KDPの表紙計算ツール(Cover Calculator)とは?背幅の出し方を解説
のべ600名以上・累計10,000冊以上の出版を支援してきた石黒秀樹が解説します。
ペーパーバックの表紙を作るときは、背幅を何mmにするのか、表紙全体を何mm×何mmで作るのかを先に決める必要があります。
この寸法を確認できるのが、Amazon KDPが公式に用意している表紙計算ツール(Cover Calculator)です。
判型やページ数、本文タイプ、用紙などを入力すると、背幅を含む印刷用表紙の寸法と、その条件に対応したテンプレートを取得できます。
使うタイミングは、本文を完成させて最終ページ数が確定したあとです。ページ数が変われば背幅も表紙全体の幅も変わるためです。
ここでは、ツールで確認できる内容、入力前に決めておく条件、表紙サイズを出す手順、背幅の計算の仕組みまでを順番に整理します。
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KDPの表紙計算ツールは背幅・表紙全体サイズ・テンプレートを確認できる公式ツール
目次
表紙計算ツールは、ペーパーバックの印刷用表紙に必要な寸法を計算するために用意された公式ツールです。
確認できるのは、背幅だけでなく、表表紙・背表紙・裏表紙を合わせた表紙全体のサイズです。
さらに、入力した条件に対応する表紙テンプレートも取得できます。
入力するのは本の仕様とページ数の7項目
Cover Calculatorでは、本の仕様を選択してページ数を入力すると、印刷用表紙に必要な寸法が計算されます。
入力する主な項目は、次のとおりです。
- 綴じのタイプ
- 本文タイプ
- 用紙タイプ
- ページを読む方向
- 測定単位
- 判型
- ページ数
これらの条件が変われば、必要な背幅や表紙全体の寸法も変わります。
そのため、別の本で使った表紙サイズをそのまま流用せず、本ごとに条件を入力して確認してください。
ツールは、KDP公式の印刷用の表紙計算ツールとテンプレートのページから利用できます。
表紙デザインそのものを作るツールではない
Cover Calculatorが行うのは、寸法の計算とテンプレートの生成までです。
タイトルや画像を配置して、完成した表紙デザインを自動作成する機能ではありません。
計算結果とテンプレートを確認したあと、その寸法を基準に表紙を制作する流れになります。
また、このツールが対象にしているのは、ペーパーバックなどの印刷用表紙です。
Kindle電子書籍の表紙は、背幅や裁ち落としを考えないため、サイズの決め方が異なります。電子書籍側の表紙については、Kindle出版の表紙サイズと最適な設定で詳しく確認できます。
名前が似た3つのツールは役割が異なる
KDPには、名前の似た表紙関連のツールがあります。
役割が違うため、何を確認したいのかで使い分けると迷いにくくなります。
| ツール | 主な役割 |
|---|---|
| 表紙計算ツール | 背幅や印刷用表紙の寸法を計算し、テンプレートを取得する |
| ペーパーバックサイズ計算ツール | 本文サイズやマージンなどを確認する |
| 表紙作成ツール | 表紙デザインを作成する |
背幅と表紙全体の寸法を知りたいときに使うのは、表の一番上にある表紙計算ツールです。
使う前に本文の最終ページ数と印刷条件を確定する
Cover Calculatorへ入力する前に、本文と印刷条件をできるだけ確定させておきます。
なかでも影響が大きいのが、本文の最終ページ数です。
本文を完成させて最終ページ数を確認する
最初に、ペーパーバックへ入稿する本文を完成させます。
文字や画像の配置、ページ構成などを整えたうえで、最終的に何ページになるのかを確認してください。
先に表紙を作ってから本文を修正すると、ページ数の増減にあわせて背幅も変わります。
背幅が変われば、表表紙から裏表紙までをつないだ表紙全体の幅も合わなくなります。
仮のページ数で表紙を完成させるより、本文の最終版を基準に計算するほうが手戻りを防げます。
判型・本文タイプ・用紙タイプを決める
ページ数のほかに、判型・本文タイプ・用紙タイプも先に決めておきます。
