Kindle出版の原稿の書き方とは?作成手順・Word設定・目次を徹底解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
Kindle出版の原稿は、いきなり本文から書き始めるとうまくいきません。先に「読者・テーマ・章立て」を決め、Wordの見出しスタイルで章構造を作りながら書き進めると、目次が自動で組み上がり、入稿前の修正がほとんど発生しなくなります。
逆に、思いついた順に書いて後から整えようとすると、目次に章タイトルが出てこない、章の順番が合わない、といった手戻りが起こりやすくなります。この記事では、原稿作成の全体手順、章立ての決め方、Wordの書式設定、目次の作り方、保存形式、入稿前の確認までを、実際に作業する順番で解説します。
KDPの仕組みや出版に必要な条件そのものを先に整理したい方は、『電子書籍の出し方とは?KDPで出版する手順と注意点を徹底解説』もあわせて読んでみてください。
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Kindle出版の原稿の書き方は「構成→見出し→本文→目次→プレビュー」の順
目次
Kindle本の原稿づくりは、文章力よりも作業の順番で仕上がりが変わります。最初に全体の流れを押さえておくと、どの作業をどこまでやれば次に進めるかが判断できます。
原稿完成までの作業手順
原稿づくりは、次の順番で進めるとやり直しが起きにくくなります。
- 読者と1つのテーマを決める
- 章立て(目次案)を先に書き出す
- 執筆ツールを決める(Word/Googleドキュメントなど)
- 章タイトルと小見出しを見出しスタイルで先に入力する
- 見出しの下に本文を書き込む
- 書式(段落・行間・画像)を整える
- 目次が正しく生成されるか確認する
- 保存形式を選んでKDPへアップロードし、プレビューで表示を確認する
本文を書く前に「章タイトルと小見出しを見出しスタイルで入力する」工程を入れるだけで、目次まわりのトラブルの大半は防げます。
KDP出版の流れの中で原稿が必要になるタイミング
KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)では、アカウント登録やテーマ決めの段階で原稿が完成している必要はありません。原稿ファイルが必須になるのは、KDPの管理画面で書籍情報を入力し、ファイルをアップロードする段階です。
ただし、構成が固まらないまま書き始めると、タイトル・説明文・章構成の内容がずれ、あとから全体を直すことになります。順番としては、テーマと構成を決める→原稿を書く→表紙や説明文を用意する、と進めるほうが修正が少なくなります。
「Wordで見た目を整えればOK」がうまくいかない理由
Kindleの電子書籍はリフロー型と呼ばれる形式で、読者の端末の画面サイズや文字サイズに合わせて表示が変わります。紙のようにページの位置が固定されないため、次のような整え方は崩れの原因になります。
- 文字サイズを大きくしただけの「見出しに見える行」
- 空白行やスペースを重ねて位置を調整する
- 目次を手入力で書き並べる
- 中央揃えや太字を多用する
見出しスタイルが設定されていない行は、変換時に見出しとして扱われません。その結果、プレビューで章タイトルが目次に表示されない、という状態になります。見た目ではなく「文書の構造」を作る意識が必要です。
Word原稿の書式設定そのものや、レイアウト崩れを招きやすいNGパターンは、『Kindle出版の原稿とは?Wordで作る書式設定と注意点を徹底解説』で詳しく確認できます。
原稿を書き始める前に決める3つのこと
執筆が途中で止まる原因の多くは、書く前の決めごとが足りないことにあります。読者・テーマ・章立ての3つを先に固めておくと、本文を書く作業が「決めた枠を埋めるだけ」になります。
読者とテーマは1冊につき1つに絞る
電子書籍は短めのテーマでも成立します。スキル解説、手順の説明、体験を整理したもの、考え方をまとめたものなど、扱える範囲は広い一方で、内容を詰め込みすぎると読者が最後まで読み切れなくなります。
テーマを決めるときは、次の形で1文にまとめてみると絞り込みやすくなります。
- 誰が(例:これから副業を始める会社員)
- どんな悩みを持っていて(例:何から手をつければいいか分からない)
- 読み終えたあとどうなるか(例:最初の3ステップを自分で決められる)
この1文に入らない話題は、章から外す判断材料になります。
テーマの範囲に対して、どのくらいの分量が適切なのか迷う場合は、『Kindle出版の文字数とは?初心者が知るべき目安と注意点を徹底解説』も参考にしてください。1万〜3万文字以上の構成例や、原稿が短すぎる・長すぎる場合の注意点を解説しています。
