Kindle出版のaltテキスト(代替テキスト)とは?画像設定を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle本に画像を入れるとき、altテキストに何を書けばよいのか、そもそもすべての画像に必要なのかで迷うことがあります。
altテキストは、画像が表示されないときの予備の文字ではありません。画像を見られない読者へ、その画像が伝えている情報を文字で届けるための説明です。
そのため、すべての画像へ一律に文章を入力するのではなく、意味のある画像と装飾だけの画像で扱いを分けます。この記事では、altテキストの役割、必要かどうかの判断基準、書き方、WordやEPUBでの設定方法まで順に整理します。
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altテキストとは画像の情報を文字で伝える代替テキスト
目次
altテキストとは、画像が伝えている内容や意味を文字で表した代替テキストです。
Kindle本では、スクリーンリーダーなどを利用する読者が画像の情報を受け取るために使われます。画像ファイルの名前を入れる欄でも、「画像」とだけ入力する欄でもありません。
設定するときの基準は、「この画像から読者が何を理解する必要があるか」です。
スクリーンリーダーで画像の内容を伝えるために使う
文章はスクリーンリーダーで読み上げられますが、画像の内容そのものは同じようには伝わりません。そこで、画像から得られる重要な情報をテキストで補う役割を持つのがaltテキストです。
必要かどうかを判断するときは、「この画像を見られなくても、本の内容を理解できるか」と考えると整理しやすくなります。
画像がなくなることで重要な情報が欠けるなら、altテキストを設定する対象です。逆に、なくても意味がまったく変わらない飾りの画像は、扱いが異なります。
アクセシビリティに関する現在の考え方は、KDP公式の電子書籍のアクセシビリティに関する案内でも確認できます。
意味のある画像には140文字以内で設定する
現在のKDP日本語ヘルプでは、意味のある画像には140文字以内のaltテキストを設定するよう案内されています。古い情報では「140文字未満」と説明される場合がありますが、現行の公式情報を基準にしてください。
注意したいのは、長く詳しく書くほどよいわけではない点です。画像の見た目をすべて説明するのではなく、読者が内容を理解するために必要な情報だけを簡潔にまとめます。
たとえばグラフなら、色や枠線を細かく描写するより、そのグラフが何を示しているのかを伝えます。人物写真でも、本文上必要なのが人物の行動であれば、その内容が分かる説明を優先します。
altテキストの目的は、画像を忠実に実況することではなく、画像が担っている情報を代替することです。
altテキストが必要な画像と装飾画像を最初に分ける
設定作業に入る前に、その画像が「意味のある画像」なのか「装飾画像」なのかを判断します。この判断を先に行うと、書く内容も自然に決まります。
| 画像の種類 | 判断 | altテキストの扱い |
|---|---|---|
| 本文理解に必要な画像 | 意味のある画像 | 内容や意味を簡潔に説明する |
| 純粋な飾りの画像 | 装飾画像 | 説明文を付けず装飾画像として扱う |
| リンクになっている画像 | 操作に意味がある画像 | リンクの目的が分かる内容にする |
迷った場合は、その画像を本から取り除いた状態を想像してください。理解に必要な情報まで失われるなら、altテキストを付ける対象です。
画像がないと本文を理解しにくい場合は説明を設定する
図、グラフ、手順を示す画像などが本文の意味を補っている場合は、画像を見られない読者にも同じ情報が届くようにaltテキストを設定します。
たとえば、本文で「次のグラフを見ると分かります」とだけ書いている場合、グラフを見られない読者には何も伝わりません。この場合は、グラフが示している重要な内容をaltテキストで補います。
一方で、画像の周囲にある本文だけで同じ情報を十分に理解できるなら、説明が重複しないよう調整します。
「画像があるから書く」ではなく、その画像が読者へ何の情報を渡しているかで判断してください。
純粋な装飾画像は説明を書かず装飾画像として扱う
本の内容とは直接関係せず、見た目を整えるためだけに使っている画像もあります。この場合、意味のある説明文を無理に作る必要はありません。
KDP公式では、装飾画像について空のalt属性や、装飾であることを示す設定で支援技術の対象から外す方法が案内されています。EPUBやHTMLであれば、空のalt属性として alt=”” を使う方法があります。
ここで「装飾画像」や「null」という文字をaltテキストとして入力するわけではありません。それではスクリーンリーダー側へ不要な文字が伝わり、装飾画像として扱う目的から外れてしまいます。