判型は、完成した本の横幅と高さを決めるサイズです。A5やB6など、選んだ判型によって表表紙と裏表紙の寸法が決まります。
判型そのものの選び方は、KDPペーパーバックの判型とおすすめサイズの選び方で確認できます。
本文タイプや用紙タイプは、背幅の計算条件に関わる項目です。同じページ数でも、条件が違えば背幅は同じになりません。
入力するときは、実際にKDPで出版する条件をそのまま選ぶようにしてください。
日本語の縦書き本は「右から左」の読み方向を選ぶ
Cover Calculatorには、ページを読む方向を指定する項目があります。
日本語の縦書き本を右綴じで作る場合は、「右から左」を選びます。
右から左に読む本では、表表紙と裏表紙の左右の配置が左綴じと逆になります。
本文だけを右綴じにして、表紙を左綴じの配置で作ってしまうと、表裏が入れ替わった状態で印刷されます。
右綴じのページ順や表紙配置については、KDPペーパーバックの右綴じと日本語縦書き本の設定で詳しく確認できます。
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Cover Calculatorで表紙サイズを出す手順
本文と本の仕様が確定したら、Cover Calculatorへ条件を入力します。
流れは、条件を選ぶ → ページ数を入力する → 計算結果を確認する → テンプレートを取得するの4段階です。
条件とページ数を入力して「サイズの計算」を実行する
公式ページのCover Calculatorを開いたら、作成する本に合わせて各項目を選択します。
入力の順番は、次のように進めます。
- 綴じのタイプを選択します。
- 本文タイプを選択します。
- 用紙タイプを選択します。
- ページを読む方向を選択します。
- 測定単位を選択します。
- 使用する判型を選択します。
- 本文の最終ページ数を入力します。
- 「サイズの計算」を実行します。
ここで入力するページ数は、表紙を含めた枚数ではなく、完成させた本文側のページ数です。
測定単位は、表紙制作に使うソフトの単位に合わせて選ぶと、あとで換算する手間がなくなります。
計算結果で背幅と表紙全体の寸法を確認する
計算を実行すると、選択した条件に対応する表紙寸法が表示されます。
確認したいのは、背幅と、表紙全体の幅・高さの2つです。
ペーパーバックの入稿用表紙は、表表紙だけを作るものではありません。
裏表紙・背表紙・表表紙を横につないだ1枚のデータとして制作します。
そのため、判型の横幅を単純に2倍にしても、正しい表紙全体サイズにはなりません。中央にページ数に応じた背幅が入り、さらに印刷用に必要な余白領域も加わるためです。
PDFまたはPNGのテンプレートをダウンロードする
計算結果を確認したら、同じ条件で生成された表紙テンプレートをダウンロードします。
KDPでは、PDFまたはPNG形式のテンプレートを取得できます。
テンプレートには、選択した判型やページ数に対応した表紙制作の基準線が反映されています。
数値だけを見ながら作るより、表表紙・背表紙・裏表紙の位置関係を目で確認しながら制作できます。
使うソフトが画像を扱いやすいならPNG、印刷用データとして正確な寸法を保ちたいならPDFというように、制作環境に合わせて選んでください。
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背幅はページ数×用紙ごとの係数で決まる
KDPペーパーバックの背幅は、ページ数だけで一律に決まるわけではありません。
ページ数に、本文タイプや用紙ごとの係数を掛けて計算します。
同じ120ページの本でも、用紙が違えば背幅は変わります。
白・クリーム・カラー・砕木パルプ紙で係数が異なる
KDP公式情報で示されている係数を整理すると、次のとおりです。
| 本文・用紙の条件 | 1ページあたりの係数 |
|---|---|
| 白黒・白用紙 | 0.0572mm |
| 白黒・クリーム紙 | 0.0635mm |
| 標準カラー | 0.0572mm |
| プレミアムカラー | 0.0596mm |
| 砕木パルプ紙 | 0.0596mm |