章立ては「悩み→原因→解決策→具体例→まとめ」で並べる
章(チャプター)は、読者の悩みを起点に並べると自然な流れになります。基本形は次のとおりです。
- 読者が抱えている状況と悩みの提示
- その悩みが起きる原因
- 解決するための考え方や手順
- 具体的な進め方や事例
- まとめと次の行動
この段階で章タイトルと、各章に入れる小見出しを箇条書きで書き出しておきます。ここで作ったリストが、そのまま目次になります。
Word・Googleドキュメント・Kindle Createの使い分け
執筆ツールは、それぞれ得意な工程が違います。目的に合わせて分けると迷いません。
| ツール | 向いている工程 | 特徴 |
|---|---|---|
| Word | 執筆から書式調整まで | 見出しスタイルの設定がしやすく、DOCXでそのまま入稿できる |
| Googleドキュメント | 執筆・構成づくり | 自動保存と共同編集が便利。入稿時はDOCX形式でダウンロードする |
| Kindle Create | 完成原稿の体裁調整 | KDP向けの体裁に整えやすく、KPF形式で出力できる |
執筆はWordかGoogleドキュメント、体裁の最終調整が必要ならKindle Createへ移す流れが分かりやすい進め方です。なお、GoogleドキュメントからDOCXへ変換すると余白や改行の見え方が変わることがあるため、変換後に必ず表示を確認します。
Googleドキュメントでの章立てからDOCX変換、KDPへの入稿までの手順は、『GoogleドキュメントでKindle出版する方法とは?無料でできる手順と注意点を徹底解説』で確認できます。
AIで構成案や下書きを作るときの使い方
AIツールは、章構成の案出しや、小見出しの並べ替えといった骨組みづくりで使うと作業が早くなります。一方で、出力された文章はそのままでは内容が一般的になりやすく、具体性が不足しがちです。
使い分けの目安は次のとおりです。
- AIに任せやすい:章構成の候補出し、小見出しの言い換え、文章の整理
- 自分で書く必要がある:具体的な手順、判断基準、自分の考えや検証した内容
また、AIが生成した文章には効果を断定するような表現が含まれることがあります。そのまま使わず、KDPのコンテンツガイドラインに沿った表現へ整えてから本文に入れます。
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Wordの見出しスタイルと書式設定のやり方
Kindle原稿で最も重要なのが見出しスタイルです。ここを正しく設定しておけば、目次の生成もEPUBやKPFへの変換もスムーズに進みます。
見出しスタイルの設定手順
Wordでの設定は次の流れです。
- 章タイトルにする行にカーソルを置く
- 「ホーム」タブのスタイル一覧から「見出し1」を選ぶ
- 章の中の小見出しには「見出し2」を選ぶ
- 補足的な項目が必要な場合のみ「見出し3」を使う
- 本文は「標準」のままにしておく
見出しの階層は、章タイトル=見出し1、節=見出し2、補足=見出し3、という対応で統一します。階層を飛ばしたり、見た目の好みで使い分けたりすると、目次の並びが不自然になります。
注意したいのは、見出しの文字色やサイズを手動で変更するとスタイルが外れる場合があることです。編集の最終段階で、各見出しにスタイルが当たっているかを一度見直しておくと安全です。
段落・行間・フォントの整え方
リフロー型では、読者の端末側でフォントや文字サイズが変わります。細かく指定しても反映されないことが多いため、装飾は最小限にします。
- 行間や段落の設定は原稿全体で統一する
- 空白行やスペースの連打で位置を調整しない
- 文字色・下線・太字は強調したい箇所だけに使う
- 中央揃えは扉ページなど限られた場所にとどめる
装飾を減らすほど、端末による見え方の差が小さくなります。ページ余白や本文の幅まで含めて崩れを防ぎたい場合は、『Kindle出版の原稿サイズとは?Word設定とレイアウト崩れを防ぐ基本を徹底解説』を参考にしてみてください。
章の区切りは空白行ではなく改ページを使う
新しい章を次のページから始めたい場合は、Enterキーを何度も押して空白行を作るのではなく、Wordの「改ページ」機能を使います。
空白行で章の位置を調整すると、読者が使用する端末や文字サイズによって余白の大きさが変わり、意図しない空白ページが生じることがあります。
Wordでは、改ページしたい位置にカーソルを置き、「挿入」タブから「ページ区切り」を選択します。Windowsでは「Ctrl+Enter」、Macでは環境によって「Command+Enter」などのショートカットでも改ページできます。