判断の基準は、デザイン上の役割ではなく本文理解への影響です。
リンク画像はリンク先の目的が伝わるようにする
画像そのものがリンクになっている場合は、考え方が少し変わります。KDP公式では、リンク画像ではリンクの目的が分かるaltテキストにするよう案内されています。
画像を選ぶと別の場所へ移動する場合、見た目を説明しても操作の目的は伝わりません。読者に必要なのは、「その画像を選ぶと何が起こるのか」です。
リンク画像では、色や形の描写より移動先や操作の目的を優先しましょう。
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altテキストは見た目ではなく伝えるべき意味を書く
altテキストを書くとき、画像に写っているものを機械的に列挙する必要はありません。その画像が本文の中で何を伝えるために置かれているのかを基準に内容を決めます。
同じ画像でも、本文中での役割が違えば、伝えるべき情報も変わります。短くすることだけを目的にせず、必要な意味を残したうえで簡潔にまとめてください。
ファイル名や「画像です」だけでは代替にならない
「image01」「photo」などのファイル名をそのまま入れても、画像が何を意味しているのかは分かりません。「画像です」「グラフです」だけでも内容の代替にはなりません。
何の画像なのか、何を示すグラフなのかまで分かるようにします。たとえば「折れ線グラフ」で止めず、本文理解に必要であれば何の推移を示しているのかまで伝えます。
ただし、色や背景、配置など、理解に不要な見た目まで並べる必要はありません。画像から得られる必要な情報を文章へ置き換えると考えると作りやすくなります。
本文と同じ説明を必要以上に繰り返さない
altテキストは、本文とは別に長い説明を追加する場所ではありません。画像の内容が周囲の本文ですでに説明されているなら、同じ文章を丸ごと繰り返す必要はありません。
目指すのは、本文とaltテキストを合わせて、必要な情報が過不足なく伝わる状態です。
逆に、本文で触れていない重要情報を画像だけに載せている場合は注意してください。その情報が理解に必要なら、altテキストで補うだけでなく、本文の構成自体を見直す余地があります。
文字や表など重要な情報を画像だけにしない
KDPでは、重要な文章や情報を画像で掲載するのではなく、可能であれば実際のテキストを使うことが推奨されています。
文章を画像化すると、見た目では読めても、画像内の文字を通常の本文と同じようには扱えません。表も同様で、理解に必要な情報であれば、画像として貼るだけの方法に頼らないようにします。
altテキストは、重要情報をすべて画像化してよい理由にはなりません。本文として表現できる情報は本文で伝え、画像でしか表現しにくい部分をaltテキストで補います。
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WordでKindle本の画像にaltテキストを設定する方法
Wordで原稿を作成している場合は、画像を選択し、代替テキストの設定画面から説明を入力します。意味のある画像には説明を入力し、純粋な装飾画像は装飾用として扱うのが基本です。
| 手順 | 操作 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 対象の画像を選択する | 本文理解に必要な画像か確認する |
| 2 | 「代替テキスト」の設定を開く | 説明が必要か装飾用か判断する |
| 3 | 必要な説明を入力する | 画像が伝える意味を簡潔に書く |
| 4 | 装飾画像は装飾用として設定する | 不要な説明を読み上げさせない |
Wordのバージョンや利用環境によって、メニュー名や画面の開き方は異なります。表示されている画面を確認しながら、対象画像の代替テキスト設定へ進んでください。
画像を選択して「代替テキスト」から説明を入力する
まず、設定したい画像をWord上で選択し、その画像の設定から代替テキストに関する項目を開きます。
ここで入力するのは、ファイル名や画像の種類ではありません。画像を見られない読者にも、本文を理解するために必要な情報が伝わる文章にします。
グラフであれば「グラフ」で終わらせず、本文上重要な内容が分かる説明にしましょう。文字数は140文字以内が上限の目安ですが、埋める必要はなく、必要な意味が伝わった時点で十分です。
なお、Wordで設定した代替テキストが、どの変換方法でも同じように保持されるとは限りません。変換や入稿を済ませたあとは、作成したファイルや手元の確認環境でも状態を見ておくと安全です。
装飾だけの画像は「装飾用」として設定する
見た目を整えるためだけの画像には、意味のある説明を無理に作るのではなく、Wordで装飾画像として扱う設定を使います。Microsoft Wordには、画像などを装飾用としてマークする機能があります。
これにより、内容理解に必要のない画像と、意味のある画像を区別できます。