計算方法は、ページ数×該当する係数=背幅です。
ただし、KDP日本語版では、カラー本の係数について表記が統一されていない箇所があります。表紙作成に関するページでは標準カラーとプレミアムカラーが分けて示されている一方、提出ガイドライン側ではカラー本をまとめて扱う表記が見られます。
そのため、手計算は背幅の仕組みを理解するための目安として使い、入稿する寸法はCover Calculatorの計算結果で確定させてください。
砕木パルプ紙そのものの特徴は、KDPの砕木パルプ紙と白・クリーム紙の違いで確認できます。
120ページの白用紙なら背幅は6.864mm
具体例として、白黒・白用紙で120ページのペーパーバックを計算してみます。
白黒・白用紙の係数は、1ページあたり0.0572mmです。
120ページ×0.0572mm=6.864mm
この条件で手計算した背幅は6.864mmになります。
ページ数が増減すれば、同じ白用紙でも結果は変わります。同じ120ページでもクリーム紙へ変更すれば、係数が0.0635mmになるため背幅は厚くなります。
表紙全体の幅は裁ち落とし・裏表紙・背幅・表表紙の合計
表紙全体の幅は、次の要素を横につないで求めます。
- 左側の裁ち落とし3.2mm
- 裏表紙の幅
- 背幅
- 表表紙の幅
- 右側の裁ち落とし3.2mm
高さも判型の高さそのままではなく、上側3.2mm、判型の高さ、下側3.2mmを合計した寸法になります。
つまり、背幅は表紙全体の横幅を決める要素の1つにあたります。ページ数が変わって背幅が変化すれば、表紙全体の横幅も連動して変わります。
裁ち落としの意味や、本文・表紙への具体的な設定方法は、KDPの裁ち落としと白フチを防ぐ設定で詳しく確認できます。
背表紙に文字を入れるなら80ページ以上を基準にする
ページ数が少ない本は背幅が細くなるため、背表紙へ文字を入れられない場合があります。
KDP公式の日本語ページには、背表紙の文字について「79ページ以上」と「79ページを超えている」という異なる表記があります。英語版では「79ページを超える」という条件です。
境界のページ数で迷わないためには、80ページ以上を基準に考えると安全です。
背表紙へ文字を配置するときは、文字から背の端まで1.6mm以上の間隔も確保します。
ページ数だけで判断せず、生成したテンプレート上で実際の収まりも確認してください。
テンプレートを表紙制作に使うときの注意点
Cover Calculatorから取得したテンプレートは、表紙を正しい位置と寸法で作るためのガイドです。
使い方を誤ると、寸法が合っていても入稿でつまずくことがあります。
テンプレートは提出用PDFに残さない
テンプレートには、表表紙・背表紙・裏表紙の境界や余白を示す線が入っています。
制作中はその線を目安にデザインを配置できますが、KDPへ提出するPDFにテンプレート自体を含めてはいけません。
ガイド線が残ったまま入稿すると、そのまま印刷される可能性があります。
完成時には、テンプレートのレイヤーや画像を削除し、実際に印刷する表紙データだけが残る状態にしてください。
ページ数や用紙を変更したら再計算する
表紙を作ったあとに本文を修正し、ページ数が変わることがあります。
その場合は、変更後の最終ページ数でもう一度計算し直します。
用紙タイプや本文タイプなど、背幅に関係する条件を変更したときも同じです。
以前ダウンロードしたテンプレートを流用せず、新しい条件で生成し直したものを使ってください。
完成後はKDPの印刷プレビューで配置を確認する
表紙PDFが完成したら、KDPへアップロードして印刷プレビューを開きます。
確認するのは、表表紙・背表紙・裏表紙が意図した位置に収まっているかどうかです。
背幅のある本では、背表紙の文字が中央からずれていないか、端に寄りすぎていないかも見ておきます。
本文を確定し、Cover Calculatorで寸法を出し、テンプレートを基準に制作し、印刷プレビューで確認する。この順番で進めれば、背幅と表紙サイズで迷う場面を減らせます。
【著者:石黒秀樹】
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