得した既存デザインが、解約だけを理由に直ちに使えなくなる仕組みではありません。

ただし、解約後に同じPro素材で新しいデザインを作る場合は別です。新しいデザインには新しいライセンスが必要になります。

Canvaには規約違反などに関するライセンスの終了条件もあるため、一度エクスポートすればどのような状況でも無条件で永久に使える、とまでは考えないようにしてください。

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Canva素材で避けるべき使い方

Canva素材をKindle本へ使える場合でも、使い方まで自由になるわけではありません。

素材そのものを再販売・再配布できる形にしない

Canvaのライセンスは、素材そのものを販売・配布する権利を与えるものではありません。

Canva素材を抽出し、素材ファイルとして再販売・再配布できる状態にする使い方は避けます。

Kindle本の中でも、写真やイラストを素材集のように読者へ提供する構成とは分けて考えてください。特にPro素材は、単体でコピー・ダウンロード・配布することを前提としたライセンスではありません。

商用利用できないカテゴリを販売用の本へ使わない

Branded ContentやEducation Contentのように、通常のFree・Proとは条件が異なる素材を販売用Kindle本へ使わないよう注意します。

Canva上で選択できるという理由だけで使わず、コンテンツソース情報を見て商用出版に利用できる条件かを判断してください。

KDPへ出版する前に権利を確認する

Canvaのライセンス条件を満たしていても、KDPでは出版者側に権利の確認が求められます。

Amazonへアップロードするコンテンツについて、出版に必要な権利を持っていることが前提です。

KDPで問われるのは「出版できる権利があるか」

KDPでは、販売するコンテンツについて出版に必要な権利を持っていることが求められます。

Canva素材を使う場合は、その素材を現在の使い方で出版できるライセンスがあるかを確認します。重要なのはCanvaを使ったかどうかではなく、掲載するコンテンツを出版できる権利の有無です。

Amazonの考え方は、KDP公式の著作権ガイドラインで確認できます。

Amazonから権利確認を求められる場合がある

KDPでは、出版するコンテンツについて追加の権利確認を求められることがあります。Canva素材を使っていれば権利確認が不要になる、というわけではありません。

確認を求められた場合は、案内された内容に沿って必要な情報をそろえます。Canva素材について「この書類を出せば必ず通過する」という専用の証明書一覧は示されていません。著作権ページへCanvaの名前を書くことも、出版権の証明にはなりません。

Canvaが商用利用を認めていることと、KDPの審査結果は別のものとして扱ってください。

AI生成コンテンツはKDPのAI申告も別に確認する

Canva内でAIを使って生成したコンテンツをKindle本へ含める場合は、Canvaのライセンス確認だけでは終わりません。

KDP側で生成AIコンテンツに関する申告が必要かどうかも、別に確認します。

申告の判断基準は、Kindle出版で生成AIを使うときの申告ルールで確認できます。

出版前に確認する4ステップ

素材を選ぶ段階から順番に確認しておくと、完成後に差し替えが必要になる事態を避けやすくなります。

順番 確認する内容
1 使う素材のコンテンツソースとカテゴリを見る。Branded ContentやEducation Contentが混ざっていないか確認する
2 Pro素材は、いま使っているデザインについてライセンスを取得済みか確認する
3 未編集Proコンテンツの480,000ピクセル制限、単体書き出しの禁止、再配布にあたる構成でないかを確認する
4 完成した本に含まれる素材について、KDPで出版に必要な権利を満たしているか最終確認する

この順番で見れば、「Canvaにあるから使える」という一括判断を避けられます。

Free・Proという表示で止めず、素材カテゴリ、ライセンスの取得単位、電子書籍の条件、KDP側の権利まで確認したうえで出版へ進みましょう。

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【著者:石黒秀樹】

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