章の区切りは空白行ではなく改ページ機能を使い、アップロード後にKindleプレビューアで章の開始位置を確認することが大切です。
画像を挿入するときのルール
画像を使う場合は、著作権の確認が前提です。フリー素材でも「商用利用可」「クレジット不要」と明記されているものを選びます。
Wordに入れるときの設定は次のとおりです。
- 「文字列の折り返し」を「行内」にする(変換時のズレを防ぐため)
- ファイル容量が大きすぎる場合は、表示品質を確認しながら圧縮する
- 画像と本文を詰めすぎず、前後に1行分の余裕を持たせる
表紙と本文画像の大きさや解像度の考え方は、『Kindle出版の挿絵サイズとは?スマホ表示に最適な縦横ピクセル数を徹底解説』も参考にしてください。なお、KDPでは露骨な表現を含む画像は審査で問題になる場合があるため、解説目的の図版を中心に使うと安全です。
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目次を自動生成する仕組みと反映されないときの対処
Kindle本の目次は、手入力で作るものではなく、見出しスタイルをもとに生成されるものです。仕組みを理解しておくと、表示されないときの原因もすぐ特定できます。
論理目次と本文内の目次ページの違い
Kindle本には、性質の異なる2種類の目次があります。
- 論理目次:端末のメニューから呼び出す目次。見出しスタイルの構造から作られる
- 本文内の目次ページ:本の冒頭に置く目次。Wordの「参考資料」タブから挿入できる
どちらも見出しスタイルが設定されていることが前提なので、先に見出しを整えてから目次を作る順番が正解です。手入力で目次らしい行を並べても、章へのジャンプは機能しません。
論理目次の作り方や確認方法は、『Kindle出版の目次とは?論理目次の作り方と確認方法を徹底解説』で詳しく解説しています。
目次に章タイトルが出てこないときの確認ポイント
プレビューで目次に章が表示されない場合は、次の順に確認します。
- その行に「見出し1」「見出し2」などのスタイルが当たっているか
- 装飾を変更してスタイルが解除されていないか
- 見出しの階層が途中で入れ替わっていないか
- Wordで目次を挿入したあとに見出しを追加した場合、目次を更新したか
- Googleドキュメントから変換した際に、見出し設定が引き継がれているか
1つ1つ手作業で直すより、見出し行を選び直してスタイルを再適用するほうが早く片付きます。
保存形式(DOCX・EPUB・KPF)の選び方とKDPへの入稿
原稿が書き上がったら、KDPにアップロードできる形式で保存します。形式ごとに向き不向きがあるため、本の内容に合わせて選びます。
文章中心の本はDOCXから始める
文章が主体の本であれば、WordのDOCX形式で保存してそのままアップロードするのが最も手数が少ない方法です。Googleドキュメントで書いた場合も、DOCX形式でダウンロードすれば同じ流れで入稿できます。
まずDOCXでアップロードし、プレビューで気になる箇所があればKindle Createで調整する、という進め方であれば、最初から複雑な変換作業を覚える必要はありません。
対応ファイルの違いと選び方は、『Kindle出版のデータ形式とは?対応ファイルとアップロード手順を徹底解説』で詳しく確認できます。
EPUB・KPFを選ぶ場面
EPUBは電子書籍の標準的なフォーマットで、レイアウトや体裁を細かく調整したい場合に向いています。KPFはKindle Createから出力する形式で、装飾や目次をKDP向けに整えた状態で書き出せます。
図版が多い本や、章扉のデザインにこだわりたい本では、これらの形式を検討する価値があります。文章中心の本であれば、DOCXのままで十分に読みやすい仕上がりになります。
EPUBの特徴や作成方法は、『Kindle出版のEPUB形式とは?作り方と注意点を徹底解説』で解説しています。
アップロード時に入力する項目
KDPの管理画面では、原稿ファイルのほかに次の情報を入力します。原稿を書いている段階でメモしておくと、入稿がスムーズです。
- タイトル・サブタイトル・シリーズ名
- 著者名(ペンネームも可)
- 説明文(Amazonの商品ページに表示される紹介文)
- キーワード(7つの入力枠がある)
- カテゴリ
- 出版権の有無
- 原稿ファイルと表紙ファイル
- 販売価格とロイヤリティの選択
説明文は、読者が購入を判断する材料になります。長さよりも、「誰のどんな悩みを解決する本か」が冒頭で伝わるかどうかが重要です。キーワードは単語を詰め込むのではなく、読者が実際に検索しそうな言葉を枠ごとに分けて入れます。
