KDPペーパーバックのマージンととじしろ(ガター)とは?ページ数別の設定
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
KDPペーパーバックの原稿を作るとき、ページの余白を何mmにすればよいのか迷いやすいところです。
先に結論をまとめると、内側の余白は最終ページ数で決まり、上・下・外側は裁ち落としの有無で決まります。
もうひとつ間違えやすいのが、KDPで使われる「ガター」という言葉と、Wordのページ設定にある「とじしろ」という入力欄です。名前は似ていますが、同じものとして両方に数値を入れると余白が広がりすぎる可能性があります。
この記事では、ページ数別の内側マージン、裁ち落とし別の外側マージン、Wordでの入力方法と入稿前の確認手順までを整理します。
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マージンととじしろ(ガター)は決め方が違う
目次
マージンとは、本文ページの周囲に設ける余白です。KDPでは上・下・外側・内側のそれぞれに、最低限必要な幅が定められています。
ペーパーバックでは、四方向をすべて同じ幅にすればよいわけではありません。綴じ側になる内側だけは、他の三方向とは別の基準で決まります。
| 余白の位置 | KDPでの呼ばれ方 | 最低値の決まり方 |
|---|---|---|
| 内側 | 内側マージン、のど、gutter(ガター) | 本の最終ページ数 |
| 上・下・外側 | マージン | 裁ち落としの有無 |
マージンは文字や画像を安全な範囲に収めるための余白
印刷と裁断には、わずかな位置のずれが生じます。文字や重要な画像をページ端ぎりぎりに配置すると、そのずれによって切れたり読みにくくなったりする可能性があります。
マージンは、このずれを吸収するための余白だと考えると分かりやすくなります。KDPが示す最低値は「ここまでは文字を入れない」という下限であり、レイアウトに合わせて広げる分には問題ありません。
ガター(のど)は製本される内側の余白
本が綴じられる側の余白を、KDPでは「内側マージン」として扱います。ヘルプの表記によっては、同じ部分が「のど」や「gutter(ガター)」と表現される場合もあります。
見開きにすると、左ページと右ページでは綴じ側が左右反対になります。そのため内側の余白も、ページごとに位置を切り替える必要があります。
また、本が厚くなるほど綴じ部分は開きにくくなり、内側の文字が谷間に入り込みやすくなります。KDPがページ数帯ごとに内側マージンの最低値を分けているのは、このためです。
内側マージンはページ数別に9.6mm〜22.3mm
内側マージンは、判型ではなく最終的なページ数で決まります。ページ数が増えるほど、必要な幅も段階的に広がります。
| ページ数 | 内側マージンの最低値 |
|---|---|
| 24〜150ページ | 9.6mm以上 |
| 151〜300ページ | 12.7mm以上 |
| 301〜500ページ | 15.9mm以上 |
| 501〜700ページ | 19.1mm以上 |
| 701〜828ページ | 22.3mm以上 |
150ページと151ページでは必要な内側マージンが変わる
迷いやすいのは、区分の境目にあたるページ数です。
たとえば150ページで完成した本なら内側は9.6mm以上ですが、内容を足して151ページになった時点で12.7mm以上が必要になります。1ページ増えただけでも、区分をまたげば条件は変わります。
同じことは300ページ、500ページ、700ページの前後でも起こります。原稿の途中で仮のマージンを入れている場合は、そのままにせず完成後に見直してください。
301ページ以上は厚みに応じてさらに広げる
300ページを超える本は、表のとおりページ数が増えるごとに内側を広げていきます。厚い本ほど綴じ側を余分に確保する、という考え方で整理すると迷いにくくなります。
ただし、表に701〜828ページの区分があるからといって、どの本でも828ページまで出版できるわけではありません。実際に使える最大ページ数は、判型や印刷条件によって変わります。
最後にもう一度ページ数を確認してから確定する
画像の追加、改ページ、フォントサイズの変更などがあると、ページ数は簡単に前後します。余白を先に確定してから本文を増やすと、条件を満たさなくなる可能性があります。
そのため、内側マージンは本文が完成してから最後に決めるのが安全です。ページ数別の基準は、判型、裁ち落とし、マージンの設定でも確認できます。
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上・下・外側マージンは裁ち落としなし6.4mm・あり9.6mm以上
内側以外の三方向は、ページ数とは関係なく裁ち落としを使うかどうかで最低値が決まります。
裁ち落としなしは6.4mm以上にする
本文に裁ち落としを設定しない場合、上・下・外側のマージンは6.4mm以上です。
