Kindle出版のTIN入力とマイナンバー対応を徹底解説|日本在住者の正しい手順と注意点
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle出版を始めるとき、多くの人が迷うのがKDPの税務情報入力です。
特に、「マイナンバーを入力してよいのか」「米国TINと外国TINのどちらを選ぶのか」「ITINを取らないと出版できないのか」は、初心者がつまずきやすいポイントです。
結論からいうと、日本在住の個人著者が持つ12桁のマイナンバーは、米国TINではなく、居住国が発行した外国TINとして扱うのが基本です。
ただし、マイナンバーを入力しただけで、すべてのKDP収益に対する源泉徴収率が自動的に0%になるわけではありません。
実際の源泉徴収率は、居住国、収益の種類、租税条約の適用条件、税務インタビューでの回答内容などによって判定されます。
この記事では、日本在住の個人著者を対象に、KDPでのTIN入力、マイナンバーの扱い、税務インタビューの基本的な進め方、よくある間違いをわかりやすく解説します。
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Kindle出版ではマイナンバーを外国TINとして扱う
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目次
- 1 Kindle出版ではマイナンバーを外国TINとして扱う
- 2 米国TINと外国TINの違い
- 3 KDPの税務情報は出版前に完了させる必要がある
- 4 日本在住者のKDP税務インタビューの基本的な流れ
- 5 マイナンバーなしでもKDPの税務情報を提出できる?
- 6 マイナンバーを入力すると源泉徴収率は0%になる?
- 7 KDPで源泉徴収の対象になる売上
- 8 一般的な日本在住者はITINを必ず取る必要はない
- 9 「日本にはTINがない」という古い情報に注意する
- 10 マイナンバーをKDPへ入力するときの安全上の注意
- 11 KDPの税務情報でよくある間違い
- 12 税務情報は定期的に更新が必要
- 13 税務設定後は振込情報も確認する
- 14 まとめ|マイナンバーは外国TINとして正しく入力する
KDPの税務インタビューでは、米国TINと外国TINを区別して考える必要があります。
TINとは「Taxpayer Identification Number」の略で、税務当局が納税者を識別するために使う番号です。
米国TINには、主に次のようなものがあります。
- SSN:米国の社会保障番号
- ITIN:米国の個人納税者番号
- EIN:米国の事業体などに付与される雇用者識別番号
一方、外国TINは、米国以外の国や地域の税務当局が所得税などの税務目的で発行する番号です。
日本では、個人に12桁のマイナンバーが付番され、所得税の確定申告など国税分野でも使用されています。
そのため、日本在住の個人著者がKDPの税務インタビューで居住国の納税者番号を求められた場合は、マイナンバーを外国TINまたは居住国TINの欄へ入力する形になります。
マイナンバーを米国TIN欄へ入力しないよう注意してください。
米国TINと外国TINの違い
| 種類 | 主な例 | 日本在住の個人著者 |
|---|---|---|
| 米国TIN | SSN、ITIN、EINなど | 通常は持っていなければ入力しない |
| 外国TIN | 居住国の税務当局が発行する番号 | マイナンバーを入力するのが基本 |
KDP公式では、非米国の出版者が租税条約による軽減税率を申請する場合、米国TINを持っていなければ、居住国の税務当局が所得税目的で発行したTINを入力できると案内しています。
したがって、日本在住の個人著者が通常のKDP出版を始めるためだけに、必ずITINを取得する必要があるわけではありません。
TINそのものの意味や、米国TIN・外国TINの違いを詳しく確認したい場合は、『KDPの納税者番号(TIN)とは?米国TIN・外国TINの違いを徹底解説』も参考にしてください。
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KDPの税務情報は出版前に完了させる必要がある
KDPでは、税務プロフィールの入力・確認が重要です。
KDP公式では、税務上の身元情報を受け取り、検証できていない場合、既存書籍の更新や新しい書籍の出版ができなくなると案内しています。
税務プロフィールが正常に処理されると、KDPアカウントの「Tax Information」でステータスが「Complete」になります。
そのため、税務インタビューを送信したら、提出できたことだけで終わらせず、必ずステータスまで確認してください。
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日本在住者のKDP税務インタビューの基本的な流れ
KDPの画面構成や文言は変更されることがあります。
以下は、日本在住の個人著者を想定した基本的な流れとして確認してください。
1.KDPアカウントから税務情報を開く
KDPへログインし、「Your Account」から「Tax Information」を開きます。
初回であれば税務プロフィールを作成し、すでに提出済みの場合は現在の状態を確認します。
登録全体の流れについては、親記事の『Kindle出版の登録手順とは?KDPアカウントから税務設定まで徹底解説』も確認してください。
