Kindle出版のコミュニティ運営&サポート歴5年。
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。

Kindle出版で月5万円を目指すとき、最初に決めるべきなのは出版タイトル数ではありません。1販売あたりの実受取額から、必要な販売数を逆算することが出発点になります。

収益は通常販売のロイヤリティだけでなく、Kindle Unlimitedで読まれたページ数からも発生します。この記事では、月5万円を「実受取額」「必要販売数」「タイトルごとの目標額」へ分解し、確認すべき数字を具体的に整理します。

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月5万円に必要な販売数は1販売あたりの実受取額から逆算する

同じ5冊を出版していても、1冊あたりの販売数や既読ページ数が違えば月の収益は大きく変わります。そのため、先に確認するのは冊数ではなく金額です。

必要販売冊数=50,000円÷1販売あたりの実受取ロイヤリティ

通常販売だけで月5万円を目指す場合の計算は単純です。

必要販売冊数=50,000円÷1販売あたりの実受取ロイヤリティ

実受取額が約477円なら約105冊、約318円なら約158冊というように、単価が決まれば必要な販売数はすぐに求められます。

販売価格をそのまま単価として使わない

500円で販売していても、500円すべてが著者の収益になるわけではありません。35%または70%のロイヤリティ率に加えて、税金や、70%の場合は配信コストも計算に反映されます。

収益設計で使う単価は、販売価格ではなく実際に受け取る1販売あたりのロイヤリティです。

「5冊出せば月5万円」という固定の基準はない

1タイトルだけでも月5万円分の収益を生めば目標に到達します。反対に10タイトル出版していても、合計ロイヤリティが5万円未満なら届きません。

収益を決めるのは出版タイトル数そのものではなく、それぞれの本が毎月どれだけ販売・既読されるかです。

販売価格別に月5万円へ必要な販売冊数を比較する

Amazon.co.jpでは、条件を満たした電子書籍なら250円から1,650円の価格帯で70%ロイヤリティを選択できます。ただし日本の読者への販売で70%を適用するには、価格に加えてKDPセレクトへの登録などの条件も必要です。

70%ロイヤリティは税金と配信コストを差し引いて計算する

70%ロイヤリティは「販売価格×70%」ではなく、基本的には70%×(希望小売価格-税金-配信コスト)で計算されます。

  • 日本在住の読者へ販売する場合、電子書籍価格には10%の消費税が含まれる
  • Amazon.co.jpの配信コストは1MBあたり1円、最低1円として計算される
  • 日本での販売では、10MB以上の書籍について配信コストを差し引かない例外がある
  • 35%ロイヤリティでは配信コストは差し引かれない

計算条件の詳細は、Amazon KDP公式の電子書籍の価格設定で確認できます。

250円から1,650円までの必要販売数一覧

次の表は、Amazon.co.jp、日本在住読者、消費税10%、70%ロイヤリティ対象、ファイルサイズ1MB、配信コスト1円、価格調整なしという条件で計算した目安です。

販売価格 ロイヤリティ率 1販売の実受取額目安 月5万円に必要な販売数
250円 70% 約158円 約317冊
500円 70% 約318円 約158冊
750円 70% 約477円 約105冊
1,000円 70% 約636円 約79冊
1,250円 70% 約795円 約63冊
1,650円 70% 約1,049円 約48冊

この表が示すのは「どの価格が最も売れるか」ではなく、同じ収益目標を価格別に逆算した比較です。価格を上げても同じ販売数を維持できるとは限らない点には注意してください。

99円は35%ロイヤリティのため必要販売数が大きく増える

Amazon.co.jpでは99円の電子書籍も設定できますが、99円は70%ロイヤリティの対象価格ではありません。

35%で計算すると、日本在住読者への販売では1販売あたりの実受取額は約32円です。通常販売だけで月5万円を目指すなら、計算上は約1,563冊の販売が必要になります。

99円出版の使い方や価格戦略は、Kindle出版99円設定の印税率と価格戦略で確認できます。

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月5万円を1冊・3冊・5冊・10冊へ分けて目標額を出す

月5万円という目標は、各タイトルが月いくらを担当するかへ分解すると、1冊ごとに追うべき数字が見えてきます。

1冊集中なら1タイトルで必要販売数を満たす

1タイトルだけで達成する場合、その1冊で5万円分のロイヤリティを作ります。750円(実受取額約477円)なら約105冊、500円(同約318円)なら約158冊が毎月必要です。