この6.4mmは内側には使いません。たとえば120ページの本なら、上・下・外側は6.4mm以上、内側はページ数の基準に従って9.6mm以上、という組み合わせになります。
なお、三方向を同じ幅にそろえる必要はありません。最低値を満たしていれば、本文デザインに合わせて広げてかまいません。
裁ち落としありは9.6mm以上にする
ページの端まで背景や画像を配置する場合は、裁ち落としの設定が必要になり、上・下・外側は9.6mm以上が求められます。
このとき内側は、裁ち落としの有無ではなくページ数で判断します。内側はページ数、上・下・外側は裁ち落としと分けて考えると、条件を取り違えにくくなります。
裁ち落とし用PDFのサイズや作り方は、KDPの裁ち落としと本文・表紙の設定方法で確認してください。
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Wordでは「見開きページ」の内側へ必要値を入力する
Wordで原稿を作る場合は、左右のページで内側と外側が入れ替わる設定にします。数値を入れる前に、判型とページ数を確定させておくと二度手間を避けられます。
判型と最終ページ数を先に確定する
最初に決めるのは本の判型です。判型が変われば1ページに入る文字数も変わり、結果としてページ数も動きます。
判型を決めて本文を仕上げ、最終ページ数を確認してから内側マージンを確定する、という順番が安全です。判型の選び方は、KDPペーパーバックの判型とおすすめサイズで詳しく確認できます。
「見開きページ」にして内側と外側を設定する
通常の左右マージンのままだと、ページをめくったときに綴じ側が正しく切り替わりません。実際のペーパーバックでは、左ページと右ページで綴じ側が反対になるためです。
Wordのページ設定では、複数ページの指定を「見開きページ」に変更します。すると入力欄が「左・右」から「内側・外側」へ変わります。
内側にはページ数から決めた値を、外側には裁ち落としの条件に合う値を入力します。これで、左右どちらのページでも綴じ側に必要な余白が確保されます。
Wordの「とじしろ」欄はKDPの手順では空欄にする
Wordのページ設定には、「内側」とは別に「とじしろ」という入力欄があります。名前だけを見ると、ここへガターの値を入れたくなるかもしれません。
しかしKDPがWord向けに示している手順では、必要な値は「内側」へ入力し、「とじしろ」は空欄のままにします。
「内側9.6mm+とじしろ9.6mm」のように両方へ入れると、余白が二重に加算され、意図した位置より本文が中央側へ寄る可能性があります。KDPのヘルプでは内側マージンをガターと呼ぶ説明もあるため、言葉の一致だけで入力欄を選ばないようにしてください。
Word用の設定手順は、KDPのペーパーバック原稿のWord書式設定で確認できます。
なお、他のレイアウトソフトでは入力項目の名称や扱いが異なります。Wordのやり方をそのまま別のソフトへ当てはめないようにしましょう。
設定後は印刷プレビューまで確認する
マージンは数値を入力した時点では完了しません。実際の仕上がりを画面で確認するところまでが一連の作業です。
- 使用する判型を確定します。
- 本文を仕上げて最終ページ数を確認します。
- 裁ち落としを使うかどうかを決めます。
- 内側と外側のマージンを入力します。
- 入稿後に印刷プレビューで配置を確認します。
この順番を固定しておくと、先に余白だけ決めて、あとからページ数が変わるという手戻りを防げます。
KDPの数値は最低値なのでレイアウトに応じて広げる
表に示した値は、あくまで下限です。最低値を満たしていても、その本にとって最も読みやすい余白とは限りません。
文字サイズが大きい本や、1行の文字数が多い本では、下限ぎりぎりより広めの余白のほうが読みやすくなる場合もあります。
ただし、何mm広げれば最適かという基準はKDP側で一律に決められていません。判型やデザインによって変わるため、特定の数値をすべての本の正解として扱わないようにしてください。
印刷プレビューで文字や余白の位置を確認する
本文をKDPへアップロードしたら、印刷プレビューで完成状態を見ます。確認するのは数値そのものではなく、文字や重要な画像がページ端や綴じ部分へ寄りすぎていないかです。
見開き表示では、左右のページで内側の位置が正しく入れ替わっているかも合わせて見てください。ページ数を修正した場合は、内側マージンの区分が変わっていないかを再確認します。
プレビューで警告が表示されたときの原因と対処は、KDPの印刷プレビューで警告が出る原因と対処法にまとめています。
ペーパーバックの余白設定は、内側をページ数から、上・下・外側を裁ち落としの有無から決めるだけで大部分が片づきます。
Wordを使う場合は「見開きページ」の内側へ必要値を入力し、「とじしろ」欄と二重に設定しないよう注意しましょう。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
受講生の累計出版数10,000冊以上。(2026年時点)
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