2.米国人か非米国人かを選択する
日本在住の日本人で、米国市民・米国税務上の居住者に該当しない場合は、非米国人として回答します。
ただし、米国のグリーンカードを持っている場合や、米国での滞在日数などにより米国税務上の居住者に該当する場合は、一般的な日本在住者とは回答が異なります。
3.個人として登録する
個人名義でKDPを利用している場合は、受益者の種類として個人に相当する項目を選択します。
非米国の個人として税務情報を提出すると、通常はW-8BENが作成されます。
法人などの事業体向けのW-8BEN-Eが表示されている場合は、個人・法人の選択が合っているか確認してください。
4.正式な氏名と住所を入力する
税務情報には、ペンネームではなく税務上の正式な氏名を入力します。
住所についても、現在の恒久的な居住地を入力してください。
英語・ローマ字表記が求められる場合は、画面上の入力欄に従って番地、市区町村、都道府県、郵便番号などを入力します。
5.マイナンバーを外国TINとして入力する
一般的な日本在住の個人で、米国のSSNやITINを持っておらず、12桁のマイナンバーを持っている場合は、外国TINを持っているという趣旨の項目を選択します。
そのうえで、外国TINまたは居住国TINの欄へマイナンバーを入力します。
米国TIN欄へマイナンバーを入れないことが重要です。
入力後は、12桁に間違いがないか確認してください。
6.租税条約に関する質問へ回答する
日本と米国の間には租税条約があります。
日本在住の著者が一定の条件を満たす場合、米国源泉のロイヤリティについて法定の30%より低い源泉徴収率を申請できる可能性があります。
KDPでは、米国TINがなくても、居住国の税務当局が発行した所得税用のTINを入力することで、租税条約上の軽減を申請できます。
ただし、外国TINを入力しただけで必ず0%になるわけではありません。
最終的な税率は、税務インタビューの回答をもとに表示されるため、その数値を確認してください。
源泉徴収の仕組みは、『Kindle出版の源泉徴収とは?日本在住著者が知るべき税金ルールを徹底解説』で詳しく解説しています。
7.税務書類を確認して電子署名する
入力が完了すると、回答内容をもとに税務書類が作成されます。
日本在住の個人著者であれば、通常はW-8BENです。
次の項目を確認しましょう。
- 正式な氏名
- 居住国
- 住所
- 外国TIN
- 個人・法人の区分
- 適用される源泉徴収率
問題がなければ、画面の指示に従って電子署名し、送信します。
8.Tax Informationのステータスを確認する
送信後はKDPアカウントへ戻り、税務情報が正常に処理されているか確認します。
KDP公式では、検証済みの場合はTax Informationのステータスが「Complete」と表示されます。
エラーや追加対応が表示されている場合は、そのまま放置しないでください。
マイナンバーなしでもKDPの税務情報を提出できる?
KDP公式では、TINがなくても税務プロフィール自体を完了できる場合があると案内しています。
ただし、ここで注意したいのが、税務情報を提出できることと、租税条約による軽減税率を受けられることは別だという点です。
KDP公式によると、米国源泉の支払いに適用される法定30%の源泉徴収率について、TINを提供するまでは租税条約による軽減が適用されません。
そのため、日本在住でマイナンバーを持っている場合は、「TINなしで進められるから入力しなくてよい」と単純に判断しない方がよいでしょう。
マイナンバーを入力すると源泉徴収率は0%になる?
マイナンバーを外国TINとして入力することは、租税条約上の軽減税率を申請するための重要な要素です。
ただし、適用される税率はTINだけで決まりません。
主に次の要素が関係します。
- 税務上の居住国
- 米国人・非米国人の区分
- 収益の種類
- 租税条約の適用条件
- 税務インタビューでの回答内容
- TINの提供状況
そのため、「マイナンバーを入力した=すべて0%」とは断定できません。
税務プロフィールの確認画面に表示される源泉徴収率を確認してください。
KDPで源泉徴収の対象になる売上
KDP公式では、非米国人について、米国源泉となる一定のロイヤリティが米国の源泉徴収対象になると案内しています。
具体的には、Amazon.comでの電子書籍販売に加え、一部の印刷書籍販売やKDP Select Global Fundからの支払いも対象になる場合があります。
一方、すべてのマーケットプレイスで同じ米国源泉徴収が行われるわけではありません。
実際の適用税率はKDPアカウントのTax Informationで確認してください。
一般的な日本在住者はITINを必ず取る必要はない
ITINは米国の個人納税者番号です。
しかし、日本在住の個人著者がKDP出版を始めるためだけに、必ずITINを取得する必要はありません。
KDP公式では、米国TINを持っていない非米国出版者について、居住国の税務当局が発行した所得税用TINを利用して租税条約上の軽減を申請できるとしています。
日本在住でマイナンバーを持っている場合は、まず外国TINとして入力する方法を確認するのが基本です。
ただし、米国内で事業を行っているなど、米国税務上の特別な事情がある場合は、ITINなどの米国TINが必要になることがあります。
「日本にはTINがない」という古い情報に注意する
ネット上には、「日本はTINを発行していないためTINなしを選ぶ」とする古い説明が残っていることがあります。