これは1冊では達成できないという意味ではなく、その販売数を現実的に狙えるか判断するための基準になります。

5冊なら1冊あたり月1万円、10冊なら月5,000円

出版タイトル数 1タイトルあたりの月間収益目標 合計目標
1冊 50,000円 50,000円
3冊 約16,667円 約50,000円
5冊 10,000円 50,000円
10冊 5,000円 50,000円

750円(実受取額約477円)で均等に考えるなら、5タイトルでは1冊あたり月約21販売、10タイトルでは月約11販売が目安です。分散させるほど、1タイトルに求める販売数は小さくなります。

均等配分から各タイトルの実績に合わせて調整する

実際には、すべてのタイトルが同じ金額を稼ぐとは限りません。最初は均等配分で目標を作り、販売実績が見えてきたら、動きのよい本へ高い目標を置き、動きの小さい本は低めに設定します。

基準になるのは「5冊出版したから月5万円」ではなく、5冊の合計収益が5万円になる設計です。出版タイトル数と収益の関係そのものは、Kindle出版は何冊出せば稼げるのかを整理した記事で確認できます。

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Kindle Unlimitedの既読収益を月5万円の中へ組み込む

Kindle Unlimitedで既読収益が発生している場合、5万円すべてを通常販売で作る必要はありません。

KU収益を先に差し引いて残りを通常販売で逆算する

  1. 月5万円からKUの予想収益を差し引く
  2. 残った金額を通常販売の目標額にする
  3. 通常販売の目標額を1販売あたりの実受取額で割る

KUで月1万円の収益があるなら、通常販売で必要なのは残り4万円です。750円(実受取額約477円)なら、必要な販売数は約105冊から約84冊へ下がります。

KENPレートは毎月変動するため固定単価で計算しない

Kindle Unlimitedのロイヤリティは、読者に読まれたKENP(既読ページ数)を基準に発生します。ただし、1KENPあたりのレートは毎月同じ金額ではありません。

当月のKENPも翌月15日頃まで変わる可能性があるため、確定前の数字だけで収益計画を固定しないようにします。

前月のレートを基準に複数ケースで試算する

将来のKU収益を見積もるときは、前月のKENPレートを基準にする方法があります。翌月も同じレートになる保証はないため、前月と同程度の場合に加えて、上がった場合と下がった場合も想定しておくと目標とのずれを把握しやすくなります。

KUでは「必要販売冊数」ではなくどれだけ既読収益を担当させるかという形で5万円へ組み込みます。KENPやKDPセレクトの仕組みは、Kindle Unlimitedの著者収入とKDPセレクトの仕組みで確認できます。

価格を上げるだけでは月5万円に近づくとは限らない

価格が高いほど1販売あたりの実受取額は増え、計算上の必要販売数は減ります。ただし、必要販売数が少ない価格と、実際に収益を作りやすい価格は同じとは限りません。

計算上の必要販売数と実際の販売数は別に考える

価格別の比較から分かるのは、その価格で何冊売れれば5万円になるかという数字だけです。価格を上げたときに販売数が維持されるかどうかまでは示していません。

逆に、価格を下げただけで販売数が増えるとも断定できません。「最もロイヤリティが高い価格にすればよい」という決め方は避け、価格と必要販売数をセットで確認します。

KDPの推定ロイヤリティで現実的な単価を確認する

収益設計では、自分の計算だけでなくKDPの価格設定画面に表示される推定ロイヤリティも確認します。設定価格ごとの推定額が分かれば、その金額を使ってそのまま必要販売数を逆算できます。

販売価格を先に決め打ちせず、推定ロイヤリティと必要販売数を見比べてから決める方が判断しやすくなります。

月5万円は出版冊数ではなくタイトルごとの収益の合計で管理する

確認する順番は、月5万円→通常販売とKUの内訳→各タイトルの目標額です。この順で分解すると、販売数が不足しているのか、KUの既読が不足しているのか、特定タイトルへの依存が大きいのかを切り分けられます。

出版タイトルが増えても、それだけで目標へ近づいたとは判断できません。価格、1販売あたりの実受取ロイヤリティ、通常販売数、KUの既読収益という4つの数字を定期的に確認し、合計が5万円になる形へ配分を調整していきます。

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【著者:石黒秀樹】

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