判断基準は、画像がきれいかどうかや大きさではありません。取り除いても本文の情報が変わらないなら装飾画像として扱えますが、小さなアイコンやイラストでも、操作や内容理解に必要なら装飾とはいえません。
EPUB・HTMLではimgタグのalt属性に設定する
EPUBやHTMLを直接扱う場合は、画像を配置するimg要素のalt属性で代替テキストを設定します。ここでも、意味のある画像と装飾画像で扱いを分けます。
意味のある画像はalt属性へ説明を記述する
本文理解に必要な画像では、img要素のalt属性に画像の意味を説明する文章を設定します。考え方はWordと同じで、見た目をすべて書き並べる必要はありません。
その画像が本文の中で読者へ伝えている情報を、alt属性の文章で代替します。ファイル名だけ、あるいは「画像」「写真」だけでは内容を伝えられません。
画像を見られない状態を想定し、何の情報が失われるのかを確認してから説明を作りましょう。
EPUBそのものの作り方や入稿時の注意点は、Kindle出版のEPUB形式の作り方と注意点で確認できます。
装飾画像はalt=””などで読み上げ対象から外す
純粋な装飾画像では、意味のある説明文をalt属性へ入れる必要はありません。KDP公式では、空のalt属性である alt=”” や、role=”presentation” を使う方法が示されています。
これは「null」「装飾画像」といった文字を入力するという意味ではなく、支援技術にとって不要な画像を、内容を持つ画像と区別するための設定です。
すべての画像へ無理に説明を書くと、装飾まで読み上げ対象になり、かえって読者の理解を妨げる場合があります。EPUBでも、まず画像の役割を判断してからalt属性を設定してください。
Kindle CreateとKDPのアクセシビリティ情報は分けて考える
altテキストに関連して、Kindle CreateやKDPのアクセシビリティ情報を目にすることがあります。ただし、これらを同じ設定として考えないよう注意が必要です。
Kindle Createは原稿制作に使うツールで、KDPのアクセシビリティ情報は本全体の対応状況を扱う仕組みです。
Kindle Createの代替テキスト機能は対応条件を先に確認する
Kindle Createには、画像のプロパティから代替テキストを設定する機能があります。完全な装飾画像をスクリーンリーダーの対象から外す機能も用意されています。
ただし、日本語のKindle本で使う場合は、Kindle Createの対応形式を確認してから利用する必要があります。現在のKDP日本語ヘルプでは、日本語のリフロー型の本やプリント・レプリカの本について、対応に制限が示されています。
そのため、日本語本のaltテキスト設定方法として、Kindle Createだけを前提にしないでください。
現在利用できる形式や条件は、Kindle Createの日本語対応形式と使えるケースで整理しています。
KDPのアクセシビリティ情報は本全体の対応状況を登録する仕組み
個々の画像へ設定するaltテキストと、本全体のアクセシビリティ情報は役割が異なります。
altテキストは、画像の情報をテキストとして読者へ伝えるものです。一方、KDPのアクセシビリティ情報は、本全体の対応状況をAmazonの商品詳細ページへ伝えるためのものです。
KDP側で情報を登録したから原稿内の画像にaltテキストが不要になる、という関係ではありません。それぞれ別に設定してください。
KDP側で登録する内容は、KDPのアクセシビリティ情報の登録項目と設定方法で確認できます。
本全体の読み上げ対応はaltテキスト以外の設定も関わる
altテキストが担当するのは、主に画像が持っている情報を文字で代替する部分です。設定しても、本全体のアクセシビリティ対応がすべて完了するわけではありません。
本全体をスクリーンリーダーで利用しやすくするには、画像以外の要素も含めて確認する必要があります。
本全体の対応方法は、Kindle本をスクリーンリーダー対応にする方法を徹底解説で確認してください。
altテキストを設定するときの確認リスト
- その画像を取り除いても、本文の意味が変わらないか確認した
- 本文理解に必要な画像へ、意味が伝わる説明を入力した
- 純粋な装飾画像は、説明を書かず装飾用として扱った
- リンク画像は、移動先や操作の目的が分かる内容にした
- ファイル名や「画像です」だけで終わっていない
- 140文字以内で、必要な情報が過不足なく伝わる長さにした
- 重要な文章や表を、画像だけに閉じ込めていない
- 変換・入稿後のファイルでも、設定した内容を確認した
まず画像の役割を判断し、必要な場合だけ意味を簡潔な言葉へ置き換える。この順番で進めれば、画像を追加するたびに迷わずに済みます。
【著者:石黒秀樹】
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