KDPの版(Edition)とは?第2版が必要になる変更と設定方法
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
KDPで出版した本の原稿や書誌情報をあとから変更するとき、第2版として出し直す必要があるのか迷うことがあります。
結論として、本を修正しただけで自動的に第2版になるわけではありません。
誤字脱字のような軽微な修正は既存版のまま更新でき、原稿の大幅な変更や出版後に編集できない主要情報の変更は新版として扱います。
変更内容を「既存版のまま更新できるもの」「新版が必要なもの」「例外を確認するもの」に分けると、第2版が必要かどうかを判断しやすくなります。
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KDPの版(Edition)とは何を示す番号か
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目次
KDPの版(Edition)は、その本が何番目のバージョンなのかを示す情報です。
最初に出版した本と、そのあと大幅に改訂した新版を区別するために使われます。
原稿を少し直すたびに増やす番号ではなく、KDPでは変更内容に応じて、既存版を更新する場合と新しい版として出版する場合を分けています。
版の基本的な考え方は、KDP公式の「本のタイトルと版」で確認できます。
初版は「1」、大幅な改訂は「2」以降で区別する
今後も版を重ねる予定の本を初めて出版する場合、KDP公式では版の欄に「1」を入力するよう案内しています。
その本を大幅に改訂して新版を出版するときに、「2」など何回目の版なのかを示す番号を設定します。
つまり第2版とは、単なる修正版ではなく、既存版と区別して扱う新しいバージョンです。
誤字脱字を直しただけの更新では、版番号を2へ上げる必要はありません。
「変更した回数」と「版番号」は別のものと考えると整理しやすくなります。
出版後は「版」欄を書き換えられない
KDPでは、本を出版したあとに既存タイトルの「版」欄を編集することはできません。
第1版として出版した本の数字を、あとから「2」へ変更する仕組みではないということです。
新版が必要になった場合は、既存本とは別に新しい本を作成し、その本で版番号を設定します。
反対に、既存版のまま更新できる内容であれば、新しい本を作る必要はありません。
そのため、第2版を作る操作へ進む前に、その変更が本当に新版を必要とするのかを確認してください。
第2版が必要な変更と、既存版のまま更新できる変更
第2版が必要かどうかは、変更したという事実だけでは判断できません。
原稿の変更量と、変更したい書誌情報の種類を分けて確認します。
| 変更内容 | 基本的な扱い |
|---|---|
| 原稿の更新でページ数が10%を超えて変わる | 新版が必要 |
| タイトル・主要著者名・ISBN・判型などを変更する | 新版が必要 |
| 誤字脱字などの軽微な原稿修正 | 既存版のまま更新 |
| 内容紹介・キーワード・カテゴリー・価格などの更新できる項目 | 既存版のまま更新 |
| 表紙の変更 | 変更の程度に応じて判断 |
本文の修正と書誌情報の変更では、確認する基準そのものが異なります。
原稿については変更量を、タイトルやISBNなどについては出版後に編集できる項目かどうかを確認します。
原稿の更新でページ数が10%を超えて変わる場合
KDP公式では、原稿を更新した結果ページ数が10%を超えて変わる場合は新しい版を作成する必要があると案内しています。
数か所の誤字を直した場合と、章を追加して内容を大きく増やした場合は同じ扱いになりません。
原稿を大きく変更するときは、変更前後でページ数がどの程度動くのかを先に確認してください。
10%を超えて変わるなら、既存版の原稿差し替えではなく新版として扱います。
原稿更新の考え方は、KDP公式の原稿更新に関する案内で確認できます。
なお、リフロー型電子書籍のページ数をどう算定するのかという具体的な基準は、KDP公式では明示されていません。
公開されていない算定方法を独自に決めて、10%の基準へ当てはめないようにしてください。
タイトル・主要著者名・ISBN・判型を変更する場合
本文の変更が少なくても、変更したい項目によっては既存版のまま編集できません。
KDPでは、タイトル・主要著者名・ISBN・判型などの主要情報が出版後にロックされるためです。
これらを変えたい場合は、新しい本として新版を作成する考え方になります。
たとえば、出版済みの本へ別のISBNを上書きすることはできません。
また、大幅に変更した新版へ、元の版と同じISBNをそのまま使うこともできません。
ISBNそのものの必要性や無料ISBNとの違いは、KDPのISBNとは?無料ISBN・自前ISBN・不要なケースを徹底解説で確認できます。
一方、内容紹介・キーワード・カテゴリー・価格などは、出版後も更新できる項目です。
変更したい項目がロック対象かどうかを先に確認すると、新版が必要か判断しやすくなります。
誤字脱字などの軽微な修正は既存版のまま更新できる
原稿に誤字脱字を見つけても、第2版を作る必要はありません。
軽微な原稿修正は、既存版の原稿を差し替える方法で対応します。
大文字・小文字の直しのような修正でも、新しい版番号を付ける必要はありません。
判断の基準になるのは修正した回数ではなく、原稿の変更量と変更する情報の種類です。
ただし、タイトルに軽微な誤字がある場合は、通常の原稿修正とは扱いが異なります。
KDP公式では、タイトルの軽微な修正についてAmazonへ問い合わせる方法が案内されています。
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表紙とペーパーバックは例外を確認する
第2版の判断では、すべての変更を同じルールで処理しないことも大切です。
表紙変更とペーパーバックには、原則だけでは整理できない例外があります。
特に電子書籍とペーパーバックでは、出版後に変更できる項目の条件が一部異なります。
通常の表紙差し替えは既存版のまま更新できる
