Kindle出版でレシピ本・料理本を出す方法とは?画像と紙版
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
レシピ本や料理本をKindleで出すとき、紙の本として作ったデータをそのまま電子書籍にも使えると考えるかもしれません。
しかし日本語のレシピ本では、電子版と紙版を同じ完成データで作る前提にしないほうが確実です。レシピと料理写真は共通で使えますが、電子版は端末での読みやすさ、紙版は印刷後の見え方に合わせて仕上げます。
この記事では、レシピ本の素材のそろえ方、料理写真の準備、電子版と紙版それぞれの原稿の作り方、出版前の確認までを順番に説明します。
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レシピ本は共通素材をそろえてから電子版と紙版を仕上げる
目次
Kindleでレシピ本を出す流れは、レシピ・文章・料理写真を共通素材として先に準備し、最後のレイアウト工程だけを電子版と紙版へ分ける形が基本です。
| 工程 | 進め方 |
|---|---|
| 企画 | 読者と料理のテーマを決める |
| 素材準備 | レシピ・文章・料理写真をそろえる |
| 電子版 | Kindle端末で読みやすい原稿へ仕上げる |
| 紙版 | 判型に合わせた印刷用PDFへ仕上げる |
この順番なら、レシピを修正するときも元の情報を確認しやすく、二重に作り直す手間も減ります。
最初に「誰向け・どんな料理の本か」を決める
原稿を作り始める前に、誰がどのような場面で使う本なのかを決めます。「料理全般」ではなく、読者と料理の条件を組み合わせてテーマを絞ると、掲載するレシピを選ぶ基準ができます。
たとえば、初心者向け、忙しい人向け、特定の料理ジャンルなど、収録するかどうかを判断できる軸を先に作ります。テーマが決まれば、必要な料理写真や説明の量も見えてきます。
なお、KDPで「レシピを何品以上掲載する」といった最低数は示されていません。品数だけを目標にせず、そのテーマを1冊として成立させるレシピがそろっているかで判断してください。
1レシピの構成を統一して読みやすくする
掲載するレシピが決まったら、1品ごとの情報を同じ順番で読めるように整理します。料理ごとに情報の位置が変わると、読者が材料や作り方を探しにくくなります。
1レシピの基本要素は、次のように整理できます。
- 料理名を分かりやすく表示する
- 完成した料理の写真を掲載する
- 分量と材料をまとめる
- 調理手順を順番に説明する
- 必要な場合は調理上の注意点を加える
すべての料理へ同じ量の説明や写真を入れる必要はありません。見た目の分量をそろえることより、どのレシピも同じ順番で読め、料理中に必要な情報をすぐ確認できる状態を優先します。
料理写真は完成写真と工程写真の役割を分けて準備する
料理本では写真の枚数より、何を伝えるための写真なのかを決めることが先になります。完成写真と工程写真は役割が違うため、同じ基準で枚数を決める必要はありません。
完成写真は料理の仕上がりが分かる構図にする
完成写真は、そのレシピでどのような料理ができるのかを示す写真です。料理そのものが判別でき、盛り付けや形が確認できる構図を優先します。
背景や小物を増やすより、料理の状態が伝わるかどうかで選びます。電子書籍は端末によって画面サイズが変わるため、大きく表示しなければ内容が分からない写真は避けます。
工程写真は作り方の理解に必要な場面へ絞る
工程写真は、すべての手順へ機械的に付ける必要はありません。文章だけでは状態や変化が伝わりにくい工程に絞ると、写真の役割がはっきりします。
たとえば、食材の切り方や火を止めるタイミングなど、調理中に見比べたい場面が候補になります。反対に、文章で十分伝わる工程まで写真を増やすと、ページが長くなり、本当に必要な画像が埋もれます。
写真の枚数にKDPの一律基準があるわけではないため、料理ごとの必要性で判断してください。
電子版でも料理が判別できる画像品質を確保する
電子版の料理写真は、Kindle端末で表示したときに料理や工程を確認できる品質が必要です。KDPでは、電子書籍内の画像について実際の表示サイズで300 PPIとなる画像を推奨しています。
また、リフロー型の電子書籍では、写真などを小さい端末でも見やすくするため、画面幅の60%以上で表示することが推奨されています。
画像形式やカラー設定などの詳細はレシピ本に限った話ではないため、設定面はKindle出版でカラー画像を正しく扱う方法で確認してください。レシピ本側で見るべきは、料理を理解するために必要な写真が、電子版でも判別できる状態かどうかです。
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電子版は紙版PDFを流用せずKindle用の原稿を作る
日本語の料理本では、紙版用に完成させたPDFをそのままKindle電子書籍へ使う前提にできません。紙面を固定する紙版と、さまざまな画面で読む電子版では、適した原稿の形が異なります。
日本語の電子書籍はPDF直接入稿に対応していない
KDPで電子書籍のPDFを直接アップロードできる言語は限られており、日本語は対象に含まれていません。そのため、紙の料理本として作ったPDFを、そのまま日本語のKindle本として入稿する流れは取れません。
紙面の見た目を維持できるKindle Createのプリント・レプリカも、日本語には対応していません。画像を多く使うジャンルであっても、紙版と同じページをそのまま電子化できるとは考えず、電子版用の原稿を別に用意してください。
文章と写真を分離できるならリフロー型を基本候補にする