アップロードからプレビュー確認までの具体的な操作は、『Kindle出版のアップロード手順とは?失敗しない入稿とプレビュー確認を徹底解説』で詳しく解説しています。
ペーパーバックも出す場合の原稿の違い
電子書籍と紙のペーパーバックでは、原稿の作り方が異なります。電子書籍は端末に合わせて表示が変わるリフロー型ですが、ペーパーバックは印刷を前提としたページ固定の作りになります。
ペーパーバックでは、最低ページ数の条件、印刷用の余白やフォントサイズ、画像の解像度、ページ番号や目次の位置など、追加で決める項目があります。電子版の原稿をそのまま流用すると文字の詰まりやページの区切りが崩れやすいため、別ファイルとして用意するほうが確実です。電子書籍だけを出す場合は、この工程は不要です。
必要なページ数の違いは『Kindle出版のページ数は何ページ必要?電子書籍と紙の違いを徹底解説』、作成条件と出版手順は『Kindle出版で紙の本を出すには?ペーパーバックの条件と手順を徹底解説』で確認できます。
公開申請の前に行う原稿チェック
原稿の中身が完成しても、そのまま公開できるとは限りません。アップロード後のプレビュー確認と表現のチェックで、差し戻しや公開後の修正を減らせます。
Kindleプレビューアで確認する項目
KDPにはブラウザ上で確認できるオンラインプレビューと、パソコンにインストールして使うKindle Previewerがあります。どちらも実際の端末に近い表示を確認できるため、アップロード後に必ず目を通します。
確認するのは次の点です。
- すべての章タイトルが目次に反映されているか
- 章の区切りで改ページされているか
- 段落や改行が詰まりすぎていないか
- 画像の位置や大きさが崩れていないか
- 本文中のリンクが正しく開くか
- スマートフォンサイズの表示でも読みにくくないか
Googleドキュメントから変換した原稿では、リンクが機能しないことがあります。表示だけで判断せず、実際にクリックして動作を確かめます。
端末ごとの表示差や、リフロー型で崩れやすい設定については『Kindle出版のレイアウトとは?崩れない作り方とプレビュー確認の徹底解説』で確認できます。
審査で指摘されやすい表現の整え方
KDPでは、暴力的・差別的な表現や、誤解を招きやすい医療・健康・投資関連の記述に対して審査が厳しくなります。次のような書き換えで、内容を保ったまま表現を整えられます。
- 効果を断定する表現 →「〜とされています」「〜という考え方があります」に置き換える
- 医療・健康・投資の情報 → 個人差があること、公式情報の確認をすすめる一文を添える
- 直接的な描写 → 抽象的な表現に置き換える
- 特定の個人や団体への批判 → 事実の範囲にとどめる
表現をあいまいにするのではなく、根拠を確認したうえで、読者が誤解しない書き方に直すことが目的です。
審査落ちを防ぐための準備手順を一覧で押さえたいときは、『Kindle出版の準備とは?審査落ちを防ぐ手順とチェックポイントを徹底解説』をチェックリスト代わりに活用してみてください。
タイトル・目次・本文の整合性を確認する
最後に、本の入口と中身がずれていないかを確認します。
- タイトルが示す内容と、本文の範囲が一致しているか(例:「5ステップ」とあるのに本文が3章で終わっていないか)
- 目次の見出しと、本文中の章タイトルの表記が同じか
- 目次を見ただけで、本の扱う範囲が伝わるか
- 説明文で約束している内容が、本文に含まれているか
タイトルやサブタイトルに実際の内容と異なるキャッチコピーを入れると、読者の期待とずれるだけでなく、審査で指摘される場合もあります。表紙・タイトル・目次・章タイトル・本文を順に読み返し、流れに違和感がなければ公開申請に進みます。
まとめ:見出しスタイルから作れば原稿づくりは短縮できる
Kindle出版の原稿は、書く前に構成を固め、見出しスタイルで骨組みを作り、本文を埋めていく順番が最短ルートです。この流れで進めれば、目次は自動的に生成され、入稿後の修正もほとんど発生しません。
今日から取りかかるなら、次の3つから始めてみてください。
- 読者とテーマを1文で書き出す
- 章タイトルと小見出しを箇条書きで並べる
- その箇条書きをWordに貼り、見出し1・見出し2のスタイルを設定する
ここまで終われば、あとは見出しの下に本文を書き込む作業だけが残ります。書き上げたらプレビューで目次と表示を確認し、公開申請へ進みましょう。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
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