しかし、日本では住民票を持つ人に12桁のマイナンバーが付番され、税務関係書類にも利用されています。
そのため、日本在住でマイナンバーを持っている個人について、一律に「居住国ではTINが発行されていない」と判断するのは適切ではありません。
ただし、住民票がなくマイナンバーが付番されていないなど、一般的なケースと異なる場合は、KDPの案内や専門家へ確認してください。
マイナンバーをKDPへ入力するときの安全上の注意
マイナンバーは重要な個人情報です。
KDPの正規の税務インタビューで外国TINとして入力することと、通常のメールやフォームへ自由に送信してよいことは別です。
KDPへ直接ログインして入力する
マイナンバーを入力する場合は、普段利用しているKDPへ直接ログインし、アカウント内のTax Informationから手続きを開始してください。
メールやSNSで届いた不審なリンクから入力しないようにしましょう。
通常のメール本文へ送らない
通常の税務インタビューでは、KDPの税務情報画面にあるTIN欄へ番号を入力します。
マイナンバーをメール本文に記載して送信するような手続きではありません。
解説記事や動画では番号を完全に隠す
KDPの税務入力画面をスクリーンショットや動画で紹介する場合は、実際の番号を完全に見えない状態にしてください。
次のような映り込みにも注意しましょう。
- 入力済みのマイナンバー
- 税務書類のプレビュー
- ブラウザの自動入力候補
- マイナンバーカード
- ダウンロードした税務書類
本人確認と税務情報は別手続き
KDPでは、税務情報とは別に本人確認を求められることがあります。
KDP公式でも、本人確認とTax Informationは別の手続きであると案内しています。
そのため、外国TINを入力することと、マイナンバーカード画像を本人確認書類として送ることを混同しないようにしてください。
KDPの税務情報でよくある間違い
マイナンバーを米国TIN欄へ入力する
マイナンバーは米国のSSNやITINではありません。
外国TINまたは居住国TINの欄へ入力してください。
マイナンバーを入れれば必ず0%になると思う
外国TINの提供だけで税率が決まるわけではありません。
提出前後に表示される源泉徴収率を確認してください。
ペンネームを税務上の氏名として入力する
KDP上の著者名と税務上の氏名は別です。
税務情報には、本人確認書類や税務書類と整合する正式な氏名を使用します。
個人なのにW-8BEN-Eが表示されている
日本在住の個人著者が非米国人として登録する場合、通常はW-8BENです。
W-8BEN-Eが表示されている場合は、法人・個人の選択を見直してください。
税務情報を提出しただけで確認を終える
提出後は、KDPアカウントのTax Informationでステータスが「Complete」になっているか確認してください。
源泉徴収率もあわせて確認しておくと安心です。
税務情報は定期的に更新が必要
KDP公式では、W-8は署名した年から数えて3年後の年末に失効すると案内しています。
有効期限が切れると、税務プロフィールの更新が必要です。
租税条約による軽減税率を利用している場合、W-8が失効すると源泉徴収率が30%へ戻る可能性があります。
また、次のような変更があった場合も税務情報を見直してください。
- 氏名が変わった
- 住所が変わった
- 税務上の居住国が変わった
- 個人から法人へ変更した
- TINが変わった
税務設定後は振込情報も確認する
税務情報が正しくても、銀行口座情報に誤りがあるとKDPからの支払いを正常に受け取れない可能性があります。
税務情報とあわせて、口座名義や銀行情報も確認しておきましょう。
支払い時期や着金の流れは、『KDPの振込日はいつ?支払いサイクルと着金までの流れを徹底解説』で詳しく解説しています。
まとめ|マイナンバーは外国TINとして正しく入力する
KDPの税務情報では、米国TINと外国TINを区別することが重要です。
日本在住の個人著者が持つ12桁のマイナンバーは、米国TINではありません。
しかし、日本で税務目的にも使用される番号なので、KDPで居住国の所得税用TINを求められた場合は、外国TINとして入力するのが基本です。
重要なポイントを整理すると、次のとおりです。
- マイナンバーを米国TIN欄へ入力しない
- 外国TINまたは居住国TINの欄へ入力する
- 一般的なKDP出版だけならITIN取得は必須ではない
- TINなしでも税務情報を提出できる場合はある
- ただしTINなしでは租税条約による軽減が適用されない場合がある
- マイナンバーを入力すれば必ず0%になるわけではない
- 提出後はTax Informationが「Complete」か確認する
- 適用される源泉徴収率を確認する
- W-8の有効期限にも注意する
- 正規のKDP画面以外でマイナンバーを送らない
TINそのものの意味を整理したい方は、『KDPの納税者番号(TIN)とは?米国TIN・外国TINの違いを徹底解説』もあわせて確認してください。
税務上の事情が一般的な日本在住の個人著者と異なる場合や、表示された源泉徴収率に疑問がある場合は、KDPサポートや税務の専門家へ確認してください。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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