KDPには、出版済みの本について既存版の表紙を新しい表紙へ更新する手順が用意されています。
そのため、デザインを変えただけで一律に第2版が必要になるとはいえません。
一方、KDP公式の版に関する案内では、大幅な変更の例として表紙も挙げられています。
つまり、通常の差し替えと、本そのものの同一性に関わるような大幅な変更は分けて考える必要があります。
ただし、どの程度の表紙変更から新版が必要になるのかという境界は、KDP公式では明示されていません。
「表紙を変えたら必ず第2版」「表紙ならどれだけ変えても既存版でよい」と決めつけない方が安全です。
公開後の表紙差し替え手順は、KDPの表紙変更方法と安全な差し替え手順で確認できます。
ペーパーバックは出版後72時間以内なら一部項目を編集できる
ペーパーバックには、タイトルなどの変更ルールに限定的な例外があります。
タイトル・サブタイトル・主要著者名は、最初の出版から72時間以内かつ審査終了後であれば編集できます。
この期間を過ぎると、これらの項目はロックされます。
出版直後のペーパーバックと、72時間を経過した本では判断が変わるということです。
この72時間の例外は、Kindle電子書籍について示されているものではありません。
電子書籍とペーパーバックの変更ルールを同じものとして扱わないようにしてください。
出版後に更新できる項目は、KDP公式の「本の詳細の更新」で確認できます。
白黒本は一部の用紙タイプを出版後も切り替えられる
ペーパーバックでは、インクと用紙タイプの扱いにも注意が必要です。
基本的には、出版後に自由に変更できる項目ではありません。
ただし白黒インクの本では、一部の用紙タイプ同士を出版後に切り替えられる例外があります。
- クリーム紙から白紙、または白紙からクリーム紙への変更
- クリーム紙から砕木パルプ紙、または砕木パルプ紙からクリーム紙への変更
- 白紙から砕木パルプ紙、または砕木パルプ紙から白紙への変更
一方で、白黒とカラーのインクタイプを出版後に切り替えることはできません。
「出版後は変更できない」という原則だけでなく、公式に示された例外まで確認しておくと判断を誤りにくくなります。
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第2版を作成して版番号を設定する手順
第2版が必要になった場合は、既存本の版番号を書き換えるのではありません。
KDPで新しい本を作成し、その本に版番号を設定します。
既存版で変更できない書誌情報がある場合も、新版側で必要な情報を登録して出版します。
既存版を編集せず新しい本として作成する
出版済みの本では「版」欄をあとから変更できないため、第1版の数字を直接「2」へ書き換えることはできません。
第2版は、既存版とは別の新しい本として作成します。
新規の本を登録するときと同じ流れで、原稿と書誌情報を設定していきます。
ここで気をつけたいのは、軽微な修正まで新しい本として作り直さないことです。
ページ数の変化と、変更したい項目がロック対象かどうかを確認したうえで進めてください。
新しい本の「版」欄に2など該当する番号を入力する
新版を作成するときは、新しい本の詳細情報で「版」の欄を設定します。
第2版であれば「2」など、その本が何回目の版なのかを示す番号を入力します。
第1版と第2版は、同じ登録情報を上書きして管理するものではありません。
それぞれの版を区別できるよう、新しい本側で番号を設定します。
また、KDP公式では、新版を提出する際に内容紹介の冒頭へ以前のタイトルと著者を示す説明を入れる案内があります。
タイトルと著者名の両方を大幅に変更することはできないため、新版でも変更範囲には注意してください。
変更内容に応じてISBNなどの書誌情報を設定する
新版では、元の本から何を変えるのかに合わせて書誌情報を登録します。
ISBNを使用する紙書籍では、大幅に変更した新版へ元の版と同じISBNを使うことはできません。
出版済みのISBNを別のISBNへ差し替えることもできないため、既存版への上書きとは切り分けて考えます。
タイトルや主要著者名、判型のように出版後にロックされる情報も、新版側で設定します。
反対に、内容紹介やキーワード、カテゴリー、価格など既存版のまま更新できる項目のために、新版を作る必要はありません。
旧版の販売状況を確認して扱いを決める
新版を出版するときは、旧版をどうするかも合わせて確認します。
ISBNやタイトル、著者情報を変更するケースでは、KDP公式で既存本を出版停止して新版を出版する案内があります。
ただし、すべての新版で旧版を必ず同じ方法で出版停止すると一律には決められません。
変更した理由と旧版の販売状況を確認し、出版停止するかどうかを判断してください。
また、旧版を出版停止しても、在庫や第三者による出品がある場合は販売が続くことがあります。
新版を公開すれば旧版がAmazon上から必ず消えるわけではない、という点も押さえておきましょう。
第2版が必要か迷ったときの確認順
判断に迷ったときは、変更した内容を次の順番で切り分けると整理できます。
| 確認順 | 確認する内容 | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 原稿の更新でページ数が10%を超えて変わるか | 超えるなら新版を作成 |
| 2 | 変更したい項目が出版後にロックされているか | 既存版で変更できなければ新版を検討 |
| 3 | 既存版のまま更新できる軽微な変更か | 更新できるなら新版は不要 |
| 4 | 表紙やペーパーバックの例外に該当するか | 該当する条件を確認して判断 |
「本を直したから第2版」ではなく、その変更が既存版で許可されているかを基準にすると判断がぶれません。
境界が公式に示されていない変更については、一律に第2版と決めず、既存版で対応できる範囲から確認していきましょう。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
受講生の累計出版数10,000冊以上。(2026年時点)
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