リフロー型は、読者の端末や文字サイズに合わせて文章の配置が変わる形式です。料理名、完成写真、材料、作り方という順番で読めば内容が伝わるレシピなら、ページ上の位置を固定する必要はありません。
写真が多いから固定レイアウト、と決めず、文章と写真を分離しても意味が成立するかで判断します。リフロー型なら、スマートフォンなど画面の小さい端末でも文章を読みやすくできます。
配置そのものに意味がある場合は固定レイアウトを検討する
画像と文字の位置関係が内容の理解に直結する場合は、固定レイアウトが選択肢になります。ページ上の配置を維持できる一方で、読者側での文字サイズ変更など、一部の読書機能に制限があります。
紙面を再現できることだけを理由に選ぶと、電子版の読みやすさが下がります。通常のレシピ説明でリフロー型が成立するならリフロー型を優先し、配置を崩すと内容が理解できなくなる本で固定レイアウトを検討してください。
出版前に端末表示をプレビューして写真と文章を確認する
電子版の原稿は、ファイルを作成した時点で確認を終わらせず、プレビューで実際の表示を見てから出版します。確認する箇所は次のとおりです。
- 料理名と完成写真が対応しているか
- 材料と作り方が読みやすい順番になっているか
- 工程写真が説明文から離れすぎていないか
- 写真が小さすぎて料理を判別できなくなっていないか
紙面として整って見えるレイアウトでも、電子版では画面サイズによって見え方が変わります。再現性ではなく、Kindleで読んだときにレシピとして使えるかを基準に確認します。
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紙の料理本はペーパーバック用の本文PDFを別に作る
紙のレシピ本を出す場合は、電子版の完成データを流用せず、ペーパーバック用の本文PDFを別に作成します。共通のレシピと料理写真を使いながら、判型や印刷後の見え方に合わせてレイアウトを組み直します。
判型を先に決めて本文PDFを仕上げる
日本語のKDPペーパーバックでは、本文原稿をPDFでアップロードします。そのため、先に判型を決め、そのページサイズに合わせて本文を組む流れになります。材料、作り方、完成写真が1ページ内で無理なく読めるかを確認してください。
料理写真については、紙版で使用する画像に最低300 DPIが必要です。電子版で見やすかった写真でも、印刷用PDFへ配置する段階で品質を改めて確認します。
掲載するレシピ数によってページ数も変わるため、条件はKindle出版のページ数と電子書籍・紙版の違いで確認できます。ペーパーバック全体の出版手順や設定は、KDPペーパーバックの出版方法と電子書籍との違いを参照してください。
写真をページ端まで配置する場合は裁ち落としを設定する
料理写真や背景をページの端まで印刷したい場合は、裁ち落としを前提に原稿を作ります。裁断時にはわずかな位置の差が生じるため、仕上がり位置ちょうどで画像を止めないようにします。
一方、写真を余白の内側へ収めるデザインなら、すべてのページを裁ち落としにする必要はありません。写真の見せ方を先に決めてから、そのデザインに裁ち落としが必要かを判断します。
料理写真を重視するなら標準カラーとプレミアムカラーを比較する
カラー写真を載せる紙のレシピ本では、印刷に使うカラー方式も選びます。
| 選択肢 | レシピ本での考え方 |
|---|---|
| 標準カラー | 画像が少ない本や、印刷コストとのバランスを重視するときに比較する |
| プレミアムカラー | 料理写真など、画像の鮮明さを重視する本で第一候補にする |
料理本だから必ずプレミアムカラー、と一律に決める必要はありません。写真が読者の理解や本の魅力へどの程度影響するかを基準に選びます。両者の詳しい違いは、KDPの標準カラーとプレミアムカラーの違いで確認できます。
出版前に画像の権利と最終表示を確認する
原稿が完成したら、レシピの内容だけでなく、使用した画像の権利と各形式での表示を確認します。レシピ本は写真の点数が多くなりやすいため、入手経路も整理しておきます。
自分で撮影していない画像は利用権を確認する
自分で撮影していない料理写真や素材を使う場合は、販売する本へ掲載できる権利があるかを確認します。ネット上で見つけた画像や素材サイトの写真が、そのままKindle本へ掲載できるとは限りません。
無料で入手できる素材でも、「無料であること」と「販売物へ使えること」は別の条件です。確認方法はフリー素材をKindle本に使うときの画像ライセンスと注意点で詳しく解説しています。条件を確認できない画像は、推測で使わず、利用範囲がはっきりした素材へ差し替えます。
AI生成の料理画像はKDPの申告対象か確認する
生成AIで作った料理画像を掲載する場合は、通常の写真とは別にKDPのルールを確認します。KDPでは、AIによって生成された画像を含む場合、AI生成コンテンツとして申告が必要です。
イメージカットとして使う場合でも、画像だから対象外になるわけではありません。AIを下書きや補助として使っただけなのか、画像そのものをAIが生成したのかを整理し、実際の制作方法に合わせて申告してください。
電子版は端末表示、紙版は印刷結果まで確認してから出版する
最終確認の基準も、電子版と紙版で分けます。電子版はKindle上のプレビューで、料理名・完成写真・材料・作り方が自然な順番で読めるかを見ます。
紙版は本文PDFのプレビューに加えて、写真や文字が印刷後に読めるかを確認します。画面上の色と印刷結果は一致するとは限らないため、カラー写真を重視する本では校正刷りを取り寄せ、実際の紙で仕上がりを見てから出版へ進むと安心して判断できます。
【著者:石黒秀樹】
Kindle出版サポート歴5年。
累計受講生600名以上。
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